SNSでワーママの投稿が炎上!「子育てもキャリアも」は欲張り?キャリアコンサルタントと考える

PR

SNSで炎上したワーママの投稿を例に、育休や復職後は時短勤務でワーママはまだまだ評価されにくい時代。
今回は、産休・育休のブランクがあってもキャリアアップを実現する方法をご紹介します。

復職後、ワーママがモヤモヤを感じることは

先日SNSでワーママの投稿が炎上しました。

そこで、SNSに投稿された方の話を例に、ワーママが復職後にモヤモヤしやすいことを3つご紹介します。

①フルコミットできる人が評価されるのが当たり前という世間の風当り

SNSに投稿された方の投稿内容

ご本人が在職期間の半分以上を育休や時短勤務だったため、評価されず、出世もしなかったとのこと。その間に同僚の男性などはどんどん出世し、会社の意思決定層に女性がもっと必要という旨の投稿でした。

しかし、その投稿に対して、『会社は産院じゃねぇ』『働いた時間が短いから当たり前』『会社にコミットできる社員を評価しないと休まず頑張っている社員が報われない』など辛辣なコメントが目立ちました。

もちろん、育休などのブランクがなく、残業も休日出勤もいとわず、会社にコミットできる社員の立場からしたら、同じ評価になることに納得できないという気持ちも分かります。

ですが、そうは言っても、今までそんな世間の風潮だったからこそ、女性の管理職比率も増えないし、まだまだ復職後育児と仕事の両立が困難な女性も多く、マミートラックなどもなくならないのではないでしょうか。

②休んでいる間に同期や後輩が昇進・昇格していたこと

上記のSNSに投稿された方のように、産休前仕事でやりとりしていた同僚などが知らぬ間に、昇進・昇格していることに気づくとモヤモヤするという例は多数の方が私のところにも相談にこられます。

③大きなプロジェクトから外されるようになったこと

産休前なら自分が必ず呼ばれていたプロジェクトや会議にすら呼ばれなくなったりすること等の例も挙げられます。

いずれにしても、当事者と当事者以外の溝は深く、キャリアの停滞の解決には時間のかかる社会問題なのです

キャリアの停滞を時期のものと諦めるか、自ら動くか

ここからは、産休・育休などでのキャリアの停滞を時期のものと諦めず、キャリアを切り開く方法をご紹介します。

復職前の面談での失敗したOさん(仮名・34歳)の場合

メーカーの営業職として働いていたOさんは、復職前の面談時、これからの仕事と育児の両立が不安で、同僚に迷惑をかけるのではないかと思い、仕事に対してやる気はあるのに、できることよりも、できないことを多く伝えてしまいました。

例えば

「出張は、今後難しいと思います……」

「今後は対応できない時間も増えると思うので、顧客を持つのは不安です」

後から思えば、仕事にやる気があることは伏せて、不安な気持ちをストレートに伝えすぎたとOさんは反省しました。

Oさんの言葉を真に受けた上司は、復職後のOさんを顧客対応を行う窓口の営業から営業サポートのような役回りの担当へ異動させてしまいました。

Oさんは、復職後すぐは仕事と育児の両立にも慣れなかったので、サポート業務に納得していたのですが、そのうち仕事への物足りなさを感じ始めます。

しかし、会社では営業サポート、いわゆるマミートラックのまま待っていても業務が変わることはないと思い、私はOさんに上司との面談のセッティングを提案しました。

「面談では、正直に復職前は不安な気持ちがいっぱいで営業を続ける自信がない発言をしてしまいましたが、本当は顧客を持って第一線で活躍したいです。

営業時間外での顧客対応は少なく、もし発生した場合は主人や両親と調整します。子供の急な体調不調などで急遽抜けることはあるかもしれませんが、その際は同じチームのメンバーに引継ぎをします」

自分の意向をきちんと伝えたことによって、Oさんは次の異動時に営業職として第一線に戻ることができました。

復職面談時大事なことは

まだ仕事と育児の両立をしたことがない中で復職後の働くイメージを語るのも難しい話なのですが、必要以上に過小評価も過大評価もせず、自分自身の想いを伝えることが大事です。

また、「育児で忙しいから」となんとなく準備もなく面談を受けることは避けましょう。

子育てと仕事が両立しにくい職種、業種もある

筆者は元々マスコミ業界にいたので、それこそクライアントの対応や提案など、比較的納期が短く、時間に追われるような働き方をしていたので、対応が深夜にまで及ぶこともありました。

いわゆる両立しにくい業種だったと思います。もし、復職前の仕事が両立しにくい業種や職種だと感じれば、社内での異動や転職も視野に入れておくのもよいかもしれません。

昇進試験をいつ受けるか計画を立てる

今の状況を悩み嘆くのではなく、「〇年後に昇進試験を受ける」「管理職を目指す」など目標を先に決めてしまって、そのために今できることを逆算して行動することもモチベーションを保つ秘訣です。

目標のために、必要なことは何か?

