【発達がゆっくりな子のオムツ問題】40人のママに聞きました。どうしてる?大きくなった子どものオムツの悩み

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子育ての難所の1つともいえる、トイレトレーニング。「いつかは外れる」とは言われても、障害など何らかの事情があって、小学生になってもなかなかオムツが外れないお子さんもいます。しかし、乳幼児期に使っていたオムツが体格的に厳しくなってきたら、その後はどうしたらいいのでしょうか。自らも自閉症のお子さんを育てながら発信をしているイラストレーター&ライターのべっこうあめアマミさんが、当事者ママたちにお悩みの実際をアンケート調査しました。

当事者、経験者40人に聞いてみた!教えて子どものオムツ事情

私には、重度知的障害を伴う自閉症があり、特別支援学校に通っている息子がいます。
息子は現在小学3年生ですが、障害の特性による認知力の低さや言語コミュニケーションの難しさなどから、いまだにオムツが外れません。
進まないトイレトレーニングよりも、これ以上身体が大きくなったら履けるオムツがないことが困る・・・。
そんなサイズアップへの焦りをSNSで吐露すると、同じ悩みを持つ多くの親御さんから共感をいただきました。
そして、同じ経験をした親御さんたちから、多くの打開策や情報をいただいたのです。

そこで今回、何らかの事情でなかなかオムツが外れないお子さんの親御さん40人に、アンケートをとらせていただきました。
障害特性や体質、体型など、1人1人状況は違うデリケートな問題ですが、多くの方から共通して挙げられた意見、興味深いお話など、当事者たちの悩みと打開策をまとめます。

オムツに関する悩み、どんなものがある?

乳幼児期はそれほど困らなかったことも、子どもが大きくなるにつれ深刻化するオムツの悩み。
具体的にはどんなものがあるのでしょうか?
親御さんたちが抱えているお悩みの中でも、特に多かった3つを中心にお伝えします。

ちょうどいいサイズがなく、尿や便がオムツからもれてしまう

アンケートの回答で最も多かったのが、「もれる」というお悩みでした。
子どもは身体の成長に伴い、1回の尿量が多くなっていくものです。
しかし乳幼児用のオムツでは、吸収力が足りずにもれてしまうことも・・・。
とはいえ、吸収力がある大人用のオムツにすると、大きすぎて隙間ができ、隙間もれをしてしまうこともあるでしょう。
逆に隙間をなくそうと小さめにすれば、もれの心配はもちろん、ウエストに赤い痕がついてしまうこともあります。
吸収力で選ぶのか、隙間ができないものを選ぶのか、サイズ選びの難しさに悩む人は多いようです。

種類も扱っている店も少ない

オムツは、新生児用から始まり、S、M、L、ビッグ、ビッグより大きい、までが一般的なサイズではないでしょうか。
「ビッグより大きい」でさえ、取り扱い店舗は少なくなり、作っていないブランドもあると思います。
後述しますが、実は「ビッグより大きい」より大きいサイズの子ども用オムツも存在しますが、メーカーは限られますし、取り扱い店舗も更に絞られます。
体重が25㎏、もしくは28㎏までを対象とした「ビッグより大きいサイズ」までは問題なくても、その先のオムツ探しに難航する人は多いのではないでしょうか。
また、「子ども用と大人用の間のサイズのオムツ」は店舗での在庫も少なく、災害時などになくなってしまうのではないかという懸念もあります。

1枚当たりの値段が高い

オムツは大きいサイズになるほど、1パックに入っている枚数が少なくなります。
そのため、1枚当たりの値段が高いことも悩みです。
たとえば、「ビッグより大きい」よりも更に大きいサイズの子ども用オムツですと、1枚あたり100円前後の値段です。
これは、子ども用Mサイズのオムツの5倍ほどの値段ですから、家計への打撃は深刻です。

オムツをしているのが少数派の年齢になると増える「悩ましい問題」

その他に出てきたお悩みでは、次のようなものがありました。

・オムツを履いた状態にあうズボンが見つけづらい
・周囲からの目が気になる
・外出時は車での履き替えになってしまう
・薄手のものでないと、すぐにあせもができてしまう
・介護用のオムツを買うのは抵抗感がある

