貴船神社の由緒やご利益、不思議な水占みくじや、覗いてはいけない龍穴など、気になる魅力を紹介

京都・鴨川の源流、貴船川沿いに建つ貴船神社は、神秘的な雰囲気が魅力の古社です。三つの社があり、それぞれに見どころが多いため、しっかりと下調べしてから出かけましょう。貴船神社の由緒や御利益、見逃せないポイントを紹介します。

貴船神社とは?

「貴船神社(きふねじんじゃ)」は、参道の両側に赤い灯籠(とうろう)がずらりと並ぶ光景が印象的な、京都の人気観光スポットの一つです。いつ頃、誰を祀(まつ)るために建てられたのか、貴船神社の基本情報を見ていきましょう。

パワースポットとして人気の古社

貴船神社が立つ場所は、JR京都駅から北へ約18km、車で行けば40分ほどの「左京区鞍馬貴船(くらまきぶね)町」です。

貴船町周辺は、京都の奥座敷として知られるエリアで、神社の近くを流れる貴船川沿いには「川床(かわどこ)」をしつらえた旅館や飲食店が軒を連ねます。

貴船川の川床(京都市左京区)。5~9月頃の貴船川沿いには、旅館や飲食店が運営する川床料理の店やカフェがズラリと並ぶ。清流のせせらぎを感じながら、手を伸ばせば川の流れに触れそうな近さにある。十数軒の川床があるが、予約していくほうが賢明。

 

清流と豊かな緑のおかげで、夏でも涼しく、避暑のために訪れる観光客で賑わっています。

川の上流に立つ貴船神社も、緑に囲まれた境内に清々しい空気が満ちあふれ、パワースポットとしても大変人気です。

なお、地名は「きぶね」ですが、神社の名前は「きふね」と読みます。神社の起源でもある清らかな水が濁らないように、との願いが込められているためです。

参照:貴布禰総本宮 貴船神社

貴船神社の由緒

貴船神社の創建年代は不明ですが、相当古くから存在していたことは確かなようです。社伝には、今から約1300年以上も前に、社殿の建て替えが行われたとの記録が残っています。

由緒については、以下の二説が伝わっています。

・太古に貴船山中の鏡岩に天から神様が降りてきた
・約1600年前に、神武天皇の母・玉依姫命(たまよりひめのみこと)が黄船に乗り、到着した場所に祠(ほこら)を建てて水神を祀った

貴船神社に祀られている神様

貴船神社には三つの社があり、それぞれに神様が祀られています。

本宮と奥宮に祀られる「高龗神(たかおかみのかみ)」は、水を司る神様です。降雨をコントロールするほか、地中の水を適切に湧き出させる力があるとされています。

奥宮には、同じく水の神である「闇龗神(くらおかみのかみ)」と玉依姫命も合祀されていると伝わっています。

本宮と奥宮の間に立つ結社(ゆいのやしろ)の祭神は、「磐長姫命(いわながひめのみこと)」という名の女神です。

貴船神社の御利益

貴船神社を参拝すると、どのような御利益があるのでしょうか。磐長姫命を祀る結社と、水の神を祀る本宮・奥宮とに分けて見ていきましょう。

縁結び

結社は、縁結びの御利益があるとされ、平安時代にはすでに良縁を願う人が多く参拝に訪れていました。歌人の和泉式部(いずみしきぶ)が、心変わりした夫との復縁をかなえたことでも知られています。

ところで、結社に祀られる磐長姫命には、「木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)」という名の美しい妹がいました。

神武天皇の曾祖父「瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)」が、木花開耶姫命にひとめぼれして求婚すると、姉妹の父神は磐長姫命も一緒に嫁がせます。

しかし、磐長姫命は妹と違って大変醜かったため、実家に帰されてしまいました。傷付いた磐長姫命は、人々が自分と同じ思いをしないように良縁を授けようと考え、貴船の地に鎮座したといわれています。

