小学生の俳句の入賞作品が熱い!俳句の作り方&教え方とは?おすすめの本で俳句をマスターしよう!

世界で最も短い文学と言われる俳句。五七五のたった十七音で表されます。現在では、多くの俳句コンクールがあり、小学生入賞者も続々。また、2013年には、小学生俳人の小林凛さんの俳句の本が出版されました。さらにtwitterでも、しばしば小学生の作った俳句が話題になっています。

そこで今回は小学生の俳句を取り上げます。まずは、小学校ではどのように俳句を学ぶのかを解説。次に、小学生の俳句コンクール入賞作品をご紹介します。さらに、小学生のための俳句の作り方&教え方、小学生におすすめの俳句の本もたっぷりとご紹介。この記事を読めば、一句詠みたくなりますよ。

小学生俳句1
今、小学生に俳句が熱い!

小学校ではどのように俳句を学ぶ?

小学校の国語の授業で、俳句はどのように学ぶのでしょうか。授業で俳句を習うメリットとともに解説します。

小学校の俳句の授業

平成23年度から実施された小学校指導要領では、はじめて「俳句を作る」ことがとりあげられました。平成29年に告示された小学校指導要領には

易しい文語調の短歌や俳句を音読したり暗唱したりするなどして,言葉の響きやリズムに親しむこと。
短歌や俳句をつくるなど,感じたことや想像したことを書く活動。

小学校学習指導要領 平成29年告示-文部科学省より引用)

とあり、俳句を音読したり、作ったりすることが授業で実施されます。

小学生が俳句を習うメリットは?

五七五で成り立つ俳句は、リズムのある言葉で情景や場面を表現できるところがポイントです。また、歳時記などで季語を調べることで、季節を知ることができます。さらには語彙が増えるのもメリットです。

小学生の俳句コンクール入賞作品がすごい!

昨今では小学生を対象にしたさまざまな俳句コンクールが開催されています。どんなコンクールや入賞作品があるのかを見ていきましょう。

俳句コンクール受賞作

コンクール受賞作品を読むと、自分が俳句を作るときに参考になります。季語やリズム、表現を楽しんでみてください。

低学年編

・まだなにもしゃべってくれないふきのとう

・プールあと体が地球にへばりつく

・くつひもにくやしさのこるうんどう会

・かまくらの中ですずめが温まる

(すべて、お〜いお茶 新俳句大賞過去作品 授業用教材資料低学年より引用)

高学年編

・夏が来る準備は出来た来ていいよ

・はまぐりを塩で洗うと笑い出す

・タンポポがじいさんになってたびにでる

・紅葉散るたくさん散ってる音が好き

(すべて、お〜いお茶 新俳句大賞過去作品 授業用教材資料高学年より引用)

小学生向けの俳句コンクールは多数

小学生むけの俳句コンクールには、飲料メーカーが主催するものから、新聞社、自治体が公募するものまで、さまざまなものがあります。自慢の一句を詠んで、ぜひ応募してみてください。

・第二十八回お〜いお茶 新俳句大賞(伊藤園)

平成元年からスタートした、飲料メーカー・伊藤園が主催する俳句大賞です。公募によって、小学生の部が設けてあります。入賞作品がパッケージに掲載されます。テーマは自由です。

第二十八回お〜いお茶 新俳句大賞-伊藤園

・佛教大学小学生俳句大賞

この俳句大賞は、学校法人 佛教教育学園が主催しています。低学年の部、高学年の部の2部門が設けられていて、それぞれ各1名に最優秀賞が贈られます。こちらのコンクールもテーマは自由です。

佛教大学小学生俳句大賞

・小学生俳句王選手権

市進教育グループが主催、朝日小学生新聞が共催する俳句のコンクールです。入選すると、朝日小学生新聞に掲載されます。テーマは自由ですが、応募は一人一作品までです。

小学生俳句王選手権

小学生のための俳句の作り方

俳句にはルールがあります。それに則って、俳句を作ってみましょう。

俳句の基本・ルール

俳句の基本的なきまりは2つあります。

・「五・七・五」で表す

五・七・五の定型詩です。十七音で表します。ただし、字余り、字足らずと言って、文字数が多いもの、文字数が足りないものもあります。また、「自由律俳句」というのもあります。これは、五七五にとらわれずに自由な音数で作る句のことです。これらは難易度が高いので、はじめは五七五の17音で俳句を作るのがおすすめです。

