親の教え方が子どもの成績を下げる⁉ 教育熱心な家庭で起こりがちな「逆効果」とは【10億件の学習データで検証】

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家庭学習や成績アップのための勉強法には、実際は逆効果となる「勘違い」や「思い込み」といった落とし穴も。
タブレット教材を展開する RISU Japan 代表・今木智隆さんが10億件の学習データに基づいて、効果的な学習術を検証するシリーズ記事。今回は「パパママが勉強を見てあげる」の功罪について、詳しく覗いました。

「友達のおうちでは、パパとママが勉強を教えてくれるんだって。いいなあ」と羨ましがるうちの子。勉強を見てあげたい気持ちは山々だけれど、うちは両親ともに勉強が苦手……。

うまく教えられるか不安でも、やっぱり親が勉強を教えてあげないとダメかな?
勉強に自信がない親でも、子どもにしてあげられるサポートって?

今回は、そんなお悩みを解決するヒントをお伝えします。

親の教え方が子どもの成績を下げる⁉  教育熱心な家庭で起こりがちな「逆効果」

最近では習い事や家庭学習教材など、幼いころからいくつも取り組んで、お子さんの教育に熱心なご家庭がとても多いと感じます。しかし、中には親御さんが頑張りすぎることで、逆に子どもの成績を下げてしまっているケースも見られます。

まずは、教育熱心なご家庭で起こりがちな「逆効果」の典型的な例を2つご紹介します。

「親が解いて見せる」だけでは教えたことにならない!

お子さんが問題を解いていると、なかなか待ってあげられず、つい親御さんが手や口を出してしまいたくなることはありませんか?

たとえば、「ほら、こうやって解くんだよ」と、パパッと解いてしまったり、子どもが間違えそうになる度に「違う違う、ここはこうやるんだよ」と口を挟んでしまったり。

こうしたやり取りは、親としては熱心に教えているつもりでも、実はお子さんの力が伸びなくなってしまうよくあるパターンです。

本来であれば、子どもが自分で繰り返し問題に取り組んで正解にたどり着くべきところを、初めから正しいやり方だけを教えられてしまうのです。

するとどうなるでしょうか。子どもは早く問題が解けさえすればいいと思ってしまい、「自分で工夫して考える」ということをしなくなっていきます。

つまり子どもの「自分の力で頑張って正解にたどり着いた」と達成感を得る機会を、知らず知らずのうちに親が奪ってしまうのですね。

また、このような教え方には、「本当は理解できていないのに、理解できた気になってしまう」という落とし穴もあります。子どもは「家ではできていたのに、テストになったら全く解けなくなった」と感じて、勉強に苦手意識を持ってしまうわけです。

テスト中におうちの方が横から正しい答えを教えてあげられるわけではありませんので、ぐっと我慢してお子さんが問題を解くのを待ちましょう。

熱心な「苦手つぶし」は逆効果! まずは「できること」に注目しよう

子どもの勉強を見ていると、どうしても「できていない部分」が気になってしまう。そのうちに、「何度教えたら覚えてくれるの」「ここは苦手なんだからもっとやりなさい!」ときびしい口調になってしまい、なんだか険悪なムードに……。そんな経験はありませんか?

「わが子の苦手をなくしてあげたい」という親心からつい何度も指摘してしまうのでしょう。しかし、「苦手だ苦手だ」と何度も言われると、子どもは「自分は勉強が苦手なんだ……」と思い込んでしまいます

苦手な物事に取り組むのは、大人でも気が進まないものです。結果として、親が熱心に苦手をつぶそうとすればするほど、子どもは勉強へのやる気を失ってしまうのです。

苦手を克服することはもちろん大切ですが、勉強そのものが嫌いになってしまっては、せっかくのお子さんの成長の機会を失ってしまうことになります。

親にできることは、冷静な状況把握と温かい声がけ

親が熱心に勉強を教えようとすることで、逆に子どもに悪影響を及ぼしてしまうケースをいくつか見てきました。それでは具体的にどのようなサポートが本当にお子さんのためになるのでしょうか?

