生のトマト大量消費
今回は、生のトマトを使ったレシピばかりをご紹介します。フレッシュトマトをスープにして煮込む方法をはじめ、パスタソースやマリネなど、おいしく食べられる工夫が満載。トマトが苦手な方でも、食べやすくなるかもしれません。
保存方法
スーパーに並ぶフレッシュなトマトは完熟する前に収穫されており、生のままサラダとして食べることを想定されています。そのため、加熱調理に使うと、甘さやコクが足りないことがあるはずです。
これを補うために、トマトピューレやケチャップ、トマトジュースといった、濃厚に煮詰められた食材か、トマト缶を足すと深みが増します。
その一方で、そうすることで量が増えてしまい、一度に食べきれないこともでてきます。その場合は、ぜひ冷凍保存を活用してください。フリーザーバックを使い、薄く板状で冷凍しておけば、リメイク料理にも大活躍しますよ。
柔らかくなったトマトの大量消費
熟れすぎたトマトを早めに消費したい時には、煮込み料理に使うのがおすすめです。トマトをつぶしながら煮込めばよいので、包丁を入れると形がくずれてしまうトマトも大量消費ができます。イタリアでは、包丁を使わずに手でつぶしながら調理するのが一般的とか。
市販のトマトは追熟していくことがあるものです。熟れると柔らかく、ぶよぶよとしますが、酸味が減り、甘みや旨味が強くなっています。さらにリコピンの量も増えていますから、傷んでしまう前においしく味わってください。
トマトスープ
トマトはスープにすると大量消費できます。その後の使いやすさも抜群ですから、ぜひ多めに作ってストックしてください。
シンプルなトマトのスープ
トマトをそのまま煮込んで最後に漉すと、シンプルなスープが出来上がります。このままスープとしておいしく飲めますよ。その後は、ご家族のお好みに合わせてリメイク料理へ進化させて楽しんではいかがでしょうか。
◆材料
トマト 2個
セロリ 1本
粒状スープの素 小さじ2
水 50cc
【A】
トマトピューレ 大さじ3
塩 適量
こしょう 適量
オリーブオイル 大さじ1
粗挽きこしょう 適量
乾燥オレガノ 少々
◆作り方
【1】トマトを乱切りにします。セロリはみじん切りにしてください。葉もブーケガルニとして一緒に煮ます。
【2】鍋に水とスープの素を入れて火にかけ、煮立ったらトマトとセロリを加えて煮立てます。
【3】トマトの水分が上がってきたら【A】を加えます。あくをすくい、弱火で10〜15分煮ます。長時間煮込めば濃厚になりますが、焦げないように注意してください。
【4】粗熱をとったあと、ザルで濾すと種と皮が除かれ、口当たりがよくなります。
【5】器に盛り付け、粗挽きこしょうと乾燥オレガノをかけて完成です。
◆ポイント
お使いのスープの素によって、塩加減が変わります。味をみながら適量を加えてください。
フレッシュトマトの煮込み料理4選
トマトは、20分以上加熱すると、旨味成分のグルタミン酸が引き出され、おいしさが増します。弱火でじっくりと煮ながら、素材の味を馴染ませてください。
ミートボールナポリタン
ボリューム満点! オリーブ油を加えてふんわり作ったミートボール入りナポリタン。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
【A】
合びき肉 200g
塩 小さじ1/3
オリーブ油 小さじ1/2
ピーマン 2個
にんじん 1/2本
トマト 大1個
マッシュルーム 5個
玉ねぎ 小1個
にんにく 1/2片
オリーブ油 大さじ1
【B】
水 1/2カップ
塩 小さじ1/2
【C】
トマトケチャップ 大さじ4
バター 大さじ2
スパゲティ 240g
◆作り方
【1】【A】を合わせて粘りが出るまで混ぜ、10個の団子に丸める。
【2】ピーマンは細切り、にんじんは8mmの輪切り、トマトは粗みじん切り、マッシュルームは3mmの輪切りにする。玉ねぎとにんにくは薄切りにする。
【3】フライパンにオリーブ油とにんにく、玉ねぎを入れて熱し、しんなりするまで炒め、【1】、トマト、【B】を入れてふたをし、5分煮る。ピーマン、マッシュルーム、【C】を加えて煮る。
【4】スパゲティとにんじんを一緒にゆでて、【3】に加えて和える。
教えてくれたのは
井澤由美子さん
旬の食材を使い、食べ合わせによる体への相乗効果を大切にしたレシピが人気。食育にも力を注ぐ。一女の母。
『めばえ』2014年9月号
フレッシュトマトのホイル包みハンバーグ
ふっくらジューシーなトマトがおいしく絡んで、まるでお店の味!
