トリマーとは
トリマーは、犬や猫などの毛をカットしたり、シャンプーしたりする美容師のことです。ペットショップや動物病院、ペットサロンなどで働いています。海外では、グルーミング(ペットのお手入れのこと)をする人を意味する「グルーマー」と呼ばれます。
トリマーの仕事内容
ここで、トリマーのくわしい仕事内容を見ていきましょう。
シャンプー
ペットの毛や肌の汚れをとるためにシャンプーをするのもトリマーの仕事です。ペット専用のシャンプーを使って、やさしく洗います。
トリミング(毛のカット)
毛の長い犬の毛をカットすることをトリミングといいます。このとき、人間と同じようにどのようなスタイルにするかを飼い主に聞いてカットします。トリミングには、犬の種類による毛質の知識や、カット技術が必要です。
グルーミング(お手入れ)
グルーミングとは、ペットの体のお手入れのことです。ペットのお手入れには、爪切り、足の裏の伸びた毛をカットする、耳掃除などがあります。このようなケアによって、病気やケガを防ぎます。
肛門腺しぼり
肛門腺に溜まった分泌物をしぼりあげ、分泌物を出すのが「肛門腺しぼり」です。このケアで、病気を防ぐことができます。
ペットのケアのアドバイス
飼い主に、ペットのケアの方法などをアドバイスすることもあります。
トリマーの給料
トリマーの正社員の月収は、一般的に14万円~23万円程度といわれています。年収にすると、180万円~280万円程度です。
アルバイトやパートで働く場合は、時給800円~1,200円程度です。
一般的な仕事よりも給料が低いですが、トリマー経験者や店長職、自分のお店をもつようになると、収入アップが望めます。
トリマーのやりがい
トリマーの仕事のやりがいをご紹介します。
飼い主に喜んでもらえる
ペットをシャンプーしたり、爪切りや耳掃除でグルーミングしたりすると、きれいになります。また、トリミングすることで、かわいらしくなります。そうすると、トリマー自身も達成感を感じ、飼い主には喜んでもらえるでしょう。この飼い主の喜びが、トリマーのやりがいにつながります。
ドッグショーで評価される
トリマーの一般的な仕事は、ペットショップなどでのペットの日常的なケアですが、ドッグショーに出場するための仕事をすることもあります。ドッグショーに出場する犬のトリミングを行い、ショーで審査員に高い評価を受ければ、トリマーの自信になります。
独立して収入アップ
ペットショップなどで経験を積み、その後独立して自分自身のお店を開くことを目標にするのもやりがいのひとつです。自分のお店をもつことで、モチベーション、収入アップも期待できます。
トリマーの適性
トリマーに向いている人の特徴、向いていない人の特徴を解説します。あくまでも一般論ですので、ご参考までに。
向いている人
トリマーに向いている人の条件のひとつは、犬や猫が好きなことです。トリミングやグルーミングを行うのは犬や猫なので、これらの動物が苦手だと、仕事ができません。
また、トリマーは、時間内ですばやく作業をしなければならないため、効率の良さ、短時間でトリミングをする技術なども求められます。
そのほか、扱う動物にはさまざまな性格があり、どんな動物でも臨機応変に対応できる能力も必要です。
向いていない人
動物が嫌いな人はトリマーには向いていません。また、トリマーの仕事は体力が必要です。ほとんどが立ち仕事ですし、犬を抱き上げたり、重たい備品を運んだりと重労働も多い職業です。
トリマーになるには
トリマーになるためには、大きく分けて3つルートがあります。どのようにすればなれるのか、そのルートをご紹介します。
専門学校に通う
トリマーになる1つ目のルートは、専門学校に通い、ペットショップなどに就職することです。トリマー専門のコースがある専門学校に通うと、トリマーに必要な知識やスキルが身につけられます。
専門学校では、実際に犬を使って実習をしたり、動物に関する授業を受けることができます。また、就職や資格に関するよいアドバイスがもらえるのもメリットです。
専門学校に通う年数は、昼間部であればだいたい2年間です。費用は、240万~300万円ほどかかります。
ペットショップに勤務する
専門学校に通わず、ペットショップに就職してトリマーを目指すルートもあります。
「未経験者可」という条件で募集しているペットショップに就職し、まずはトリマー見習いとして働きながら、経験と実力を徐々につけていきます。この場合、トリマーになれるまでにはかなりの年数を必要とするでしょう。
資格をとる
トリマーになるためには、必ずしも資格は必要ありません。ですが、民間の資格を取得しておけばトリマーとしての知識が技術があることを証明でき、就職する際に有利です。記事後半で民間の資格についてご紹介します。
▼こちらの関連記事も
トリマーの資格の種類と代表的な資格
トリマーの資格には、プロ向け、初心者向け、通信教育で取得できる資格などさまざまな種類があります。代表的な資格をご紹介していきましょう。
プロ向け
プロが取得する資格には、次のようなものがあります。
JKC公認トリマー
ジャパンケネルクラブが認定する資格で、業界での知名度が高いのが特徴です。この資格には、「C級」「B級」「A級」「教士」「師範」の5種類のレベルがあり、C級から資格を取得し、順に上のレベルの資格をとる形式となっています。
AAV認定トリマー
全国動物専門学校協会が主催する検定試験。難易度が、サロントリマー3級からトリマーS級の6段階にわかれています。試験は、筆記と実技が行われ、実技試験に1か月前からカットしていない犬を使うのが特徴的です。
SAE公認トリマー
全日本動物専門教育協会公認のトリマー資格です。資格のレベルには、「初級」「中級」「上級」「教師」の4つにわかれています。昇級するには、それぞれの級で1年間の就業が必要です。
初心者向け
初心者向けのトリマーの資格を見ていきましょう。
JDA公認トリマー
厚生労働省許可の公益団体「全日本愛犬技術者指導協会」による公認トリマー資格です。3級、2級、1級とランクがあり、3級からの受験となります。難易度は比較的低めで、専門学校に通う方なら1年次に3級、2級を取得する人が多いそうです。
通信でとれるトリマー資格
通信教育を受けることで、取得できるトリマー資格もあります。これらの資格なら、一般の人でも資格をとりやすいでしょう。
JCSA認定マスターライセンス ドッグトリマー
日本キャリア教育技能検定協会が公認するドッグトリマーの資格です。「ドッグトリマー養成専門講座」という通信学習を修了し、ライセンス認定試験に合格すれば資格を取得できます。
JADP認定トリマー・ペットスタイリスト資格
日本能力開発推進協会認定のトリマー資格です。通信講座を受講すれば、「トリマー・ペットスタイリスト資格」を取得できます。
犬・猫好きにぴったりのお仕事・トリマー
昨今のペットブームにより、トリマーの仕事は将来性のある仕事です。お子さんにも人気のお仕事ですよね。
「動物とかかわる仕事がしたい」「犬や猫が好き」という人は、トリマーを目指してみてはいかがでしょうか。
あなたにはこちらもおすすめ
文・構成/HugKum編集部