・「季語」を入れる

季節を表わす「季語」を必ず入れます。もし、入れなかったら俳句ではなく、川柳になってしまうので注意してください。季語は季節によって決まっているので、いつの季節の季語なのか、また、この言葉は季語なのか、という疑問をもったら、歳時記などで調べるとよいでしょう。

俳句の作り方

俳句を作るときは、ポイントがあります。

1 対象をよく観察しよう

対象となるものをよく観察することです。これは、目で見るだけでなく、におい、感触、味、音などの五感を使うと、おもしろい気づきを得られます。その気づきを俳句に表しましょう。

2 具体的な言葉で表現しよう

感動したことなどは「美しい」、「きれい」、「楽しい」などと直接表現せず、具体的な言葉を用いて表現するように心がけましょう。たとえば、どのように美しいのか、どのようにきれいなのかの、“どのように”の部分を言葉にすると、直接表現しなくても、美しいんだな、きれいなんだな、ということが伝わります。

3 自分の生活を俳句で詠んでみよう

俳句は、どんなものでも題材になります。たとえば、おやつで食べたものや、友達と遊んだこと、行事などもです。自分の生活も日記をつけるように俳句に詠んでみるとおもしろいですよ!

小学生俳句2
俳句を作るときは対象をよく観察しよう

小学生におすすめ!俳句の季語

季節を表す季語。季語には自然に関する言葉や行事、動植物や食べ物などがあります。ここでは季節ごとにそれらをご紹介します。

春の季語

・自然に関すること

春来たる(はるきたる)、春風(はるかぜ)、雪解け(ゆきどけ) など

・行事

バレンタイン、ひなまつり、潮干狩り(しおひがり)、遠足(えんそく)、花見(はなみ)、ピクニック など

・生き物

おたまじゃくし、かえる、ちょう、蜂(はち)、はまぐり など

・植物

梅(うめ)、桜(さくら)、チューリップ、つくし、たんぽぽ など

・食べ物

草餅(くさもち)、桜餅(さくらもち)、わかめ など

夏の季語

・自然に関すること

入道雲(にゅうどうぐも)、夕立(ゆうだち)、虹(にじ)、雷(かみなり)など

・行事

こどもの日(こどものひ)、父の日(ちちのひ)、母の日(ははのひ)、夏休み(なつやすみ) プール など

・生き物

燕の子(つばめのこ)、雨蛙(あまがえる)、金魚(きんぎょ)、ザリガニ、かぶとむし など

・植物

向日葵(ひまわり)、さくらんぼ、カーネーション、百合(ゆり)、トマト、茄子(なす)など

・食べ物

ちまき、柏餅(かしわもち)、冷奴(ひややっこ)、梅干し(うめぼし)、ラムネ など

秋の季語

・自然に関すること

秋晴れ(秋晴れ)、天の川(あまのがわ)、鰯雲(いわしぐも)、月(つき)、流れ星(ながれぼし)など

・行事

七夕(たなばた)、お盆(おぼん)、運動会(うんどうかい)など(※七夕は夏の季語と思われがちですが、秋の季語となります)

