【おじぎ草のなぜ】毒性がある? 葉を閉じるメカニズム、育て方も解説

「おじぎ草」という植物をご存じでしょうか? 葉を閉じる様子がおじぎをしているように見えることから、その名が付いています。ここではおじぎ草の葉を閉じるメカニズムや、自宅で上手に育てる方法・コツについて解説していきます。

おじぎ草の分類と名前の由来

「おじぎ草」はネーミングが特徴的な植物です。ここでは、おじぎ草の分類や名前の由来について解説していきます。

マメ科オジギソウ属の植物

おじぎ草はマメ科のオジギソウ属に分類される植物で、原産地は南アメリカ・ブラジルです。成長すると30~50cmほどになる多年草ですが、寒さに弱く日本の厳しい冬を越せないことから一年草として扱われています。寒さには弱い反面、暑さに強いのが特徴です。

おじぎ草は6~10月にかけて、かわいらしく鮮やかなピンク色の花を咲かせます。ただし、おじぎ草には毒性があるため、誤って食べてしまうと危険です。子どもやペットなどが誤食しないよう、注意する必要があります。

おじぎするような見た目から

おじぎ草は触れることで葉を閉じ、おじぎをするように垂れ下がります。この一連の動きが、「おじぎ草」という名前の由来になりました。

また、おじぎ草を含むマメ科の植物の多くは、夜になると葉を閉じる「就眠運動」を行う性質を持っています。そこから、おじぎ草は「ねむり草」とも呼ばれています。

おじぎ草の英語名は「sensitive plant」で、学名は「mimosa-pudica」です。ただし、日本でよく知られているミモザとは別の植物であることに注意しましょう。

おじぎ草には、感受性・繊細な感情・敏感・謙虚といった花言葉があります。おじぎ草がおじぎをするように葉を閉じる様子が、控えめな意味の花言葉の由来になったといわれています。

おじぎ草に触れると葉を閉じるのはなぜ?

おじぎ草は前述した通り、触れることで葉を閉じる特性があります。ここでは、その特性のメカニズムについて解説します。

刺激によって葉が動くため

おじぎ草に刺激を与えると、葉の軸にある細胞が反応し、細胞内の水分が移動することで収縮します。このような刺激が葉全体へ伝わることで、葉が閉じていくのです。おじぎをした葉は、しばらく経つとゆっくり元へ戻ります。

なお、手で触れたときだけでなく、強い光や熱に当たった場合も同様の動きが見られます。

一方で、おじぎ草が葉を閉じる理由や目的についてはまだ解明されていません。一つの説として、バッタなどの昆虫による攻撃から身を守るためという理由が挙げられています。

葉が閉じたおじぎ草。

おじぎ草の育て方

おじぎ草は自宅でも育てられる植物です。ここでは、おじぎ草を上手に育てる方法について解説していきます。

土づくり・種まき

まずは、土づくり・種まきを行います。おじぎ草は水はけのよい土を好む傾向にあるため、草花用の培養土を使うのがおすすめです。自身で土づくりを行いたい場合は、腐葉土と小粒の赤玉土を3:7ぐらいの比率で混ぜるとよいでしょう。

種まきに適した時期は5~6月で、発芽に適した温度は20℃以上とされています。おじぎ草の種は硬く、そのまま植えても発芽しにくいため、表面に小さな傷を入れるか、水に一晩つけておくかして発芽を促すとよいでしょう。

おじぎ草を育て始める際、鉢に直接種まきしても問題ないですが、育苗ポットで育ててから植え替えたほうが管理しやすくなります。

植えつけ・水やり

次のステップは植えつけです。本葉が2~3枚程度になってきたら、育苗ポットから根を傷つけないように取り出して鉢に植えつけます。おじぎ草の茎の部分にはトゲがあるため、手を傷つけないために手袋を着用して作業しましょう。

おじぎ草を育てるにはたくさんの水がいるので、土の表面が乾いていたら水をたっぷりと与えます。土を乾燥させてしまうと、ハダニがわいてくる恐れがあるので注意が必要です。

水やりのポイントは、葉や花に直接かからないよう根元へ水を注ぐことです。夏場は暑さで土が乾燥しやすいため、1日2回程度の水やりが必要になる場合もありますが、夏以外の季節では水を与え過ぎないようにしましょう。

おじぎ草を育てる際に注意すべきポイント

おじぎ草を育てる際、注意すべき点があります。誤って枯らしてしまわないためにも、しっかりとここで注意点を押さえましょう。

日当たりのよい場所で育てる

おじぎ草は暑さに強く日光を好む植物なので、日当たりのよい場所で育てるようにしましょう。日陰で育てると、茎や葉ばかりが伸び過ぎてしまいます。

とはいえ、あまりにも強い日差しを浴び続けると葉が枯れることがあるので、夏場は特に注意が必要です。冬場は、寒さに弱いおじぎ草が越冬できるよう、鉢に植えて室内の日当たりのよい場所に置きましょう。

頻繁な植え替えは行わないようにする

おじぎ草は植え替えによる環境の変化に弱いので、一度植えたらできる限り植え替えは行わないようにしましょう。そのためには、植え替えをしなくても済むよう、植える場所や鉢の大きさなどをあらかじめ考えておく必要があります。

また、おじぎ草の根はまっすぐ伸びるため、植え替えを行うことで根を傷つけてしまう恐れもあります。どうしても植え替えが必要になった場合は、根が傷つかないよう慎重に作業を行いましょう。

不思議な植物・おじぎ草を育ててみよう

おじぎ草の名前の由来や葉が閉じるメカニズム、育て方について解説しました。触れるとおじぎをするように葉が閉じる不思議な特性は、子どもが興味を示しやすいものです。自宅で一緒に育ててみたいというママ・パパもいるのではないでしょうか?

おじぎ草を枯らさないよう上手に育てるためには、手順やポイントを押さえておく必要があります。今回紹介した内容を参考に、ぜひ家族でおじぎ草を育ててみてください。

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構成・文/HugKum編集部

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