更年期に悩むママたちへ。「抱えすぎ」「がんばりすぎ」は要注意!カリスマ鍼灸師からの助言

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早い人だと30代から始まる更年期のプチ不調。できれば薬ではなく、自分でせたら・・・・と思いますよね。そのためには体と心をどう整えていけばよいのか? をコンセプトにカリスマ女性鍼灸師やまざきあつこさんが語り下ろした初の著書『女はいつも、どっかが痛い がんばらなくてもラクになれる自律神経整えレッスン』が好評で、発売直後に重版が決定しました。 前回、やまざき先生に「更年期障害との上手な付き合い方」について話をうかがいましたが、後編である今回は、メンタル方向からアプローチしていく辛い症状の緩和法を教えて頂きます。

疲れたなーと感じたら、それは「抱えすぎ」「がんばりすぎ」のサイン

筆者:前回、心身に不調を感じたら、まずは体のほうから先にアプローチするといい、というお話をうかがいました。その中でも血流はとても大切ということでしたね。本書には、貧乏ゆすり、足踏みも体に良いと書かれていたので、ズボラな私には有難かったです(笑)。

あつこ先生:それだけでも、やらないよりかは全然いいんです。要は、ちょっとだけでもいいので、体に刺激を与えてあげるのが大事。気になる箇所を手の平でさするだけでも、血の流れは良くなります
女性は体も心もデリケートにできているのですから、ご自分の体をやさしくさすりながら、「痛いところはないかな?」「硬いところはないかな?」って、日々、確認してあげてください。ご自身への「関心」と、その「気付き」が、体調悪化を防ぐ大切なポイントになります。

筆者:プレ更年期も含めた更年期世代の女性たちは、ともすると、家庭でも仕事でも、人のお世話に忙殺されていて、自分のことは二の次になりやすいですものね。それで、自分の体を壊していたら、元も子もないですよね。

あつこ先生:「自分の世話より人の世話」を優先できることは、その方の素晴らしい長所ですが、その役に疲れを感じたならば、それは「抱えすぎ」「がんばりすぎ」のサインです。疲れは体からの警告で、これ以上はがんばれないってこと。なので、この時点でゆっくり休んで、体調を整えていかないといけません。

筆者:ご著書の中で「女子会の際に、気付けば大皿料理を取り分けているような気働き上手は病みやすい」とありましたが、更年期障害が重くなる女性は気を遣い過ぎ、がんばりすぎな人が多いってことでしょうか。

あつこ先生:そういう傾向もありますが、更年期特有の症状は多かれ少なかれ、誰しもが感じるものなんです。更年期障害と呼べるほどに、その症状が重く出る人は自分でも気が付かないうちに疲れを溜め込んでいることが多いです。

「役割から降りる勇気」「助けを呼ぶ勇気」を持とう

筆者:前回、「体と心は一体なので、どちらかだけが勝手に病むのではない。女性は特に、体の症状と共にメンタル面も整えることが必須」と教えて頂きましたが、心へのアプローチとしては、どういうことが有効でしょう?

あつこ先生:まずは、疲れや体調不良を感じたら、その時点で、ご自分の暮らしぶりを振り返ってみて欲しいんです。意外と気付かないうちに、例えば、睡眠不足であったり、不規則な食生活などで、ご自身の体を痛めつけていることもあります。そうなるには、その原因があるはずなので、何が原因でストレスフルになっているのかを考えることが第一歩ですね。それが分かると、対処の方法も出てきますから。もし、負担が過ぎているならば、自分に課している役割から、一旦、降りてみるって選択も体調悪化を防ぐポイントです。

筆者:そうは言っても、HugKum世代の女性たちは、育児に家事に仕事にと追われているので、役割を降りるということも勇気が要りますよね。

あつこ先生:がんばり屋さんは特にそういう傾向がありますが、人間は「疲れを溜めたら病気になる」「働き過ぎたり、寝不足になると動けなくなる」生き物です。
その人がいなくても、短期間なら、仕事も家庭も、どうにか回ります。「私が、私が!」は幻想です。疲れのピークという感覚を無視したら、お金と時間と信用、そのすべてを失う結果になるかもしれません。ボロボロになった神経が復活するには、自力では回復が難しくなるので、プロに払うお金と、それなりの時間が必要。一番、切ないのは、周囲もそうですが、ダウンしてしまったその人自身が、自分に対する信頼を失ってしまうことです。

筆者:「自分がやらなくちゃ!」とか「自分さえ我慢すれば……」「自分が悪いんだから」というような思考回路になると、更なる体調悪化を招くってことですね?