赤ちゃんのころであれば、洋服の作りもオムツをしている前提ですし、周囲の目も気になりませんよね。
外出先でもおむつ替えスペースは確保しやすいかと思います。
しかし、一般的にはオムツをしていない年齢になると、服の作りもおむつ替えスペースの体重制限もあわなくなり、悩ましい問題が増えますよね。
吸収力のある厚手のオムツだと、あせもができやすいお子さんもいるかもしれません。
そして、実用的には良いものだとしても、どうしても介護用オムツを使うことに抵抗感を感じてしまう複雑な親心にも共感できます。

こうして見ると、オムツをしていることが少数派の年齢になっていくほど、様々な悩みが浮上してくるのだとわかります。

大きくなった子どものオムツ問題で悩む親子の実態

オムツのサイズ感が難しい小学校低学年

今回のアンケートに回答して下さった方で最も多かったのは、小学校低学年(小学1年生~3年生)のお子さんの親御さんでした。
体格には個人差がありますが、やはり小学校低学年くらいのお子さんが、大人用と子ども用のはざまで最もオムツのサイズ感が難しいのではないでしょうか。
そして、お子さんが通っている学校を聞いてみると、特別支援学校に通っているお子さんが最も多かったのですが、支援級や、少数ですが普通級に通っているお子さんもいました。

診断されている障害や病気などについても教えていただきました。
すると、身体障害や病気などによって、自力での排泄が困難なお子さんももちろんいますが、自閉症や知的障害があるお子さんの割合も多かったです。
たとえ身体機能に問題がなくても、知的障害があるお子さんだと、「トイレで排泄する」必要性の理解に非常に時間がかかります。
また、言語コミュニケーションの難しさから、尿意を伝えることができないお子さんも多いでしょう。

感覚過敏と感覚鈍麻

自閉症などの発達障害があるお子さんには感覚過敏があるお子さんが多いですが、逆に感覚鈍麻なお子さんもいます。
私の息子もそうなのですが、感覚鈍麻があると、オムツに排泄しても不快感を感じづらく、トイレトレーニングがより一層難航しがちです。
もしかしたら、オムツを外すことに関しては、どちらかといえば感覚過敏のお子さんの方が外しやすいかもしれません。
自閉症により、不安を感じやすい特性を持っているお子さんもいます。
そういうお子さんですと、「失敗してしまうのではないか」という不安感から、実際はほとんど失敗しないのにオムツを外せないこともあるようです。

他には、日中のオムツは外れても、夜尿症により夜のオムツだけ外せないお子さんもいるようです。
このように、オムツが外せない理由は多岐に渡り、その理由も一朝一夕ではどうにもできない、難しい事情があるのだとわかりました。

「子ども用と大人用の間のサイズ」どんなオムツがあるんだろう?

では、大きくなった子どものオムツ問題に悩む親御さんたちは、どんなオムツを使っているのでしょうか?
使っている方が多かった、人気の「子ども用と大人用の間のサイズ」のオムツをご紹介します。

グーンスーパーBIGパンツタイプ~アンケートで一番支持が多かったのがコレ

アンケートの結果、40%以上の方が使っていると答えた、おそらく最も知名度があって人気の大きなサイズのオムツです。
このサイズのオムツの中では比較的置いている店舗が多く、手に入りやすいかもしれません。
体重15㎏~35㎏まで使えて、下着のようにかわいいデザインになっているため、大人用の介護オムツより手に取りやすいのではないでしょうか。
「グーンのオムツは尿をよく吸ってくれる」という意見もあり、吸収力には期待できるかもしれません。
更に、中に敷く「スーパーBIG安心吸収パッド」という商品も展開しており、オムツと組み合わせて使うと隙間もれが軽減するそうです。
グーンのスーパーBIGは同じサイズでテープタイプもあることから、障害の種類に応じた使い分けができます。

ムーニーマンスーパーBIG~ゴムの伸びがやわらかくてはかせやすい

同じスーパービッグでも、グーンはウエストゴムがきつめという意見がありましたが、ムーニーマンは大きくてやわらかく、はかせやすいという意見も。
ウエストが大きめのお子さんにはムーニーマンの方が使いやすいのかもしれません。
足回りのギャザーも、グーンとムーニーでは形が違うので、どちらの形の方が体型にあうかはお子さんによると思います。
ムーニーマンのスーパービッグもグーンとほぼ同じ、体重18㎏~35㎏まで使えるサイズで、こちらも下着のようにかわいいデザイン。
男の子用と女の子用に分かれており、デザインも男の子と女の子、それぞれが好みそうな柄が6種類も入っているのが嬉しいですね。
「ムーニーマンは通気性が良い」という意見もありました。
これからの暑い季節には使いやすいかもしれません。