◆材料
(3人分)
基本のタネ 全量
トマト 1個(150g)
サラダ油 大さじ1/2
【A】
トマトケチャップ 大さじ3
粒マスタード 大さじ1
塩 ひとつまみ
パセリ(粗みじん切り) 適量
◆作り方
【1】基本のタネをおおよそ3等分(子ども用はやや小さめ)にして空気を抜き、厚さ1.5㎝ほどの大きい小判型にととのえる。
【2】フライパンにサラダ油を中火で熱し、【1】を2分ほど焼いて焼き色がついたら裏返し、さらに2分ほど焼いて取り出す。フライパンをさっと洗っておく。
【3】トマトは1㎝角に切って【A】と混ぜる。30㎝×30㎝に切ったアルミホイルに【2】のハンバーグを1個のせてトマトの1/3量をかける。ホイルの端をつまみ、折って包む。残りの2個も同様に。
【4】フライパンに【3】を並べ入れ、フチから水100㏄(分量外)を注ぐ。蓋をして中火で2分、弱火にして10分加熱。ホイルごと器に盛りつけ、口を開いてパセリをふる。
教えてくれたのは
市瀬悦子さん
フードコーディネーター・料理研究家。「おいしくて、作りやすい家庭料理」をテーマに、書籍や雑誌、テレビ、イベント、企業のメニュー開発など幅広く活躍。NHK E テレで子どもの料理番組を監修・フードコーディネートするなど、キッズメニューも得意。
トマトとコーンのドライカレー
フレッシュなトマトとチーズのトッピングで、おいしさ倍増!
◆材料
(2~3人分)
合挽き肉 250g
トマト 1個(200g)
玉ねぎ 1/4個
コーン缶 1缶
しょうが、にんにく 各1/2かけ
サラダ油 大さじ1/2
カレー粉 小さじ1
【A】
酒、中濃ソース 各大さじ1
ケチャップ 大さじ3
塩 小さじ1/4
こしょう 少々
カッテージチーズ、ご飯 各適量
◆作り方
【1】トマトは1㎝角に切り、玉ねぎ、しょうが、にんにくはみじん切りにする。コーン缶は汁気を切っておく。【A】は合わせておく。
【2】フライパンにサラダ油、にんにく、しょうがを入れて弱火にかける。香りが出たら中火にし、玉ねぎを炒める。しんなりしたら合いびき肉を加えて炒め、色が変わってポロポロになったらトマトの2/3量を加える。トマトの残りはトッピング用にとっておく。
【3】トマトがくずれるくらいまでしっかり炒めたら、カレー粉を加えて炒める。香りが出たら【A】とコーンを加え、汁気が少なくなるまで炒める。
【4】器にご飯を盛りつけて【3】をのせ、取り分けておいたトマト、カッテージチーズをのせる。
教えてくれたのは
新谷友里江さん
料理家・フードコーディネーター・管理栄養士。祐成陽子クッキングアートセミナー卒業後、同校講師、料理家アシスタントを経て独立。野菜たっぷりの家庭料理やかわいいおやつなど、楽しいアイディアが詰まった料理が人気。2児のママ。
いろいろ夏野菜のラタトゥイユ
たくさん入った野菜の旨味ぎっしり。旬野菜のオンパレード♪ たくさん作って常備菜に。冷蔵庫保存で3日はおいしい!