子どもの学習を見守り、温かい声かけを

子どもの成績アップのために、親にできる一番のサポートは「学習状況の把握と温かい声がけ」です。

例えば、「RISU算数」では、タブレットから送信されるデータをもとに、子どもの学習状況を親御さんにメールでお知らせしています。このメールの送信先として、1つしかアドレスを登録していないご家庭と、複数のアドレスを登録しているご家庭では、子どもの学習スピードに1.5倍もの差が出ることは、過去の記事で述べた通りです。

親御さんの他に、おじいちゃんおばあちゃんなど、学習を見守る大人の数が多ければ多いほど、子どものやる気はアップするのですね。

「子どもが今、どの単元に取り組んでいるのか」
「苦戦しているのか、スラスラ解けているのか」

これらをしっかりと把握し、「こんな問題が解けるようになったんだね」とお子さんの頑張りを見守っていることを伝えてあげましょう。手や口を出すのではなく、温かく見守ることが大切です。

▼具体的な声かけ・褒め方についてはこちらも参考に

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つまずきを的確に分析して、苦手克服をサポートしよう!

算数は、以前に習った単元の知識を組み合わせて新しい単元に挑戦していく「積み上げ型」の科目です。

たとえば、平面図形の面積の求め方を知らなければ、立体図形の体積を求める式を導き出すことはできませんよね。つまり、立体図形の単元でつまずいてしまった子どもには、平面図形の単元に戻って復習させることが、苦手克服の近道になるわけです。

このように、学習につまずいてしまった時には、つまずきの原因がどこにあるのかを見極め、ピンポイントの対策で苦手を克服していくことが大切です。

しかし、まだ幼い子どもは自分でつまずきの原因に気付くことは非常に難しく、「何が分からないのか分からない」という状況に陥ってしまいがちです。そこで、親が子どものつまずきを的確に分析して苦手克服をサポートしてあげることが大切です。

その際には、やみくもに「○年生の内容をイチから復習させなきゃ!」と考えてしまうと、過剰な「苦手つぶし」になってしまうので、「ここが分からないのなら、この単元に戻ってみよう」というように、具体的な課題を設定してあげられるとよいですね。

たとえば、お子さんがテストで70点を取ってきたら、できた70点分を「こんな問題を正解できたんだね!」とまずはほめてあげてください。そして残りの30点分がなぜ正解できなかったのか分析し、「一緒にここの問題を解いてみようか」と、必要であれば単元をさかのぼって復習をサポートしてあげましょう。

▼こちらの記事も参考に

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まとめ:親は子どもの一番のサポート役!まずは子どもの「できる部分」に目を向けよう

親は、子どもの学習を誰より近くで見守ることができる、子どもにとって一番のサポート役です。勉強を教えることに自信がなくても大丈夫。その場合は、モチベーション面から子どもの学習をサポートしてあげましょう。

お子さんの「できない部分」よりも、「できる部分」に目を向けること、そしてお子さんが「自分の力で正解できた」という成功体験を重ねることで、自信を持てるようになり、苦手克服にも前向きに取り組めるようになります。なにより、勉強が好きになります。

ぜひお子さんの頑張りを温かく見守って、サポートをしてあげてください。

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記事執筆

今木智隆|RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了。ユーザー行動調査・デジタルマーケティングのbeBitにて国内コンサルティング統括責任者を経験後、2014年、RISU Japan株式会社を設立。小学生の算数のタブレット学習教材で、延べ10億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムを考案。国内はもちろん、シリコンバレーのスクール等からも算数やAI指導のオファーが殺到している。

〈タブレット教材「RISU算数」とは〉

「RISU算数」はひとりひとりの学習データを分析し、最適な問題を出題するタブレット教材。タイミングの良い復習や、つまずいた際には動画での解説の配信を行うことにより、苦手を克服し得意を伸ばします。

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構成/HugKum編集部

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