フランス語で「白い食べ物」という意味のブランマンジェ。名前は聞いたことがあっても、どんなお菓子で、どうやって作るのか知らないという方も多いのではないでしょうか?
まずは、ブランマンジェとは、どんなデザートなのか、パンナコッタとの違いなどを見ていきましょう。
目次
ブランマンジェはフランスのお菓子?
「ブランマンジェ」は、フランス語で「blanc manger」。「blanc」は「白い」、「manger」は「食べ物」という意味です。フランスのランドッグ地方やモンペリエで作られ、フランスではとてもポピュラーなデザートなのだそう。
しかし、ブランマンジェの発祥は諸説あり、フランスではなく中東が起源との説も。アーモンドと砂糖で作られた「アーモンドの豆腐」と呼ばれる料理が始まりだという説が有力です。それが7~8世紀にヨーロッパに伝わったとされています。
当時はデザートではなく、ブイヨンなどを加えて料理として食べられていたとか。ブランマンジェがデザートとして定着するのは19世紀ごろです。
パンナコッタとの違いは?
ブランマンジェと見た目が似ているデザート「パンナコッタ」。ブランマンジェとどう違うのか? それは「アーモンド」が使われているか、使われていないかです。
パンナコッタは、イタリア語で「panna cotta(生クリームを煮詰めたもの)」という意味です。生クリーム、牛乳、砂糖を熱してゼラチンで固めたもの。
ブランマンジェと材料もほとんど同じですが、ブランマンジェにはアーモンドミルクを使う、もしくは牛乳にアーモンドの香りがつけられています。
また、パンナコッタの方が生クリームの分量が多く、食感はブランマンジェよりも食感が固めのものが多いようです。
ブランマンジェの材料は?
本格的なブランマンジェのレシピでは、アーモンドミルクを使う、もしくは牛乳を沸騰させて砂糖とアーモンドスライスを入れ、アーモンドの香りをつけてから濾して作られます。そこへ生クリーム、ゼラチンを入れ、冷やし固めて作る方法が一般的。また、イギリスではコンスターチを使って固めて作られることが多いようです。
アーモンドミルクを使って作る本格ブランマンジェのレシピ
アーモンドミルクを使うと、簡単に本格的なブランマンジェを作ることができます。
アーモンドミルクを使用する際は液が分離しやすくなるため、作ったブランマンジェ液は冷蔵庫で固める前に、氷水で冷やすのがポイントです。では、用意するもの、材料、作り方を見ていきましょう。
材料・用意するもの
【材料(3~4個分)】
・アーモンドミルク(無糖)… 300ml
・生クリーム(脂肪分が高いものがおすすめ)… 100ml
・砂糖… 30g
・粉ゼラチン… 5g
・水(ゼラチンを溶かす用)… 大さじ2
【用意するもの】
・鍋
・ボウル
・ザルもしくは茶こし
・ヘラ
・氷水
作り方
1、ゼラチンを容器に入れて、水でふやかしておきます。
2、鍋にアーモンドミルク、生クリーム、砂糖を入れ弱火で加熱。
3、2の砂糖が溶けて、沸騰する手前で火から下ろします。
4、3が冷めないうちに、ふやかしたゼラチンを入れ、混ぜて溶かします。
5、4をザルもしくは茶こしで濾しながらボウルに移します。
6、別のボウルに氷水を用意。
7、ブランマンジェ液を氷水に当てながら、少しとろみが出るまで混ぜます。
8、とろみが出てきたら、容器に入れて冷蔵庫で3時間以上冷やせば完成です。
アーモンドスライスを使って作るレシピ
次はアーモンドスライスを使って作るレシピの紹介です。
アーモンドスライスを使うと、香ばしいアーモンドの香りと牛乳のまろやかな甘さが美味しいブランマンジェに。その際のポイントは、アーモンドスライスをローストするということです。しっかりとアーモンドの風味を引き出すことができます。
材料・用意するもの
【材料(3~4個分)】
・アーモンドスライス… 40g
・牛乳… 350ml
・生クリーム… 100ml
・砂糖… 30g
・粉ゼラチン… 5g
・水(ゼラチンを溶かす用)… 大さじ2
【用意するもの】
・オーブン
・クッキングシート
・鍋
・ボウル
・ザルもしくはこし器
・ヘラ
・氷水
作り方
1、アーモンドスライスは、クッキングシートを敷いた天板の上に広げ、170度のオーブンで7分間焼きます。軽く焼き色がつけばOK。
2、鍋に牛乳を入れ、中火にかけながらヘラで混ぜます。
3、軽く沸騰したら火を止めて、1のアーモンドスライスを入れ、再び中火で混ぜながら加熱。
4、軽く沸騰したら弱火にして、さらに約5分間混ぜながら煮ていきます。
5、4は鍋のふたして、火からおろして、しばらく冷ましておきます。
6、5の粗熱がとれたら、ザルもしくは、こし器でアーモンドスライスをしっかりと濾します。
7、鍋をきれいに洗い、再び6を鍋に戻し、そこに砂糖を加えて中火で加熱。
8、フツフツとしてきたら、火を止め、ふやかしておいたゼラチンを入れ、混ぜながら溶かします。
9、少し冷めたところで生クリームを加えてよく混ぜます。
10、ボウルに氷水を作り、鍋底を当てて混ぜながら、ある程度冷やしたら、ブランマンジェ液の完成です。
11、できたブランマンジェ液をこし器などで濾して器に入れ、冷蔵庫で3時間以上冷やせば、できあがりです!
ブランマンジェにはアングレーズソースを添えて
フランスでデザートに添えられる、カスタードのような味わいのソース、アングレーズソース。フランス語で「イギリス風のソース」という意味です。
フランスでは「クレームアングレーズ」と呼ばれ、ブランマンジェやアイスクリーム、焼き菓子やフルーツなど、デザートには、このアングレーズソースが添えてあることが多いです。
ブランマンジェをフランス流で楽しみたいとき、アングレーズソースを作って添えてみてはいかがでしょう? アングレーズソースの作り方を紹介していきます。
材料
・牛乳… 200ml
・バニラエッセンス… 2~3滴
・卵黄… 3個
・砂糖… 45g
・氷水
作り方
1、ボウルに卵黄と砂糖を入れ、白っぽくなるまでよく混ぜます。
2、鍋に牛乳を入れ、沸騰する直前まで加熱します。
3、牛乳を少し冷まして、1のボウルに卵が固まらないように、混ぜながら少しずつ入れていきます。
4、3を鍋に移し、弱火で加熱しながら混ぜます。
5、加熱しすぎると卵が固まるので、とろみがついたら火からおろします。
6、5はザルでこしながらボウルに移します。
7、ボウルに入れた氷水で6を冷やします。
8、最後にバニラエッセンスを加えて混ぜたら完成です。
本格ブランマンジェは自宅で作れる
ブランマンジェは自宅でも簡単に作ることができます。トロッとした食感で喉越しもよく、まろやかな味わいで食後のデザートにぴったり。またアーモンドミルクを消費したいときなどにもおすすめです。アーモンドの香ばしい香りと、優しい甘さのデザート、ブランマンジェの紹介でした。
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)