◆材料
(大人2人+子ども1人分)
【A】
ナス(乱切り) 1~2本(150g)
緑ピーマン(種を取って乱切り) 2個
赤ピーマン(種を取って乱切り) 1個
ズッキーニ(乱切り) 1本
トマト(ざく切り) 1~2個(200g)
インゲン(3等分) 50g
オクラ(乱切り) 5本
玉ねぎ(薄切り) 1/2個
オリーブオイル 大さじ2
塩麹 大さじ2
塩、こしょう 各少々
◆作り方
【1】厚手の鍋(ホーロー鍋や多層構造鍋)に、オリーブオイルを熱し、玉ねぎを入れ、少し色づくまで中火で加熱する。
【2】【A】を順に加えて炒め、塩麹を加えて混ぜ、フタをして野菜が柔らかくなるまで加熱する。
【3】塩、こしょうで味を調える。器に盛ってイタリアンパセリ(分量外)を適量飾る。
教えてくれたのは
カノウユミコさん
野菜料理研究家。鳥取県の専業農家に生まれ、生来の野菜好き。高校時代から自然食に興味を持ち、ベジタリアン料理・精進料理を研究。現在は鳥取に住み、自ら野菜を自然栽培。東京でも毎月、野菜料理教室を開催している。
『めばえ』2017年7月号
トマトのパスタ2選
星の数ほどあるトマトソースのパスタですが、レシピの定番人気はアラビアータです。
アラビアータ
唐辛子とにんにくが効いたシンプルなトマトのパスタです。「スパゲッティ・アラビアータ」とは、「怒りんぼうのスパゲッティ」という訳になるそうですよ。口の中に広がる辛さと、トマトの酸味で、まさに怒っているような味。
◆材料
(2人分)
トマト 2個
赤唐辛子 2本
にんにく 1片
塩 小さじ1/2
エクストラバージンオイル 大さじ2
パセリ 適量
塩 適量
こしょう 適量
粉チーズ お好みの量
スパゲッティ 160g
◆作り方
【1】鍋でスパゲッティを表示どおりに茹で始めてください。(茹で湯、塩は分量外)
【2】トマトはざく切りにして、塩をふります。5分くらいおいて馴染ませてください。
【3】唐辛子の種をとり、にんにくは芽をとって包丁の背でつぶします。
【4】フライパンに唐辛子、にんにく、エクストラバージンオイルを入れて火をつけます。にんにくの香りがしっかりとオイルにうつり、きつね色になったら【2】のトマトを入れて炒めます。トマトの水気をとばし、甘みと旨味を凝縮させるイメージです。しばらくすると、オイルと乳化してオレンジ色になります。
【5】パスタの茹で汁を40ml程加え、スパゲッティが茹で上がるまで待機します。
【6】茹で上げたスパゲッティを【5】のフライパンに加え、沸騰させながらさらに軽く煮て、しっかり乳化させてください。
【7】パセリ、エクストラバージンオイル(分量外)を適量加えます。
【8】器に盛り、こしょう、粉チーズをかけていただきます。
サーモントマトパスタ
火にかけないトマトソースの、簡単夏のパスタ。トマトとオリーブオイルの相性はテッパン! 品のいい冷製パスタです。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
パスタ(乾) 250g
トマト 3個
【A】
オリーブ油 大さじ1
塩 小さじ3/4
砂糖 小さじ1/2
生鮭 2切れ
玉ねぎ 1/2個
アスパラガス 4本
にんにく(みじん切り) 小さじ1
スライスチーズ 1枚
オリーブ油 大さじ1
◆作り方
【1】トマトは2個を1.5cm角に切り、1個はすりおろし、【A】を加えて混ぜる。
【2】鮭はフォークで皮と骨を除きながらほぐす。玉ねぎはみじん切りに、アスパラガスは小口切りにする。
【3】フライパンにオリーブ油とにんにくを入れて中火にかけ、香りが立ったら【2】を加えて炒める。粗熱がとれたら【1】に加えて混ぜ冷蔵庫で30分ほど冷やす。
【4】パスタは半分に折って表示より1分ほど長くゆで、冷水にとって水けをきる。器に盛って【3】をかけ、型で抜いたチーズを散らす。
教えてくれたのは
みないきぬこさん
女子栄養大学を卒業後、料理研究家のアシスタントを経て2007年独立。料理家、フードコーディネーターとして幅広い分野で活躍中。女の子のママ。
『めばえ』2014年8月号
保存ができるマリネ3種
マリネならば3日〜1週間程度は保存ができます。多めに作って、変化していく味を楽しみながら毎日食べたいですね。タコや白身魚の刺し身などに添えて食べるのもおすすめです。
にんにくオイル漬け
1週間ほどの保存ができるオイル漬けです。
◆材料
トマト 1個
きゅうり 1本
にんにく 1片
【A】
オリーブオイル 全体が浸る量
タバスコ お好みの量
塩 適量
こしょう 適量
◆作り方
【1】トマトは4つ切りに、きゅうりはざく切りにします。
