小学生、毎日コツコツ勉強派と週末にまとめて2時間派、学習進度に驚きの差が!【ビッグデータで検証】

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タブレット教材を展開する RISU Japan 代表で『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』の著者である今木智隆さんは、ビッグデータをひもとくことで見えてくる「効果的な学習」の法則があると語ります。
今回は「週末にまとめて勉強」と「毎日コツコツ」とを比較。学習効率の観点から比べてどちらがおすすめなのか、結論を伺いました。

「小学4年生の我が子。平日はサッカーの練習があるため忙しく、勉強時間を確保できないので、週末にまとめて2時間勉強するようにしています。まとめて勉強時間を確保するような勉強方法は良い方法ですか? それとも効率が悪いのでしょうか?」

お子さんの勉強の進め方について、このようなご質問を頂くことがあります。なるべく効率よく勉強するには、どのようなやり方がよいのでしょうか。

「長時間まとめて勉強」or「短時間で複数回勉強」どっちがいい?

私達が使用するタブレット教材は、子ども達の学習傾向を捉えて、より良い教材に改善していくために、常に子ども達のデータを記録するようにしています。そのなかで、学習習慣に関するデータを見てみると、とても興味深い傾向が見えてきました。

同じ時期に同じ時間だけ学習している子どもたちでも、学力がどれぐらい向上したかという結果にバラツキがあったのです。勉強時間をきちんと確保しているのに成績がいまいち伸びない子どもたちもいれば、勉強した分だけしっかり成績が伸びている子どもたちもいます。このようなグループの差は、どこに違いがあったのでしょうか。

その答えの1つが、「勉強時間の長さと回数」の違いでした。

過去記事でもお伝えしましたが、これまでのデータから「1回に長時間まとめて学習するスタイル」と「短時間で何度も学習するスタイル」を比べてみたところ、後者の「短時間で何度も学習するスタイル」のほうが、明らかに成績が伸びていました。

長時間型と比べ、短時間型は学習進度が10%も早くなっています。つまり、短時間に何度も学習するほうが効率良く学べるということです。

「短時間で何度も学習する勉強方法」はなぜいいのか?

なぜ短時間で何度もやるほうが学習効率が良いのでしょうか。

その理由は、集中力の持続時間に関係しているのではないかと考えています。小学生にとっては、勉強を始めてから数十分間、集中力を持続させることは難しいものです。小学校の授業が基本45分で休憩が入るように設定されているのもそのためです。長時間、例えば2時間ずっと机に向かいっぱなしのような勉強スタイルは、途中で上手く休憩を挟んでリフレッシュを取り入れないと、後半の集中力が持たないものと思われます。

また、1週間のトータル学習時間が同じ場合、週末だけまとめて学習するとなると、前回の学習から間が空いてしまいます。例えば同じ2時間でも、週4回30分勉強するのであれば2日に1度は勉強することになりますが、週末だけの場合は間が5日空いてしまいます。

長く間が空くと一度理解した内容も“うろ覚え”になりがちです。次回の学習で、前回の内容を思い出すところから始めなければならないので、このことも学習効率を下げてしまう原因になっています。

長時間の学習そのものが悪いわけではない

もちろん、長時間の勉強そのものが悪いというわけではありませんし、やらせてはいけない、という意味ではありません。興味があることに集中しているときや、日常的に学習習慣のある子なら「今日は調子が良くて気付いたら2時間勉強してた!」ということもあるでしょう。

このような場合には「効率が下がるからやめなさい」と途中で止める必要はありません。あくまで、時間にこだわって長時間勉強させても、やった気になるばかりで身にならないかもしれないということです。

「すきま時間」が逆効果になることも! 短すぎは×

短時間に何度も学習するスタイルのほうが効率が良いとなると、「すきま時間」を使って、もっと細かく勉強したほうがいい?と考える方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、短時間の勉強といっても時間を細かく区切りすぎるのは逆効果になってしまいます。次のグラフは、同じ学習量の子どもたちを一度の学習時間の長さ別に比較したグラフです。

一度の学習時間が平均的な子に比べ、10分未満のすきま時間で勉強する子は、特に月20~50時間勉強する層で成績(RISUタブレット教材のクリアステージ)に大きな差が開きました。

毎日コツコツ勉強することが良いと言っても、10分未満のすきま時間で学習するのはあまり効率的ではないようです。10分では、しっかり落ち着いて学習する気持ちがまだ整わないうちに終わってしまうのではないでしょうか。このことから、一度の学習時間は少なくとも20分程度は確保するほうが良いと分かりました。

週末の勉強はしたほうがいい?

週末の勉強については、どのような効果があるでしょうか。

子どもたちのデータを見ると、全学習時間が同じ子どもたち同士で比較した場合、平日だけでなく土日のどちらかにも学習をするグループは、そうでないグループより学習スピード(RISUタブレット教材の月あたりのクリアステージ数)が平均で15%アップすることが分かりました。

週末の学習は上手く取り入れることで勉強効率が上がることを示しています。

週末に学習するメリットは、まず忙しい平日より集中しやすいことが挙げられます。そして、土日に学習しないと金曜日から月曜日まで2日空いてしまいますが、土日どちらかに学習すれば間が空かず、学習した内容を忘れにくいこともメリットです。

何時間もまとめて学習するスタイルでなくとも、週末の学習は習慣の1つとして、短時間でも取り入れてみることがおすすめです。

まとめ:結論!RISUのデータで読み解く「成績が伸びやすい勉強法」とは!?

これらのデータから読み解いたことをまとめると、私達RISUがオススメする成績が伸びやすい勉強法は「1回の勉強時間は20分以上で、土日を含めて週に5、6回勉強する方法」であると言えるでしょう。週末も同じペースで短時間でもコツコツと学習習慣を積み上げていけば、知識は効率良く定着していきます。

もちろん、この勉強方法はあくまでオススメであり、絶対こうしなければならない、というものではありません。ベストな勉強方法は、各ご家庭の日常生活のリズムや、お子さんのクラブ・習い事の頻度などでも変わってきます。学習時間のルールを決めたとしても、お子さんの体調や、地域・学校の行事によって、毎日、毎週、同じペースで進めることは難しいときもあります。

学習方法は成長に合わせて柔軟に変えていくのが◎

いつどのように学習するかは、お子さんの意見も聞きながら親子で話し合ってみてください。一度決めた学習時間のルールも、成長に合わせて柔軟に変えていくことが必要です。学年が上がれば帰宅時間が遅くなりますし、宿題に掛かる時間も長くなっていきます。

ルールを「破ってはいけないもの」にしてしまうと、環境が変わったときに親子とも苦しくなってしまいます。勉強方法を話し合うときは、お家の方は強制ではなく、提案ベースで「こうしてみたらどう?」と伝えてみてはいかがでしょうか。色々なパターンを試しながら、お子さん自身がベストな学習リズムを見つけられるように手伝ってあげましょう。

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記事執筆

今木智隆|RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了。ユーザー行動調査・デジタルマーケティングのbeBitにて国内コンサルティング統括責任者を経験後、2014年、RISU Japan株式会社を設立。小学生の算数のタブレット学習教材で、延べ10億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムを考案。国内はもちろん、シリコンバレーのスクール等からも算数やAI指導のオファーが殺到している。

〈タブレット教材「RISU算数」とは〉

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構成/HugKum編集部

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