「妻が私の意見を聞いてくれません」子育てに関する主導権をどうすべき?【現役教諭の育児アドバイス】

月刊誌『小学一年生』(小学館発行)が、読者のママ・パパの子育ての悩みを大募集。今回は、夫婦間で育児方針が食い違い、ママにイニシアチブを握られてしまうパパからのお悩みについて、現役の小学校の先生に相談しました。

Q:妻が私の意見を聞いてくれません。

小1の娘がいる父親です。最近は在宅ワークが増えたこともあり、できるだけ子育てに参加してきたつもりです。ところが、妻は子どもに関することをすべて一人で決めてしまうのです。

先日は、中学受験を視野に入れて、学習塾に通わせるからと、勝手に決めて帰ってきました。私はまだ1年生だし早いのではないかと反対しました。すると「あなたは何もわかっていないのだから口を挟まないで」と言われました。

私の意見を聞いてもらうには、どのように話せばいいでしょう。(M・Oさん)

A:娘さんが困ったときに頼れるお父さんを目指しましょう。

奥様に自分の意見を聞いてもらいたいと思う気持ちはわかります。けれど、娘を思う気持ちは奥様も同じ。まずはその思いを認め、奥様が決めたことを静観しましょう。一方で、父親として娘さんの味方でいることが大切です。

中学受験について、娘さんの意思はあまり反映されていないようですね。まだ1年生ですから、親が決めなければいけないこともあるでしょう。けれどこの先、成長にともない「このまま受験していいのかな」などと、迷い悩む場面も出てくるはずです。そのときこそが、お父さんの出番です。

娘さんの話をしっかり聞き、アドバイスしたり、家族で話し合えるように仕向けたり、父親として、娘さんの気持ちに寄り添うのです。

そのためには、日頃から娘さんと良好な関係を築いておくことが大切です。「何かあればお父さんに相談しよう」と思ってもらえるようにしておきましょう。

こうした関わりは、奥様に対しても同じですよ。両親どちらが主導権を握るかで争うのではなく、娘さんに対してそれぞれどんな役割で関わるかを話し合うこと。そして、日頃から感謝の気持ちを伝えることで、関係性も変わってくるでしょう。

私がお答えしました

佐々木陽子先生 | 公立小学校教諭
低学年の担任経験が豊富で、現在は主幹教諭として教鞭をとる傍ら、先生が読む教育雑誌『教育技術』に執筆も行う。

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

『小学一年生』2022年10月号別冊『HugKum』
イラスト/かまたいくよ 構成/天辰陽子

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