【2】にんにくはすりおろします。
【3】容器に【1】のトマトときゅうり、【2】のにんにく、【A】を加えます。
【4】ラップを押し付けて全体を浸し、冷蔵庫で一晩寝かせてください。
◆ポイント
トマトと相性の良いハーブはバジルが挙げられますが、オレガノも外せません。乾燥させると青臭さが抜けて、香りがより強まります。オイル漬けや加熱調理に一緒に加えたり、最後に直接振りかけたりして、試してみてください。
ミニトマトのキラキラマリネ
皮をむいたミニトマトに、漬け汁が染み込んでキラキラと輝きます。
◆材料
ミニトマト 150g
【A】
白だし 大さじ1
レモン汁 大さじ1
砂糖 小さじ2
オリーブオイル 大さじ1/2
◆作り方
【1】ミニトマトの、ヘタと反対側に爪楊枝を刺して穴を開けます。
【2】沸かしたお湯に30秒くらいつけ、氷水に晒すと皮がむけます。
【3】ボウルに【A】を混ぜ合わせ、【2】のトマトを加え、ラップで落し蓋をしながら冷蔵庫で1時間ほど冷やしてください。
パイナップルとトマトのグリル ローズマリー風味
トマト、パイナップルの蜂蜜漬け。ローズマリーの風味でグッと上品な味わいに。ヨーグルトにかけたりパンに塗ったり、作りおきして、いろいろ活用しましょう♪
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
パイナップル 1/4個
ミニトマト 6個
ローズマリー(ドライ) 小さじ1~2(バジル、オレガノ、セージなど、ほかのドライハーブでも可)
はちみつ 適量
◆作り方
【1】パイナップルは芯と皮を取り除き、厚さ約6mmに切りそろえる。ミニトマトは半分にカットする。
【2】【1】にローズマリーをふり、少しこげ目がつくまで焼く。
オーブン:予熱後、200度で20~30分。
フライパン:予熱後、中火で5~10分。
オーブントースター:900Wの場合、ホイルにのせて予熱後、8~13分。
【3】熱湯消毒したビンに【2】を入れ、具材が浸かる程度にはちみつを加える。ヨーグルトにそのままのせて。
※時間は目安。材料の大きさや調理器具によって、様子を見ながら加減してください。
◆ポイント
クリームチーズと一緒にパンにのせてめしあがれ!
また、調味料を加えればドレッシングに!
◆ドレッシングへのアレンジ
(作りやすい分量)
パイナップルとトマトのグリル(パイナップル 3切れ、ミニトマト 2個、シロップ 大さじ2)
オリーブオイル(サラダ油でも可) 大さじ2(オイルを使わずヘルシーに仕上げてもOK)
酢 大さじ2
塩 小さじ1/2
こしょう 少々
【1】パイナップルとトマトは取り出して5㎜角に刻む。すべての材料をよく混ぜる。
教えてくれたのは
小山有希さん
料理研究家。元日本料理屋の両親、蕎麦屋の祖父母、元和菓子屋経営の義祖父母を持つ、食業界のサラブレッド。おいしく食べて健康に近づける「医食同源」をモットーとしたレシピに定評がある。1男1女の母。
『めばえ』2016年7月号
トマトのデザート
トマトのデザートはいかがでしょうか。夏休みのおやつにピッタリです。
トマトアイス
とろ~り甘くて、後味スッキリ! トマトならではの新食感です。
◆材料
(作りやすい分量)
トマト 大1個(約250g)
【A】
砂糖 大さじ4
レモン汁 大さじ1
【B】
牛乳、生クリーム 各1/2カップ
◆作り方
【1】トマトは湯むきして種を取り、ざく切りにする。鍋にトマト、【A】を入れて中火にかけ、ときどき混ぜながら、水分が飛んでどろっとするまで7~8分煮る。
【2】【1】に【B】を入れてさっと混ぜ、冷凍用保存袋に入れる。平らにして空気を抜き、冷凍庫で4~5時間冷やし固める。
◆ポイント
冷凍の途中で2回ほど手でもんでおくと、なめらかに仕上がる。
教えてくれたのは
新谷友里江さん
料理家・フードコーディネーター・管理栄養士。祐成陽子クッキングアートセミナー卒業後、同校講師、料理家アシスタントを経て独立。野菜たっぷりの家庭料理やかわいいおやつなど、楽しいアイディアが詰まった料理が人気。2児のママ。
『めばえ』2018年10月号
たっぷりと使える豊かさ
収穫時期になると一気に出回るツヤツヤとしたトマトは、見た目もさることながら、太陽の光をたっぷり浴びた勢いのある味を感じます。この元気なトマトを傷ませることなく上手に使い、たっぷりの量でおいしさを味わって欲しいものです。
様々な料理がありますから、たくさん作って、存分に味わってくださいね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)