例えば、英語スキルが必要であれば、忙しい毎日の中でも隙間時間を見つけて英語学習をするなど、できることはたくさんあります。

今の辛い現状ではなく少し先の将来を想像して、目標のために今できることに注力してみてはいかがでしょうか。

マミートラックから抜け出せない会社なら転職も視野に

マミートラックにはまりやすいかどうかは、会社の体質によるところも大きいです。比較的古い体質の会社だと、復職後の女性社員には本人の希望があってもなくても無理をさせずサポート業務に従事して欲しいという方針の会社もあります。

社内の女性社員比率が低く、管理職以上の意思決定層に女性がいない場合、この傾向が強いようです。

今からできるキャリア停滞の乗り越え方

ここからは今からできる日常の工夫や考え方をご紹介させて頂きます。

時短家電、家事代行の活用でその時間を仕事にコミット

すでにお使いの方も多いかと思いますが、少しでも家事の負担を減らして、仕事時間を増やしたり、休息時間に充てるために時短家電、家事代行などのサービスを利用することはおすすめです。

筆者宅では、育児は自分たちでする(保育園は行くけどシッターは頼まない)、家事はお金を払って解決で割り切っています。

夫婦共々、仕事も頑張っているので、その上で家事・育児も完璧にすることは無理だと思い、頼れるサービスはどんどん割り切って活用しています。

もちろん、月々お金はそれなりにかかりますが、その分仕事の時間に充てられ、時短家電の初期投資費や家事代行分の費用は仕事した分で十分ペイできます。

筆者が利用している時短家事のおすすめは

①ホットクック

かなりの時間節約になります。材料を入れてスイッチを押すだけでできるので、料理が苦手でも大丈夫。朝仕掛けて、帰宅時間に出来上がっているとかなり楽です。

②ルンバ

こちらはかなり定番ですが、平日はルンバに掃除をお任せして、土日に掃除機をかけるようにすると、常に家をきれいに保つことができ、土日に掃除機をかける時も楽です。

③乾燥機付き洗濯機

少しお値段は高かったですが、買ってよかったアイテムです。今までは洗濯が済んでから干すのに毎回10~15分はかかっていたところ、乾燥機まで回すと洗濯ものを干す手間が省けます。面倒くさい家事が一つ減ったので、我が家のお助けアイテムです。

ちなみに、編集部スタッフMさんも、この3種類をメーカーは違えど網羅しているとのこと。「これらは本当に便利だから友人にもすすめている」と教えてくれました。※我々は、この家電のPRや回し者ではありません(笑)。

パートナーとキャリアの頑張り時を相談・分担

また、一度夫婦だけで、それぞれのキャリアの頑張り時を確認し、その上で家事分担や家庭のオペレーション分担などを整理してみるのも手。

このように先を意識するだけで、気持ちの上でも納得感があり、夫婦一体でキャリアを形成する運命共同体だと思うと、少し楽になると思います。

どこまでトレードオフするか?

そして、一番重要なのは、「どこまでトレードオフにして働き続けたいか」を考えることです。

仕事も家庭も育児も理想のバランスでできている方は少ないと思います。

独身の頃や子供が産まれる前とは違い、子供に割かれる時間が増えたので、当然何かはトレードオフになります。

その際、どこまでならお金と時間を許容できるか、妥協できるか、一度整理してみましょう。

・睡眠時間を削ってまでキャリアを優先したいか
・シッターを雇ってまでキャリアを優先したいか
・シッターは頼まないけど、家事代行にはお金を使ってもよいか
・家事代行は頼まないけど、時短家電には投資するか
・保育園のお迎えが遅くなってもフルタイムで働くか
・給料減ってもいいから時短勤務で子供との時間を確保したいか

など、選択肢を挙げるとたくさん出てくると思います。

自分がどこまでをOKとするか予め基準を決めておくと、日々の迷いや悩みが減り、子供を預けて働くことや家事代行サービスなどへの出費の後ろめたさがなくなると思います。

「隣の芝生は青く見える」もの!

ワーママとして復職すると、子供もいてキャリアもあるのになぜか隣の芝生が青く感じてしまうもの。ママになったことでキャリアアップは自ら手放してしまったんだろうかと不安になる場面も多いかと思います。

しかし、自分の工夫次第でいくらでもキャリアアップできる選択肢はあります。キャリアを長い目で見て、パートナーとの分担やキャリアの頑張り時をいつにするか、何をトレードオフにするか等、自分自身と一度向き合って整理しましょう。

きっとモヤモヤが晴れて自分なりの解決策が見えてくるのではないでしょうか。

キャリアに関する人気記事はこちら!

ワーママが陥りやすい悩み「キャリア迷子」とは?パートナーよりも自分が我慢をしなくては…
キャリア迷子って? はじめまして。キャリアコンサルタントの相坂サオリです。 私自身も数年前まで会社員で、ちょうど30歳前後でキャリア...

記事を書いたのは…

相坂サオリ|キャリアコンサルタント
株式会社LASSIC代表取締役CEO。主に法人向けにマーケティングPR支援事業と個人向けにキャリアデザイン事業を展開し、自身も国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得。大手広告代理店勤務を経て、33歳で起業。自身が不妊治療と仕事の両立で悩んだ経験や“キャリア迷子”を経て独立した経験から、ワーママや女性のキャリア支援に尽力。会社設立から3か月後、第一子出産。現在は2歳の娘の子育てと起業に奮闘中。
株式会社LASSIC【公式】サイトはこちら>>

※写真はイメージです

編集部おすすめ

関連記事