あつこ先生:そうです。心と体は一体なので、その思考のクセが災いして、気付くと体が絶不調。体の不調が余計に不安を呼び込むので、メンタルもおかしくなっていきます。その前に、助けを呼ぶ勇気を持つことが大事なんですよ。

イラスト/渡邉杏奈(MONONOKE.Inc)

筆者:本の中で、幼稚園ママ同士の諍いがストレスとなり腰痛が悪化した女性の話がありましたが、その方は思い切って夫さんに子どもの送迎をお願いすることで、危機を脱したんでしたね。

あつこ先生:真面目で責任感が強い方は、どういうわけか「どうせ、言っても無駄」とばかりに最初から諦めている場合が多いんです。自分で自分を縛ってしまう思考クセとも言えますが、人間、辛い時には辛いと近くの人に打ち明けたほうがいいですよ。
人は支え合って生きているので、自分が辛い時くらいは、素直に色んな人を頼ってください。気付いていないだけで、助けてくれる人は沢山いますから。

筆者:「これくらいの不調はよくある」「痛いのは慣れてる」ってやせ我慢しがちな人は要注意ですね。体調面だけではなく、対人関係であったとしても、我慢しすぎは良くないですよね。そうなると単純に元気が出ませんものね……。

あつこ先生「気」って、実はすごく大事なんですよ。人間の体には目には見えませんが「気」が巡っています。「元気」「勇気」なんていう「気」ですね。これが、不安や悪環境の中にいると枯渇していくので、ドンドンと「自分はどうしたいのか?」という基本的なことも分からなくなっていきやすいんです。この「自分軸」が揺れると、流されていくだけになっていくので、些細なことでも、揺れっぱなしになります。
まずは「本当は、自分はどうしたいのか?」ということを意識することが、結果的に快癒への近道になるんです。
自分の中のエネルギーを取り戻せると快復していきますから、「疲れたな」と思ったら、ゆっくり、ゆったりを意識してくださいね。

筆者:気を付けたいです。ありがとうございました。

(文/鳥居りんこ+生活編集室)

やまざきあつこ(著)鳥居りんこ(取材・文)|小学館1430円(税込)

“自律神経失調症女性の駆け込み寺”と呼ばれる鍼灸院院長と患者のやり取りから生まれた、「がんばらなくても・不調を受け入れ・気付けばラクになっている」生き方のヒント集。施術中に著者が何気なく口にする言葉――「症状は辛いけど病気ではないから」「その思考は毒が溜まる原因かも」「気働き上手さんの役割から降りてみて」「誰かの不機嫌は、あなたのせいじゃない」そして「女はいつも、どっかが痛いの。分かります、大丈夫!」――などがきっかけで、痛みを招きがちな自分の心と体の“クセ”に気付き、少しずつラクになっていく患者たち。女性鍼灸師として28年間7万人をみてきた著者だからこそ話せる「できるだけ薬に頼らずラクになる方法」とは?

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記事監修

鍼灸師
やまざきあつこ

1963年生まれ。藤沢市辻堂にある鍼灸院『鍼灸師 やまざきあつこ』院長。開業以来28年間、7万人の治療実績を持つ。1997年から2000年までテニスFedカップ日本代表チームトレーナー。プロテニスプレーヤー細木祐子選手、沢松奈生子選手、吉田友佳選手、杉山愛選手などのオフィシャルトレーナーとして海外遠征に同行。ほかにプロライフセーバー佐藤文机子選手、プロボディボーダー小池葵選手、S級競輪選手などプロアスリートの治療にも関わる。自律神経失調症の施術には定評がある。

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