オンライン教育とは
オンライン教育とは、インターネットを利用し、リモート(遠隔)で行われる教育のことをいいます。
新型コロナウイルス感染症の影響によりよく耳にするようになった「オンライン教育」ですが、今にはじまったわけではありません。1990年代にインターネットが普及したことで徐々に広まり、予備校や社会人教育の現場などで先行して行われていました。
現在では、小学校・中学校・高校・大学などでもオンライン教育が採用されています。
エドテックとは
「エドテック」という言葉をご存じでしょうか。これは「EdTech」と書き、Education(教育)とTechnology(科学技術)を合わせた造語です。意味は、テクノロジーを用いて教育を支援する仕組みやサービスのことをいいます。このエドテックによって、教育にイノベーション(変革)を起こすことを目的としています。
具体的には、生徒向けの学習支援システムや教師のための授業支援システム、インターネット上でプログラミングや英会話を学べるサービス、学校での利用を目的としたSNSなどがあります。
オンライン教育の普及
オンライン教育が急速に広まったのは、やはり新型コロナウイルス感染症によるところが大きいです。コロナ以前にもオンライン教育はあったのですが、小学校・中学校・高校・大学などではあまり採用されていませんでした。
しかし、コロナ拡大がみられるようになった2020年の夏ころから、感染症拡大防止のために、多くの国公私立大学でオンライン授業が採用されるようになります。これを機に、小学校・中学校・高校でも広くオンライン教育が普及していったと考えられます。
オンライン教育の種類
オンライン教育には大きくわけて3種類あります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
ライブ授業
ライブ授業は、先生がリアルタイムで授業の映像を流し、学生や生徒はリモートでその映像を見ながら学習するスタイルです。
配信時間が決められているのが特徴です。ライブ授業は大学などでよく実施されています。
録画授業
録画授業は、先生があらかじめ授業の様子を録画しておいた動画を、学生や生徒が再生して学習するスタイルです。別名「オンデマンド型授業」とも呼ばれます。
画を繰り返し見ることができたり、学生や生徒の好きな時間に見ることができるのが特徴です。録画授業は、予備校や塾などでよく採用されています。
双方向授業
ウェブ会議システムを用いて、映像や音声を双方向に受信しながら授業します。リモートではありますが、双方向にコミュニケーションをとることができ、通常と同じような感覚で授業を受けることができるのが特徴です。
双方向授業は、小学校、中学校、高校などでよく実施されています。
オンライン教育のメリット
オンライン教育の種類別のメリットをご紹介します。
ライブ授業
簡単に授業ができる
ライブ授業では、授業支援ソフトといった特別なソフトを用意する必要がありません。そのため、簡単に授業ができるのがメリットです。
授業の準備に大きな変更がない
先生方のメリットには、授業の準備に大きな変更がないことが挙げられます。というのも、ライブ授業では、普段行う授業と同じ形で行えるためです。
録画授業
好きな時間に授業が受けられる
録画授業のコンテンツは、あらかじめ用意されています。よって、学生や生徒の好きな時間に授業が受けられるのが、最大のメリットといえるでしょう。
繰り返し授業が受けられる
録画授業の動画コンテンツは、何度も繰り返し見ることができるのもメリットです。また、一時停止したり、巻き戻したりして、理解できなかった部分をピンポイントに見られるのも良い点といえるでしょう。
データ通信量を抑えられる
録画授業では、すでに決まった資料や映像などを教材として利用します。そのため、データ通信量がほかのオンライン授業にくらべて少なく済み、オンライン環境の負担が抑えられるのもメリットです。
双方向授業
コミュニケーションがとれる
映像や音声を双方向に受信できるので、先生と学生や生徒のコミュニケーションをとりやすいのがメリットです。質問などもすぐにできます。
普段と同じ雰囲気で授業が受けられる
双方向授業では、リモートであること以外は対面授業と同じような雰囲気で授業が受けられます。また、学生や生徒の顔画面もリアルタイムで表示できるので、相手の様子を確認することも可能です。
オンライン教育のデメリット
オンライン教育にはメリットがある一方、デメリットもあります。種類別のデメリット解説していきましょう。
ライブ授業
受講する時間が決まっている
ライブ授業はリアルタイムで行われます。そのため、授業の時間が決められており、学生や生徒は決められた時間に授業を受けなければなりません。
大量のデータ通信量を消費してしまう
スマートフォンやタブレットを利用してライブ授業を受ける場合には、大量のデータ通信量を消費する可能性があります。そうすると、通信制限が発生したり、パケット通信料が高くなるといったこともありえます。
録画授業
授業の動画をあらかじめ撮影しなければならない
録画授業は、ライブ授業とは異なり、あらかじめ動画コンテンツを作成しておかなければならないのがデメリットです。動画コンテンツを作るには、労力と時間を要します。
学生や生徒の履修状況が把握しにくい
録画授業では、学生や生徒の出欠が確認できません。また、履修したかどうかを把握しにくいのもデメリットです。
双方向授業
安定したインターネット環境が必要
映像や音声を双方向に受信できるのが魅力の双方向授業ですが、大量のデータを送受信する必要があり、安定したインターネット環境がないと、映像や音声が途切れてしまうことがあります。
オンライン教育に向いている授業
それでは最後に、オンライン教育に向いている授業を種類別に解説していきましょう。
ライブ授業
対面式授業と変わらない授業をしたいのであれば、ライブ授業が有効です。
国語や算数、理科、社会、英語などはもちろんのこと、なかでも実技系の授業では、先生の手元などをカメラで映しながら授業ができ、学生や生徒は通常の授業よりも見やすくなります。
録画授業
録画授業では、解説を聞いて学習する、理解度を深めるような授業が向いているといえるでしょう。
たとえば、国語、算数、理科、社会、英語といった科目です。わからないところも繰り返し見ることができます。
双方向授業
先生と学生や生徒、学生や生徒同士のやりとりが多い授業が向いています。
たとえば、意見発表やディスカッションが必要な授業です。アクティブラーニングなどにも有効といえるでしょう。また、双方向授業なら、対面式授業のような形で授業を進めることもできます。
環境を整えて快適に授業を受けられるようにしましょう
オンライン教育は、インターネット環境と端末さえあれば、場所を問わず授業を受けられるのが特徴です。また、遠方にある学校の授業を受けることができたり、やむを得ず学校に通えない場合でも授業を受けられます。そのほか、先生方にとってもメリットが豊富です。
ただし、オンライン教育を受ける場合には、安定した速度通信ができるインターネット環境と、パソコンやスマートフォン、タブレットといった端末が必要です。通信トラブルなどがないようしっかり準備して、快適に授業が受けられるようにしましょう。
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文・構成/HugKum編集部