・生き物

秋刀魚(さんま)、虫(むし)、つくつく法師(つくつくぼうし)、蜻蛉(とんぼ)、鈴虫(すずむし)など

・植物

枝豆(えだまめ)、朝顔(あさがお)、コスモス、菊(きく)、紅葉(もみじ) など

・食べ物

新米(しんまい)、ピーナッツ、玉蜀黍(とうもろこし)、茸(きのこ)など

冬の季語

・自然に関すること

雪(ゆき)、凩(こがらし)、オリオン座(おりおんざ)、氷(こおり)など

・行事

師走(しわす)、冬至(とうじ)、大晦日(おおみそか)、餅つき(もちつき)、冬休み(ふゆやすみ)など

・生き物

鴨(かも)、白鳥(はくちょう)、鯨(くじら)など

・植物

ポインセチア、水仙(すいせん)、蜜柑(みかん)、落ち葉(おちば)など

・食べ物

焼き芋(やきいも)、白菜(はくさい)、葱(ねぎ)、大根(だいこん)など

新年の季語

・自然に関すること

初日(はつひ)など

・行事

正月(しょうがつ)、初夢(はつゆめ)、書き初め(かきぞめ)、初詣(はつもうで)など

・植物

福寿草(ふくじゅそう)など

・食べ物

雑煮(ぞうに)、お節料理(おせちりょうり)、七種粥(ななくさがゆ)など

小学生への俳句の教え方

小学生に俳句を教えるときには、俳句のルールを最初に教えてください。その上で、親子で楽しく俳句を作っていきましょう。

まずは音読してみよう!

句には名句と呼ばれるものが数多く残っています。たとえば、小林一茶や松尾芭蕉、正岡子規などです。現代の俳人にも素晴らしい句があるので、それらの俳句を声に出して読んでみましょう。そうすることで、五・七・五のリズムのよさを体で感じることができます。リズムを感じると、この十七音のリズムで、俳句を作りたいと思うはずです。

季語のことを知ろう

春夏秋冬、新年から連想する言葉をどんどん出していきましょう。その言葉が、いつの季語なのかを歳時記などで調べることで、季語を覚えることができます。また、調べることによって、「こんな季語もあるんだ」、「カブトムシは夏の季語なんだ!」などの発見があります。また、語彙も増えていきます。

句会でレベルアップ!

家族やお友だちと句会をするのも楽しいでしょう。句会では、お互いに俳句を発表して感想を話し合うことができます。他人の俳句を読むと、表現の仕方やその人の感じ方などが学べます。また、自分の俳句がどのように伝わったのかも確認することができます。それらの感想は、次に俳句を作るときに活かせますよ。

小学生の俳句、おすすめの本

小学生におすすめの俳句の本をピックアップしました。歳時記、俳句のつくり方、名俳句を味わう本などをご紹介します。

大人も読みたい こども歳時記(小学館)

俳句本1
大人も読みたい こども歳時記(小学館)

この本は、子どもの興味をひき、また生活に密着した季語を370余りとりあげ、全ての季語にわかりやすくて本格的な解説がついています。子どもの秀句と大人の句も掲載されているので、「この季語を使って、こんな俳句が詠めるんだ!」という発見もあります。さらに、古今の名句や、初心者にもわかりやすい、「俳句の作り方のポイント」や「句会のやり方」などのコラムも。俳句作りに役立つコンテンツが満載です。
大人も読みたい こども歳時記(小学館)

親子で楽しむこども俳句塾 (明治書院)

俳句本2
親子で楽しむこども俳句塾 (明治書院)

親子で一緒に俳句に親しみ、俳句のつくり方を楽しく学べる本です。リズムを楽しみ、言葉を味わう、俳句の魅力がいっぱい。名句鑑賞や俳句の基本ルール紹介のほか、俳句づくりの手順やポイントなどを丁寧に解説されています。もっと身近に俳句を感じることができることでしょう。

ピカピカ俳句(パイインターナショナル)

俳句本3
ピカピカ俳句(パイインターナショナル)

ピカピカで素晴らしい心をもった句の面白さを伝え、現代の子どもたちの心をピカピカに美しくする、「ピカピカシリーズ」。その第一弾が「俳句」です。「俳句」を苦手とする子どもの多くは、「難しい言葉が並んでいて、意味が分からない!」、「なんとなく難しそうで嫌い・・・」と言います。この本では、日本語のスペシャリストである斉藤孝先生が小学校の低学年でも理解できるよう、「俳句」を噛み砕いて解説してくれています。まるで先生から直接授業を受けているかのように、分かりやすく楽しく学べるのが魅力です。

俳句を詠んでみよう!

俳句はルールが簡単。しかも五・七・五の十七音で作れます。家族やお友達とも手軽に楽しめるのもいいところです。今の気分を情景を、ぜひ俳句に詠んでみてくださいね。

 

文・構成/HugKum編集

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