「じゃがいも」を入れるのは栃木だけ? 栃木名物「じゃがいも入りやきそば 」を作ってみたら美味しかった!

「じゃがいも入りやきそば」は、蒸したじゃがいもを入れた、栃木名物のやきそばです。栃木では、やきそばにじゃがいもが入っているのが一般的。なぜ、じゃがいもが入っているのか、その由来などを探っていきたいと思います。また、じゃがいも入りやきそば作りにも挑戦したので紹介します。

皆さんは、やきそばには何を入れますか? 定番の豚肉にキャベツ、たまねぎ? はたまた、冷蔵庫にある残り物全て、でしょうか…? やきそばは、具材のアレンジの幅が広い料理の1つです。本記事では、その中でも栃木名物「じゃがいも入りやきそば」について詳しく見ていきましょう。

「じゃがいも入りやきそば」とは?

じゃがいも入りやきそばとは、ソースやきそばにじゃがいもが入ったものです。

「やきそばに、じゃがいも?!」とびっくりされた方も多いのでは? しかし、栃木では、やきそばの具にはじゃがいもを入れるのが定番なのだそう。実は、じゃがいもとやきそばのソースは相性抜群。それに、じゃがいものホクホクとした食感が良いアクセントになるんです。

栃木市や足利市のご当地グルメ

じゃがいも入りやきそばは、今では栃木市や足利市などを代表するご当地グルメとして、町おこしの一端を担っています。栃木市と足利市のじゃがいも入りやきそばの違いは、呼び名とソース。足利市では「ポテトやきそば」といわれており、ソースは、それぞれの地元で作られるご当地ソースが使われることが多いようです。

また栃木市や足利市以外にも、近隣の群馬県の桐生市、太田市などでもじゃがいもの入ったやきそばが食べられています。

なぜ、やきそばにじゃがいもを入れるようになった?

もともと栃木は、じゃがいもの生産が盛んな土地でした。加えて、戦後まもなく小麦粉の輸入が増加したことから、やきそばなどの麺料理が普及していきます。すると、栃木でよく採れるじゃがいもが、自然な流れでやきそばに入れられるようになった、というのが有力な説です。

じゃがいも入りやきそばが栃木市内で定着したのは、1950年前後だといわれています。当時は、小学校などの前には駄菓子屋さんがありました。その頃の駄菓子屋さんの定番メニューといえば、蒸したじゃがいもを揚げたもの、そしてじゃがいも入りやきそばだったそうです。

もともと栃木では、じゃがいもを醤油で炒めたものが、子たちのおやつの定番でした。しかし地元のソースメーカーが、じゃがいもにソースをかけて子どもたちに食べてもらったところ、それが好評を得ます。じゃがいもに香ばしいソースが良く合い、それに、じゃがいもを入れたやきそばは、ボリューム満点。その美味しさから、栃木市や足利市などに広がっていったといわれています。

じゃがいものほかには何が入っているの?

じゃがいも入りやきそばは、豚肉やキャベツ、もやしといったやきそばの定番の具に加えて、しめじやイカが入ることもあり、蒸したじゃがいもではなく、揚げたじゃがいもが使われることも。お店や家庭によって作り方は様々。バリエーションが豊富なのも特徴といえるでしょう。

また、昔ながらのじゃがいも入りやきそばを作るお店では、ひき肉と野菜でとったスープを入れて、コクを出しているところもあるそうです。

栃木市の「じゃがいも入りやきそば」は麺に特徴がある

栃木市のじゃがいも入りやきそばの特徴は、「二度ぶかしやきそば麺」を使っていることです。「二度ぶかしやきそば麺」とは、二度蒸した麺のこと。一度蒸し上がった麺は水で洗い、さらにもう一度蒸します。長時間、麺を蒸すことで、茶色がかったモチモチとした食感の麺になるのです。

「じゃがいも入りやきそば」作りに挑戦!

では家庭で作れる、じゃがいも入りやきそばを作ってみたいと思います。じゃがいもを蒸す工程があるだけで、あとの手順は一般的なやきそばとほとんど同じです。

材料(1人分)

・じゃがいも… 1個
・キャベツ… 1~2枚
・豚肉(バラもしくは細切れ)… 50g
・やきそば麺… 1玉
・出汁… 50 cc
・麺付属の粉末ソース… 1袋
・ウスターソース… 小さじ1
・サラダ油… 適量
・青のり… お好みで
・紅ショウガ… お好みで

作り方

1、じゃがいもは皮をむき、一口大にカット。キャベツは食べやすい大きさに切っておきましょう。

2、1を耐熱容器に入れ、ラップをかけて電子レンジで柔らかくなるまで加熱します。

3、フライパンに、サラダ油を入れ、中火で豚肉を炒めます。

4、豚肉にある程度火が通ったら、じゃがいもとキャベツを入れ、炒めます。

5、4にやきそば麺と出汁を入れ、ほぐすように炒めます。

6、5に麺付属の粉末スープとウスターソースを入れ、麺に絡めながら炒めます。

7、全体に味が馴染んだら、火から下ろし、器に盛り付けます。

8、お好みで青のりをかけ、紅ショウガを添えて完成です。

冷凍のフライドポテトを使うのもあり

じゃがいもがなかったり、皮を剥くのも面倒なとき、冷凍フライドポテトがあれば、それを使っても美味しいです。冷凍フライドポテトは、半解凍にして炒めてください。

市販の生麺を蒸すとさらに美味しいやきそば麺に

コシの強い麺が特徴の、じゃがいも入りやきそばを再現するのにおすすめなのが、市販の生麺を蒸して、自家製のやきそば麺を作ることです。市販のやきそば麺よりも香りが豊かで、コシの強い麺を作ることができます。

本記事では、蒸し器やセイロがなくても大丈夫な、電子レンジを使って作る自家製やきそば麺の作り方の紹介します。

用意するもの

・生麺(中華麺)
・耐熱のビニール
・ザル

手順

1、生麺をよく揉んで解します。

2、生麺は耐熱のビニール袋に入れます(穴を開けるか、密閉しないようにしてください)。

3、600Wの電子レンジで3分間加熱します。

3、3分加熱したら、麺は流水で洗い、再びビニール袋に入れ、もう1度同じように加熱します。

4、加熱が終わったら、再び流水で洗い流し、水気を切ります。

5、すぐに使わない場合は、ごま油やサラダ油をかけて混ぜておきましょう。

できあがったら、あとは調理するだけ。じゃがいも入りやきそばの調理工程と一緒です。ひと手間加えると、市販の生麺がお店のような本格的なやきそば麺に変身します。ぜひ試してみてください!

ソースとじゃがいもはビックリするくらい合う

じゃがいも入りやきそばについて見てきました。実際、じゃがいも入りやきそばを作って食べてみたところ、じゃがいもとソースはとても合う! やきそばの麺にも合う! これから我が家のやきそばの定番になりそうです。「本当に?」と思われた方は、ぜひ一度作って食べてみてください。

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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

 

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