リフレはくパンツジュニアSSサイズ~大人用の介護用オムツの中の「子どもも使える小さいサイズ」

グーンやムーニーマンのような「子ども用オムツの大きいサイズ」という位置づけではなく、大人用の介護用オムツの中の「子どもも使える小さいサイズ」という位置付けの商品です。
こちらはスーパービッグより更に大きい体重25㎏~45㎏まで使えるサイズですが、オムツ1枚あたりの値段はスーパービッグとあまり変わらないため、コストパフォーマンス的にはかなり優秀だと思います。

残念なのは、デザインがかわいくないこと

子ども用オムツのシリーズではないので、かわいいデザインなどはありません。
しかし、目安体重が25㎏~45㎏という、他にあまり代替がない、絶妙なサイズ感のオムツなのではないでしょうか。
ただし、子ども用オムツを使い慣れていた感覚で使用すると、大きすぎてかさばると感じることもあるようです。
また、足回りがゆるめなこと、使用後に止めるテープがないことが難点だと指摘する意見もありました。

いっそのこと大人用を使うという選択肢、具体的にどんなものを選んでいる?

子ども用に比べると、大人用の方が値段が安く吸収力も高い場合もあり、サイズさえ問題なければ試してみるのも良いのではないでしょうか。
しかし、大人用のオムツはメーカー名になじみがなく、どんな商品がいいのかわからないですよね。
アンケートの結果、おすすめに挙げていただいた大人用の介護用オムツには、次のようなものがありました。

エルモア いちばんうす型パンツ

ライフリー 長時間あんしん うす型パンツ

リリーフ 安心のうす型

いずれも、うす型タイプや小柄な方向けの小さいサイズがあるシリーズなので、子どもが最初に使う介護用オムツとして適しているのではないでしょうか。

小学校低学年の小柄な子なら、「子ども用オムツのビッグより大きいサイズの夜用」がOKかも

大人用オムツに移行することとは逆の考え方ですが、小学校低学年の小柄なお子さんであれば、子ども用オムツのビッグより大きいサイズの夜用を使う、という方法もあります。
夜用であれば、昼用に比べて吸収力もありますし、サイズも若干ゆとりがあります。
スーパービックになると一気に1枚あたりの値段が上がるので、ギリギリまでこの方法で耐えるというやり方も良いのではないでしょうか。

マミーポコ ビッグより大きいサイズ 夜用

グーンナイトキッズパンツ

アンケートからわかった悩み多きオムツ問題。でも、解決策も色々

今回、アンケートに答えて下さった多くの方のご協力を得て、この記事を作ることができました。
まずは、ご協力いただいたみなさま、ありがとうございます。

大きくなった子どものオムツの悩みは多岐に渡りますが、その悩みを解消できるような商品も、世の中にはたくさんあるのだと、多くの回答から知ることができました。
お子さんの事情や体型によって適したオムツは違うと思いますが、何か少しでも気になる情報を見つけていただけたら幸いです。

そして、「こんなに大きくなったのに、オムツが外れない」とひそかに悩んでいる親御さんがいたら、あまり思いつめないでほしいのです。
世の中には、同じように悩んでいる親子がたくさんいます。
この記事を読んで、オムツの情報だけではなく、そんなホッとした気持ちも感じていただけたら、記事を書いた身として嬉しく思います。

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べっこうあめアマミ
ライター&イラストレーター。知的障害を伴う自閉症の息子ときょうだい児の娘を育てながら、電子書籍作家としても活動する。出版した電子書籍は障害児育児をテーマにしており、Amazonランキング1位を獲得するなど、障害児や発達に特性がある子を育てる多くの家族に読まれている。「ママがしんどくて無理をして、子どもが幸せになれるわけがない」という信念のもと、「障害がある子ども」ではなく「障害児のママ」に軸足をおいた発信を、Twitternoteなど各種SNSで続けている。

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