日本の焼肉店でも定番料理のひとつとして人気のあるクッパは、雑炊に似たスープ料理です。肉類の他、魚介で作る場合もあり、辛いものも、辛くないものもあります。数多い種類の中から、人気のメニューや、お家で作る時のポイントを確認していきましょう。
クッパレシピ
クッパはさまざまな具材を合わせたおいしい出汁と共に、お米をいただきます。ここでは、お子さんに食べやすい卵のクッパと、少し辛口のクッパ、2種類を作っていきます。
辛さは最後にトッピングする形で加えます。お好みで増減できるようにすると、ご家庭で皆さんが食べやすくなります。
卵のクッパ
ごくシンプルな卵のクッパを作りながら、手順を確認します。ご飯は煮込まず、最後に加えるので、具だくさんのお茶漬けに近い仕上がりです。お子さんにも食べやすく、優しい味のクッパです。
・材料
(2人分)
ご飯 お茶碗2杯分
鶏ひき肉 150g
卵 2個
たけのこの水煮 40g
にんじん 40g
ピーマン 1/2個
ネギ 1/4本
ごま油 小さじ1
しょうゆ 小さじ1/2
塩 少々
水 450㏄
鶏スープの素 小さじ2
大人向けには、おろしにんにく、糸とうがらし
・作り方
【1】たけのこを茹でこぼし、短冊切りにしてください。にんじんは細切り、ピーマンはごく細い輪切り、ネギは斜めに薄切りにカットしてください。
【2】鍋にごま油を入れて熱し、鶏ひき肉を加えて炒めます。全体に火がとおったら、しょうゆで香りをつけて、水を加えます。
そこに、鶏スープの素を加えます。(お使いの銘柄によって量は変化します。記載の量に従ってください)
【3】たけのこと、にんじんを加え、アクを取りながら5~8分ほど加熱します。
【4】塩を加えて味を整え、ピーマンとネギを加えて再度沸騰させます。
【5】最後に溶きほぐした卵を加え、火を止めてください。
【6】器にご飯を盛り付け、【5】のスープをかけて完成です。
コチュジャンとキムチのクッパ
キムチが食べられる年齢のお子さんなら、こちらを挑戦してみてください。キムチやコチュジャンはトッピングとして用いれば、調節ができます。具材がたっぷりのスープなので、辛みはさらに弱まり、旨味のあるスープとして食べることができます。
また、粉末調味料のダシダを使いますが、より馴染みのある味にする場合は野菜スープの素へ変更することもできるので、ご参考に。その場合は、お使いの商品の記載に従って調節してください。
・材料
(2人分)
ご飯 お茶碗2杯分
牛こま肉 120g
卵 2個
ごま油 小さじ1
にんじん 30g
ニラ 50g
青ネギ 少々
白ごま 少々
キムチ 50g
コチュジャン 少々
【スープ】
水 400㏄
ダシダ 小さじ2(または野菜スープの素)
酒 大さじ2
ごま油 大さじ1/2
塩 適量
・作り方
【1】牛こま肉は2㎝幅にカットします。にんじんは薄切りに、ニラは3㎝程度の幅にカットします。
【2】鍋にごま油を入れて熱してから、牛肉を炒めます。
【3】焼き色がついたら【スープ】の材料とにんじんを加え、10分程度加熱します。塩で味を調節してください。
【4】溶き卵、ニラを加えてひと煮立ちさせます。
【5】器にご飯を盛り付け、【4】のスープをかけてください。青ネギ、白ごま、コチュジャン、キムチをお好みでのせて完成です。
クッパとは
クッパは日本の雑炊よりも種類が多く、韓国では焼き肉よりもスープに重点が置かれることもあるとか。ご飯が入ることから、1品でも満足感を得られ、栄養も満点です。豊富なバリエーションをみていきます。
クッパとは、スープ+ご飯
スープを국(クク)、ご飯を밥(パプ)と表すことから、スープにご飯を入れたものを日本語では국밥(クッパ)と呼びます。チゲ鍋よりは具が少なくてスープに近く、焼肉屋さんでは、ビビンバや冷麺に次ぐ、最後の〆(しめ)として人気です。
クッパのバリエーションと具材
クッパに使われるスープは、数限りなくあります。その中から、ごく一部をみていきましょう。
・カルビタン(辛い味付け、またはあっさりした出汁ベースなど様々)
・ユッケジャン(牛肉に、山菜、ネギ、ニンニクなどを加えた辛口のもの)
・コムタン(牛骨をはじめ、ホルモンなどを煮出し、白濁したスープ)
・ソルロンタン(コムタンに比べ骨が多く、骨髄まで煮出したスープ)
・サムゲタン(鶏、朝鮮人参、ナツメ、もち米が具材)
・テグタン(魚のタラが具材)
タン(탕)は漢字で「湯」と書き、これもスープを指す単語です。これに、ご飯を入れてクッパとして食します。
朝鮮半島では高麗時代に蒙古からの「肉食文化」が伝来しました。肉部分を食べるだけでなく、さまざまな部位を使いながら多様なスープ料理へ発達を遂げたことが、現在のクッパの文化へとつながったそうです。
クッパスープの素
日本では煮干しやかつおぶし、昆布などから煮出す出汁が一般的です。この旨味成分は、インスタント化して調味料として商品化されましたが、韓国でもこの技術は導入され、「タシダ」「ミオン」「ミブン」「マンナ」などの商品名で普及しました。
ダシダ 牛肉だしの素
韓国料理をご家庭で作る際に欠かせない、旨味調味料です。本格的な味を作りたい時は、ぜひお使いください。
ダシダ 牛骨コムタンスープ
ポーションタイプの牛骨スープです。手間と時間を費やして作るコムタンスープが、使いやすく小分けされ、1人分から手軽に調理できます。
モランボン 焼肉屋直伝
3種類のクッパのアソートが購入できます。温めてから、ご飯を加えてお召し上がりください。
栄養が摂れるご飯料理、クッパ
韓国料理の中でも、「スープ」として人気の高いクッパは、おいしい出汁の味わえる「ご飯料理」でもありました。食べ慣れた優しい味で作っても良いし、キムチなどを加えて韓国風に味付けしてもおいしいです。
栄養分も多く、体が温まる食べ物です。ご家庭で作ってもごく簡単なので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)