【幼児の排泄習慣】「がんばるトレーニング」より「楽しむレッスン」に、おむつ会議、夜パンツ問題まで

トイレで排泄する習慣は、努力して身につけるものではありません。
日々の練習を、がんばって取り組む「トレーニング」ではなく、楽しみながら続ける「レッスン」と捉えなおしてみませんか?

タイミング、環境、楽しさの3点セットでトイレに慣れる

大人は見落としがちですが、トイレでの排泄は、なかなかの大仕事です。完了までに、「おしっこが出そう」と認知する→がまんする→トイレに向かう→便座に座るなどの準備をする→排泄する→拭く、といくつもの工程があるからです。

こうした難関を越えるためには、体が一定の機能を備えていることが最低条件です。たとえば、歩けること。歩くときに必要な脳の働きは、排尿を調節する機能にもかかわっています。そのため、まずは歩けることが、おしっこをがまんする力が備わったサインになるのです。

つまり〝トイレッスン〟は、「早く始めれば早く完了する」ものではない、ということ。この後のチェックシートを参考に、スタート時期を見極めてください。

また、「トイレで排泄したほうが気持ちいいはずだから、早く教えてあげたい」というのも、大人のかん違いです。子どもにとっては、したいときにその場でできるおむつのほうが快適かもしれません。それでもトイレで排泄するようになるのは、社会生活を送る上で「おしっこやうんちはトイレでする」習慣が必要であることを学ぶからなのです。

トイレッスンのポイントは、タイミング、環境づくり、楽しさの3つ。できたときはほめ言葉やごほうびでモチベーションを高め、失敗したときも「おしっこがしたいって言えたね」のように、「できたこと」を見つけてほめましょう。

4歳ごろには、昼間の排泄はトイレでできる子が多くなります。5歳を過ぎてもトイレで排泄できない場合は、医師に相談してみましょう。

トイレッスン・基本編STEP1 タイミングよく誘う

トイレでの排泄を成功させる近道は、子どもの様子を観察し、おしっこが出そうなときにトイレに誘うことです。

「出かける前だから」など、大人の都合でトイレに連れていっても出ないことがありますが、タイミングよくトイレに行ければ、成功してほめられる確率が高まります。

くり返すうちに「おしっこが出そうになったらトイレに行く」習慣が身につき、自分からトイレに行きたいことを伝えられるようになっていきます。

「トイレ!」のサインいろいろ

□モジモジする
□体を揺らす
□足をクロスする
□おなかを押す
□おむつのあたりをさわる
□部屋のすみなどに隠れる
など

排泄のしくみを「納得させる」ことも大切

「納得できないことは身につきにくい」のは、大人も子どもも同じ。人形などを使って、おなかにたまったおしっこを体の外に出すしくみを説明しておきましょう。

トイレッスン・基本編STEP2 環境を整える

狭くて薄暗いトイレを、「怖いところ」と感じてしまう子も少なくありません。子どもがトイレに行きたがらない場合は、トイレを明るく楽しい場所にする工夫をしてみましょう。

また、便座に座ったときの姿勢が不安定なことも落ち着けない原因のひとつです。補助グッズを利用して正しい排泄姿勢がとれるようにすることも忘れずに。

トイレを楽しい場所に

トイレに子どもの好きなポスターを貼ったりおもちゃを飾ったりするなど、楽しい空間づくりを。

トイレまでの空間も明るく

トイレより、トイレまでの暗い廊下が怖い!ということも。照明やインテリアを工夫してみましょう。

トイレッスン・基本編ATEP3 「楽しい!」でモチベーションアップ

やる気を高めるためには、「できたこと」に対する「ごほうび」が必要です。トイレッスンの場合、いちばんのごほうびは身近な大人からのほめ言葉や笑顔。さらに「成功したらシールを貼る」など遊びの要素も加えてみましょう。

「トイレでおしっこやうんちができたら楽しいことがある」とわかると、自然にやる気が高まります。

ほめ言葉はわかりやすく

「できたね」「すごい」などストレートな言葉で。笑顔やハグで気持ちを伝えるのも効果的です。

「できた!」とわかるシステムで楽しむ

「成功のスタンプが5個たまったら、アメがもらえるスタンプカード」などを作ってみて。子どもはもちろん、保護者も一緒に楽しめます。

あってよかった! 我が家のお役立ちアイテム

踏み台

牛乳パックで手作りしました。姿勢が安定するので、怖がらずにできました。
こはるちゃん(4歳1カ月)

トイレットペーパー

大好きなキャラクターのものを一緒に買いに行ったら、自分からトイレに行くように。
さきちゃん(3歳5カ月)

パンツ

好きな柄のパンツを選んでもらいました。お兄さんになったと喜んではいています!
たけるくん(3歳6カ月)

トイレッスン・応用編

お出かけ前には「おむつ会議 」

長時間の移動などに備えて、今日だけはおむつを使いたい……などというときは、子どもに事情を説明し、了承を得てからおむつを使いましょう。子どもが嫌がるときは気持ちを尊重し、パンツ+尿取りパッドなどで対応します。

「夜もパンツ」はやる気重視で

パンツで寝る目安は、朝のおむつが乾いている日が週の半分以上になるぐらい。ただしそれ以下でも、本人がパンツで寝たがるなら挑戦してもいいでしょう。

反対にパンツで寝るのが不安な場合は、無理強いせずに待ちましょう。

「トイレでうんち」大作戦!

「ふんばる」ことが必要なうんちは、おしっこより難度が高め。

トイレでおしっこができるのなら、いずれはうんちもできるようになります。時間に余裕のあるタイミングで1日1回、トイレに座る練習をしてみましょう。

教えてくれたのは

池田裕一先生
昭和大学医学部小児科学講座 教授。昭和大学横浜市北部病院こどもセンター センター長。「トイレでの排泄は、子どもにとって難しいこと。個人差も大きいので、あせらずに!」

『めばえ』2022年6月号 イラスト/三角亜紀子 構成/野口久美子

親と子をつなぐ、2・3・4歳の学習絵本『めばえ』。アンパンマン、きかんしゃトーマスなど人気キャラクターと一緒に、お店やさんごっこや乗り物あそび、シールあそび、ドリル、さがしっこ、めいろ、パズル、工作、お絵かきなど、様々なあそびを体験できる一冊。大好きなパパ・ママとのあそびを通して、心の成長と絆が深まります。

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再構成/HugKum編集部

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