意外と知らない!?偏差値とは? 活用法や見方の注意点、計算法を解説

偏差値とは何を表す数値なのか説明できますか。この記事では、偏差値に焦点を当て、どのように見るのか、活用する方法、偏差値の求め方などを解説していきます。

偏差値とは

偏差値とは、学力試験を受けた受験者全員のなかで自分がどれくらいの位置にいるかを表す数値のことです。

これは、平均点を偏差値50として、その基準からどれくらい高い点数だったか、または低い点数だったかがすぐに判断できます。

偏差値の見方や活用法を知れば、受験勉強に役立てることができます。

偏差値の活用法

偏差値を知ることでどのようなことがわかるのか、偏差値を活用すると何がわかるのかを解説していきましょう。

偏差値とは

自分の学力を客観視できる

試験を受けた受験者全員のなかで、自分がどれくらいの位置にいるのかを知ることができます。偏差値では、問題の難易度、受験者数に関係なく、比較しやすくなることから、受験する学校の合格の可能性を判定することにもつながります。

学力レベルの確認

異なる時期に受けたテストの偏差値と比較することで、現在の自分の学力レベルを確認できることに使えます。自分の学力の変化をつかめるのが偏差値の良い点です。

教科の得意・苦手の把握に役立つ

入学試験では、選択科目がある場合もあります。得点が取りやすい科目で受験すれば、合格しやすくなるでしょう。

科目別で偏差値をチェックし、得意科目、不得意科目を把握するときにも役立ちます。

志望校を決める参考にする

志望校の偏差値と自分の偏差値をくらべて、現状、志望校に合格できる学力があるのかを確認することができます。

偏差値が志望校の偏差値に届いていないようなら、偏差値をアップさせるためにモチベーションを保ちながら勉強することができるでしょう。

進路指導

偏差値は学生だけのものではありません。学校の先生も偏差値を活用し、受験生が志望校に受かる見込みがあるかどうかの参考にしています。

ビジネスでも使える偏差値

ビジネスにおいても、偏差値を活用することができます。たとえば、営業成績において、自分は社内でどのくらいの位置にいるのかを把握したいときにも使えます。

偏差値の見方

偏差値は数値をただ見ればよいわけではありません。どのように見ればよいのかを知っておきましょう。

平均点は偏差値50

偏差値では、試験の平均点が偏差値50となります。そのため、偏差値が50以下か、50以上かによって、自分の点数が平均点よりも上だったのか、下だったのかを判断できます。

偏差値は30〜70におさまるようになっている

偏差値では、ほとんどの人の偏差値の範囲がおよそ25〜75におさまるようになっています。そのため、次のように自分の位置を把握することが可能です。

偏差値30:平均よりも下の位置にいる
偏差値50:ちょうど平均の位置にいる
偏差値70:平均よりも上の位置にいる

ただし、ごくまれに偏差値が0を下回る、100を上回ることもあります。

平均点との差を見る

たとえば、平均点が30点、得点が50点だったとしましょう。そうすると、得点は50点と低いものの、平均的には成績がよかったということが判断できます。

平均点と自分の得点を比較し、差を見ることで、自分の学力を明確に知ることができます。

得点のばらつきを考える

前述した「平均点との差」だけでなく、「得点のばらつき」も考えるようにしましょう。「得点のばらつき」とは、試験を受けた人全員の得点が、平均点に集中しているか、ばらつきがあるかです。

平均点に集中している場合、平均点から離れた得点が取りにくくなります。それにより、平均点よりも高い点数ならば偏差値は高くなります。反対に、得点にばらつきがあるようなら平均点から離れた得点が取りやすくなります。よって、平均点以上の点数であっても偏差値は上がりません。

このように、「平均点との差」と「得点のばらつき」を考えることで、受けたテストや試験の成績のよさを判断できるのです。

「BF」とは

偏差値の「BF」という表記は、「ボーダーフリー」の略です。これは、募集人数に対する受験者数や不合格者数が極端に少ない学校などでボーダーラインを設定することができないときに表記されます。

偏差値の注意点

偏差値を見るときに注意したいポイントを解説していきます。

偏差値は試験によって変動する

偏差値は、その試験を受けた人全員の学力や受験者数などで変わります。たとえば、学校の模試と全国模試とでは、テストを受ける人も違いますし、人数も違います。よって、同じ点数でも、偏差値が変動することになります。

試験がどのような集団、規模で行われたのか確認

前述したとおり、偏差値は試験を受ける集団によって変わってきます。そのため、試験がどのような集団(学校の模試なのか、全国模試なのか、塾の模試なのかなど)で行われたのかを確認しておきましょう。

偏差値一覧表の数値は合格率80%

偏差値一覧表に記載されている数値は、合格率80%目安の偏差値です。あくまでも合格の目安なので、合否判定と合わせて判断しましょう。

テストを受けた人数が少ない場合は偏差値の価値が低い

テストを受けた人の人数が少ない場合、自分がどの程度の位置にいるか示した偏差値が出ても、その価値は低くなります。

偏差値の計算方法

偏差値は、計算方法で導き出すことができます。どのような計算方法なのか見ていきましょう。

偏差値は自分の得点だけでは計算できない

偏差値を計算する前に、注意すべき点があります。それは、自分の得点だけでは偏差値を計算式で求めることはできない点です。

偏差値を計算するには、さまざまな条件を確認しなければなりません。たとえば、平均点や標準偏差です。

これらは自分で調べることはできないため、自分の得点だけで偏差値を計算できないのです。このことを踏まえた上で、これから計算式を紹介していきます。

偏差値の計算式

偏差値の計算式は、

偏差値 =(個人の得点 ― 平均点)÷(標準偏差)× 10 + 50

です。これから順を追って解説していきます。

平均点を求める

まずは、平均点を求めましょう。平均点は、テストを受けた全員の得点の合計を受験者数で割ることで求められます。

平均点 =テストを受けた全員の得点の合計 ÷ 受験者数

偏差を求め、2乗する

次に、テストを受けた全員の「偏差」を求めます。偏差とは、得点から平均点を引いた値です。その後、全員の偏差を2乗し、合計を出します。

偏差 = 個人の得点 ― 平均点

偏差²の合計

分散を求める

分散とは、偏差の2乗の平均値のことです。分散の計算方法は、偏差の2乗の全員分の合計を受験者数で割ります。

分散 =偏差²の合計 ÷ 受験者数

標準偏差を求める

標準偏差は、データのばらつきの大きさのことをいいます。分散の正の平方根を計算することで求められます。

標準偏差=√分散

「平均との差」を「標準偏差」で割る

まず、自分の得点から平均点を引きます。そして、その値を標準偏差で割ります。

平均との差 = 自分の得点 ― 平均点

A = 平均との差 ÷ 標準偏差

「偏差値」を求める

「平均との差」を「標準偏差」で割った数値Aを10倍にします。その計算で出た数に50を足すと偏差値が出ます。

偏差値= 数値A × 10 + 50

偏差値で自分やお子さんのの学力を知ると、勉強に役立つ!

偏差値では、自分が今、どのくらいの学力があるかを知る目安になります。また、得意教科や苦手な教科の把握にも役立ちます。偏差値を上手に活用して、学力をアップさせましょう。

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文・構成/HugKum編集部

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