シエラレオネってどんな国?
アフリカ西部、太西洋に面した「シエラレオネ」は、2002年まで10年以上続いた内戦、2010年代半ばのエボラ出血熱の流行などによって大きな痛手を受け、2020年時点では平均寿命が世界で11番目に短い国となっています。
その一方で、シエラレオネはバナナアイランドやタキュガーマ・チンパンジー自然保護区などの魅力ある場所が点在している国です。ここからさらに詳しくシエラレオネについて知っていきましょう。
シエラレオネ基本情報
まずはシェラレオネの基本情報からご紹介します。
国名
シェラレオネ共和国
首都
フリータウン
場所
アフリカ大陸の西部に位置する国です北にギニア、南東にリベリア、南西から西にかけては大西洋に面しています。
日本との時差
9時間(日本のほうが9時間進んでいる)
面積
71,740平方キロメートル
日本の日本の約5分の1にあたります。日本の総面積は378,000平方km。
エリア
シェラレオネは、4つの州(かつての保護領)と地域(かつての植民地)の5つに分けられます。首都フリータウンは、西部地域にあります。
・西部地域
・東部州
・北部州
・南部州
・北西部州
人口
約814万人(2021年時点)
東京都の人口の約1.7分の1にあたります。東京都の人口は約1400万人(2023年2月時点)。
言語・公用語
英語(公用語)、クリオ語、メンデ語、テムネ語他
通貨
レオン
1レオン=0.0068円(2023年3月14日時点)
宗教
イスラム教60%、キリスト教10%、アニミズム信仰30%
歴史
・15世紀、ポルトガル人が上陸。
・18世紀後半、イギリスで奴隷廃止運動が起き、解放された黒人の移住希望者のシエラレオネへの入植が始まる。
・1792年、首都フリータウンが建設される。
・1808年、イギリスによる植民地化。
・1896年、イギリスの保護領となる。
・1931年、ダイヤモンド鉱が発見される。
・1961年4月、イギリスから独立
・1991年、内戦勃発。
・2002年、内戦終結。
・2014年、エボラ出血熱が流行。2015年末に終息。
天気・気候
シエラレオネは熱帯性気候に属します。年間を通じて高温多湿かつ降水量が多いのが特徴です。平均気温は、30度前後を推移しています。降水量は、雨季である4~11月までが最も多く、12~3月の乾季になると少なくなります。また西向きの風からサハラ砂漠による砂嵐の影響を受けるため、日頃から対策が必要です。
シエラレオネの治安・住みやすさ
気になるのはシエラレオネの治安や住みやすさでしょう。さっそく見ていきましょう。
治安は比較的いい
外務省から、国土全体に十分な注意を呼び掛ける危険レベル1が公表されています。治安は安定していますが、観光客を狙った窃盗などが発生するリスクがあります。若者と警察の衝突なども見られるため、単独行動や人目の少ない場所はなるべく避けるのが無難です。
また西アフリカでイスラム過激派によるテロ事件が発生しており、危機管理が必要です。可能な範囲で安全対策を行いましょう。
住みやすさはよくない
比較的治安が安定しているとはいえ、窃盗などの一般犯罪のリスクがあるため普段から注意が必要です。
医療の面では、2014年頃にエボラ出血熱が大流行しました。2015年にWHOから終息宣言が発表されたため、今ではそれほど心配は要りませんが、感染予防に影響する公衆衛生面に不安が残った状態といえます。
一方で物価が安く交通のインフラも整備が進んでいるため、その面では住みやすいでしょう。
シエラレオネの見どころ・観光
ここでは、シエラレオネの見どころや観光スポットを見ていきます。
リバーナンバーツービーチ
海の透明度が特徴的なビーチです。人気の観光スポットで、とくに欧米人の訪問が多くなっています。
浜辺でのんびりしながら、キラキラした大西洋を眺められるのが魅力です。もちろん楽しみ方はそれだけでなく、海水浴やグルメ、ビーチスポーツ、魚釣りなども満喫できます。首都から車で1時間ほどで辿り着けるので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
バナナアイランド
シエラレオネのケントという町からボートで1時間ほど行くと、バナナアイランドに到着します。ここは海がきれいで海水浴を楽しめます。
また、島内には学校やゲストハウスがあります。バナナアイランドに住む人たちと交流でき、現地の生活を垣間見ることができます。グルメも充実していて、観光スポットとしておすすめの場所です。
フリータウン
シエラレオネの首都フリータウンにも見どころがたくさんあります。そもそもフリータウンは、18世紀末のイギリスの奴隷解放運動で、解放された奴隷たちが移住して作られた街です。
街中には1792年に植えられたとされる、「コットンツリー」という大きな木があり、約230年もの間フリータウンの変化を見守っています。観光客向けの施設は清潔にされているため、安心して足を運べます。
ジョン・オベイ・ビーチ
フリータウンから1時間ほど行ったところに、広いビーチが広がっています。ここではサーフィンやカヌー、ビーチバレーなどのアクティビティはもちろん、シエラレオネのグルメや日光浴なども楽しめます。
近くに「エスチュアリーリゾート」という宿泊施設があるため、ジョン・オベイ・ビーチを満喫したい方は利用してみてはいかがでしょうか。
タキュガーマ・チンパンジー自然保護区
フリータウンから車で45分ほど行ったところにあるのが「タキューガマ・チンパンジー自然保護区」です。野生のチンパンジーがのびのびと生活している姿を見ることができます。ただし野生のチンパンジーが人間に近寄らないようにするため、距離を取ったうえでの観察になります。
世界的に森林伐採などの問題からチンパンジーは少なくなっているため、貴重で大切な場所となっています。
シエラレオネ国立博物館
シエラレオネ国立博物館は、フリータウンのシャカ・スティーブンストリートにあります。博物館では、シエラレオネの歴史を学べます。
発掘された品や考古学的な資料などが展示されています。かつて使われていた蒸気機関車、ディーゼル機関車なども展示されており、興味深い博物館といえるでしょう。
シエラレオネの特徴・有名なもの
観光スポット以外に、シエラレオネの特徴や有名なものを見ていきましょう。
ダイヤモンド
シエラレオネは、世界有数のダイヤモンドの生産地です。地下には豊富なダイヤモンドが埋蔵されています。
しかし1990年代に、反政府勢力がダイヤモンドを不法に売りさばいたことが内戦や人権侵害の問題につながり「ブラッド・ダイヤモンド」と称されている問題が起こっています。こうした問題が再び起こらないように、近年ダイヤモンドの取引には正式なライセンスが必要となりました。
世界で最も寿命の短い国
シエラレオネは平均寿命が34歳(2000年時点)で、日本と比べると2分の1にも足りません。原因としては、長年にわたり続いた内戦によって病院の建物が破壊されていたり、医療従事者が国外に逃げ出したりしたからだとされています。現在もそのような状態が続いており、シエラレオネの重大な課題となっています。
多民族国家
シエラレオネには多くの民族が暮らしています。テムネ族とメンデ族を2大民族として、他にもロッコ族やヴァイ族、スースー族などが存在します。それぞれ独自の言語や文化(音楽やダンス、生活様式など)があり、バラエティ豊かです。
秘境「シエラレオネ」
今回はシエラレオネについてご紹介しました。
いざシエラレオネに訪れてみると「こんなところに、こんな素敵な場所があったんだ」と秘境のような場所があるかもしれません。内戦やエボラ出血熱などで痛手を受けましたが、現在は回復を遂げつつあり、豊かな自然を有した国でもあります。興味が湧いた方は、ぜひこの国について深掘りしてみてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部