小学館の『HugKum』を筆頭に、国内外の雑誌やウェブ媒体などでライター・翻訳家として活動し、北陸を拠点としたウェブメディア『HOKUROKU』では編集長も務める筆者が、わが子の小学校進学を機にPTAの広報誌づくりに取り組んでみました。
そんな経験を基に、未経験・初心者のパパ・ママに役立つ広報誌づくりの情報を伝えたいと思います。今回は、PTA広報誌づくりにはどのくらいの時間がかかるのか、そんな話を紹介します。
発行日から逆算して2カ月あれば大丈夫
HugKumの関連記事では、PTA広報誌づくりの頼れるパートナーとして地域の印刷会社があると紹介しました。
印刷会社というと、広報誌の印刷しかしてくれないイメージがあるかもしれません。しかし、実際は違います。筆者のPTA広報誌づくりを手伝ってくれた、石川県金沢市にある栄光プリントの代表取締役・出村有基さんにあらためて聞いても、印刷のみならず、誌面デザイン(レイアウト)まで手伝ってくる印刷会社が一般的だとの話。
予算の関係で、PTAの広報委員たちがある程度、誌面のデザインまでやってくるケースが多いとはいいます。しかし、極端に言えば丸投げに近くても、印刷会社の全面的なサポートがあればPTA広報誌はできてしまうのですね。
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原稿(文章と写真)を用意し、誌面デザインは印刷業者の力を借りる
では、広報誌づくりにおいて、印刷会社とはどんなやり取りが、どのような期間にわたって続くのでしょうか。印刷業界と無縁で生きてきたパパ・ママからすると、どのくらいのスパンで動けばいいのか分からないので不安ですよね。
そこで、広報誌づくりの過程を、以下のように大まかに2つに分けてみました。
1.原稿の用意(広報委員の作業)
2.原稿のデザイン・修正・印刷・納品(広報委員と印刷会社の共同作業)
・1で用意した原稿(文章と写真、データ)を印刷会社に渡す(入稿)
・印刷所から、文章・写真をレイアウトしたデザイン(初校)がPDF(文書フォーマットの一種)で出される
・広報委員(と先生たち)でそのPDFを基にあれこれチェックと修正作業をする(校正)
→そして、印刷会社に戻します。
場合によってはその作業を何度か繰り返して、最終的には印刷・納品となります。印刷会社と広報委員のやり取り(2)には、だいたい1カ月ほど見積もってください。
一方で、印刷所に渡す原稿を用意する作業(1)にも1カ月ほどかかります。筆者の暮らす自治体のPTA連合会が発行する『優秀広報誌集』にも、
・原稿の用意(企画・取材・撮影など)…2~3週間
・原稿のデザイン・修正・印刷・納品(印刷会社との共同作業)…4週間
といったスケジュールの目安が書かれています。
要するに、発行日から逆算して全部で2カ月あれば広報誌がつくれます。
PTA広報誌づくりの教え:原稿の準備に1カ月、印刷までの作業に1カ月、合計2カ月を広報誌づくりに見込んでおく
急ぎなら合計1カ月でつくれる場合も
筆者が最初に手掛けたPTA広報誌(卒業記念号、全6ページ、カラー)のスケジュールは、諸般の事情があって、もっとスピーディーでした。
卒業式の前、3月16日に学校宛で納品されましたので、その日程から逆算する感じで列挙していきます。
・広報委員と学校の修正・チェックが全て終わる(責了)…3月7日(→印刷、3月16日に納品へ)
・印刷会社から最初のレイアウトデザインがPDFで届く…2月25日(→3月7日まで校正を繰り返す)
・原稿・写真がそろったページから順に印刷会社に送る(入稿)…2月18日~24日
・取材と撮影、アンケートの用紙配布・回収など…2月9日~16日
この前に、印刷会社のデザイン担当者との打ち合わせも1月13日にありました。しかし、顔合わせの側面が強かったので、実際に動いている期間は2月9日から3月7日の1カ月ほど。
ただし、これは筆者の場合です。印刷会社もちょっとだけ無理してくれました。誤字・脱字のチェック、修正があれば赤字を入れる作業(校正)も、学校側にかなり急いでもらいました。
その意味で、もうちょっとゆとりを見て、全体で約2カ月(60日前後)は確保しておきたいですね。
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構成・文/坂本正敬
【取材協力】
栄光プリント…石川県金沢市にある情報加工サービス企業。印刷・編集・自費出版・ライティング・WEBサイト制作・動画制作などを事業の中心としている。公式ホームページ
【参考】
※ 富山県PTA連合会『富山県小・中学校PTA広報誌コンクール 優秀広報誌集』