キッズドレスが3,300円!?廃棄するウエディングドレスを「アップサイクル」仕組みとは

ブライダル事業を展開しているノバレーゼがSDGsの取り組みとして今まで廃棄をしていたブライダル衣装をキッズドレスにアップサイクル。こんなに素敵なのにこの値段?子どもの晴れの日衣装に悩む保護者、必見です!

着る機会が少ない女児のパーティー衣装に着目

コロナ禍のここ数年、結婚式が減っただけではなく子どもたちのイベントも減り、入学、卒業、発表会などに参加出来なかった子どもたちに着目したという、ブライダル業界大手ノバレーゼの岩井さん。

そこで、レンタル衣装のアンドユーとタッグ。気軽にレンタルできる低価格設定のキッズドレスを作り、親戚で集まったり仲良しのお友達と一緒にドレスを着て写真を撮ったりする小さなイベントでも思い出に残るような体験のサポートをしたいと考え、女児の衣装レンタルをスタートしたそう。その軌跡を取材しました。

お話を伺ったのは…

岩井雄紀さん|株式会社ノバレーゼ

ウエディング事業ノバレーゼの財務経理部 マネージャー。現在、子育ての真っ最中。国内外問わず、ファッション情報を集め、流行りものや環境問題について調べ、情報を整理。すぐに事業に提案できるように日々活躍中。

お話を伺ったのは…

松田愛里さん|株式会社アンドユー 代表取締役社長

勤務していたブライダル大手「株式会社ノバレーゼ」の、社内ベンチャーを支援する新規事業提案制度「ノバレボ」に応募、そこでパーティードレスのシェアリング(レンタル販売)事業を企画・立案し、大賞を受賞。レンタル衣装「株式会社アンドユー(ANDYOU)」(ノバレーゼ100%子会社)を設立。

廃棄するウエディングドレスを「アップサイクル」

アップサイクルとは、廃棄となるものに付加価値をつけてグレードをアップし、新しい商品に作り替えられること。リサイクルとの違いは、廃棄予定の商品をそのまま使って上質な商品に作り替えるという点。

では、このSDGsの取り組みのひとつでもあるアップサイクルに着目したのは、社内にどのような悩みがあったからなのでしょうか。

女児がドレスを着て立っている。
アップサイクルドレスを着る女の子

Q. アップサイクルをしようと思ったきっかけを教えてください。

岩井さんレンタル衣装の沢山の廃棄に悩んでいました。まったくエコではないと感じたのです。自社の良質な衣装でも、レンタルの制限回数を超えてしまうと、ウエディングドレス、カラードレス、和装は廃棄することになっていますが、相当数が破棄されている現状に気付き、一生に一度の晴れ着、もちろん、キレイな衣装で参加したい気持ちもあるからこそ、廃棄せざるを得ない現実も仕方ないと思うのですが、業界内でモヤモヤしている人も多いのかなというのが、この取り組みを考えるきっかけになりました。

Q.アップサイクルの取り組みはどなたを、参考にしたのですか?

岩井さん:常にファッション情報をチェックしているのですが、ある日、海外で活躍するハリポタのハーマイオニー役などで有名な女優エマ・ワトソンさんが、サスティナビリティのアップサイクルについて、発信している記事を見つけたのです。

ドレスが、まったく違うデザインにアップサイクルされていて、その生まれ変わった衣装に感銘を受けました。

そこで、弊社でも出来るのでは?と思い、今回の企画を思いつきました。

学生とも産学連携

どのような道のりでイメージを実現したのでしょうか。

Q.アップサイクルのデザインはどのようにされたのですか?

岩井さん:意外と思うかもしれませんが東京モード学園の学生さんにお願いしたのです。

今回のプロジェクトでは、産学連携もしたいと考えていたので、学生にSDGsの考えを説明すると190案もの豊富なバリエーションのデザインが集まりました! その中から10案を選出しています。

―190案から10案に!どうやって選考されたのですか?

新商品発表会説明中の松田さん。
デザイナーの卵の学生さんと新作ドレスを披露する松田さん

動きやすさがあり、子どもらしいかわいいデザインであるかというのをデザイン選びの基準にしました。また、廃棄となるドレスで作れるかと言う観点からも選考しております。

そのうち、今は6型が仕上がっております。2023年春にはシーンや好みに合わせて選べるよう、デザインのバリエーションを増やしたく、1010着まで増やす予定です。

Q. デザイン決定後、製作はどうされているのですか。

松田さん外注せず、弊社のドレスケア部門スタッフが心をこめて仕上げました。

新作のアップサイクルドレス3着が並ぶ。
1着¥3,300(税込)でレンタル開始。リーズナブルな価格設定と贅沢な生地のキュートなキッズドレスと大好評とか!

Q. 仕上がりを見た学生さんの感想はいかがでしたか?

ドレスを着てポーズを取るキッズモデル。2名。
ドレスを着てポーズを取るキッズモデル。プリンセスになった気分♪

岩井さん:子どものドレスデザインは初の試みという学生さん多く、たくさんの気づきがあり、勉強になったと感想をいただきました。今後の活躍にも期待したいです。

ここから世界に羽ばたくデザイナーも出るかもしれませんね!今日はありがとうございました。

SDGsは社内的にも良い取り組みに!

多忙な弊社スタッフにアップサイクルの協力までしてもらい感謝していたところ、スタッフから「ありがとうございます!」と喜んで製作してもらえ言われたのが印象的だったと語る松田さん。

アップサイクルは、廃棄のドレスの量と比べるとまだまだ少ないようなのですが、社内的にも良い取り組みの第一歩として、お子さまが喜ぶ顔を多く作ってあげたいという願いで、これからも良い品質の商品を展開していってくれそうです。

岩井さん、松田さんと学生デザイナー、キッズモデル集合。
晴れやかな表情のみなさん。ドレスへの愛が伝わります。

また、子ども用の衣装(特にイベント用、発表会などに着用する衣装)は、サイズアウトしてしまい、一度しか着られないことがほとんどですよね。兄弟におさがりで使える場合もありますが、キレイなまま保管しておくのも一苦労。

今回、ウエディング事業のノバレーゼと、レンタル衣装のアンドユーが立ち上げたこの企画は、今の時代の流れに合っているなと感じました。廃棄を残念に思うドレスケア部門のスタッフが、デザイナーの卵と言うべき東京モード学園の生徒のデザインで、キッズドレスが生まれ変わるなんて、夢のような出来事に心躍ります。価格も1着¥3,300(税込)とリーズナブル!喜ぶ子どもの姿をぜひ見てもらいたいなと思いました。

アップサイクル「キッズドレス」のレンタルの詳細はこちら>>

文・構成/森岡陽子

今回の記事で取り組んだのはコレ!

  • 12 つくる責任つかう責任

SDGsとは?

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