運気隆昌、諸願成就

本宮・奥宮には、運気を高め、願い事を成就(じょうじゅ)させる御利益があると信じられています。

本宮や奥宮の祭神が司る水は万物の元であることから、「気」が生ずる根源として、古くは「きふね」を「氣生根」と記していました。

そうした言い伝えから、貴船神社は清らかな神の気が生ずる場所であり、神の気に触れることで人の運気も高まりやすいといわれています。

実際に朝廷では、飢饉や疫病が発生したときに、貴船神社へ勅使(ちょくし)を派遣し、収束を祈願していたそうです。特に日照りや長雨が続いたときは、生きた馬を献じて雨乞いや雨止みを祈っていました。

後に、生きた馬に代わって馬の絵を描いた板を使うようになり、現在の「絵馬(えま)」の元になったとも伝わっています。

「2頭の馬の像」が、絵馬発祥の地の証?  かつて朝廷では、降雨を祈願するときには「黒馬」を、雨止みを祈願するときには「白馬」を、貴船神社に献上していた。実際に生きた馬を献上していたが、平安時代になって儀式が簡略化され、馬の絵を描いた板「板立馬(いただてうま)」が奉納されるようになり、これが現在の「絵馬」の原型。

貴船神社の見どころ

京都には、観光スポットがたくさんあるため、1カ所に滞在できる時間は限られます。効率よく見てまわるために、貴船神社の見どころを押さえておきましょう。

本宮の水占みくじ

貴船神社の名物は、本宮の「水占(みずうら)みくじ」です。一般的なおみくじと違い、選んだ紙には何も書かれていません。

社殿の近くに霊泉が湧き出る場所(水占齋庭、みずうらゆにわ)があるので、浸してみましょう。「水占」の名の通り、紙が濡れると占いの結果が浮き出て読めるようになります。

浮かんだ文字は、紙が乾くと次第に消えていきます。水がなければ読めないおみくじは、いかにも水の神を祀る神社らしく、よい思い出になるでしょう。

水に浸して浮かび上がる文字を読む「水占みくじ」。水占みくじに記載されているQRコードをスマートフォンなどで読み込むと、英語、中国語、韓国語による翻訳を表示できる。しかも神社の本宮境内はWi-Fiが完備。

龍穴がある奥宮

奥宮は、玉依姫命が船でたどり着いた場所とされ、貴船神社創建の地です。

かつては、ここが本宮でしたが、1046(永承元)年の洪水被害を受けて本宮が現在の場所に移された後は、奥宮となっています。

森に囲まれ、ひっそりと佇(たたず)む奥宮の本殿は、とても神聖な雰囲気に包まれています。社殿の近くにある「船形石(ふながたいわ)」には、玉依姫命が乗っていた黄船が隠されているそうです。

本殿の下には「日本三大龍穴(りゅうけつ)」の一つに数えられる、大きな穴があるといわれています。ただし、龍穴は大地のエネルギーが噴き出す場所であり、人が覗き見ることは許されません。

四季折々の美しさ

四季折々の美しい自然も一緒に楽しめるのが、貴船神社の大きな魅力です。

春には山桜、秋には紅葉を堪能できます。桜や紅葉は、本宮近くの休憩処「龍船閣(りゅうせんかく)」から眺めるのがおすすめです。

夏は、樹々の緑に赤い灯籠がよく映え、写真撮影にも気合が入ります。森林浴気分でゆっくりと散策しましょう。冬には雪が積もることもあり、灯籠とのコントラストが幻想的です。

日が暮れると、灯籠がライトアップされる時期もあるので、スケジュールを合わせてみてもよいでしょう。

ライトアップされた雪の「本宮参道」。ずらりと並んだ赤い灯籠に導かれて、2007(平成19)年に改築されたばかりの本殿・拝殿を目指して昇る。

由緒ある貴船神社で、運気を呼び込もう

清らかな水と空気、古い歴史を持つ貴船神社は、日本でも指折りのパワースポットといわれています。都会の喧騒(けんそう)が届かない静かな境内を歩いていると、ふと神様が近くにいるように感じられるかもしれません。

貴船神社でよい運気をたくさんいただき、京都旅行のひそやかなお土産にしましょう。

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構成・文/HugKum編集部

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