山形・水戸・小田原の銘菓「のし梅」とは? 夏バテ防止にもピッタリの甘酸っぱいお菓子の魅力

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のし梅とは、梅をすりつぶし寒天に練りこんだものを薄くのしたお菓子。山形県の銘菓として知られるほか、茨城県水戸や小田原など、梅の産地でも名品として伝えられています。そんなのし梅の歴史や由来、作り方など、特徴を詳しくご紹介します。

のし梅とは

のし梅とは、梅を使った甘いお菓子。完熟した梅をすりつぶし、寒天に練りこんだものを薄くのして、乾燥させたものを竹皮で包んでいます。

場所・エリア

のし梅は、山形県の銘菓としてよく知られています。山形県は、さくらんぼ、ぶどう、すいかなどのさまざまな果物がとれるフルーツ王国で、梅も多く栽培されています。そんな梅を使ったお菓子として誕生し、今では山形県を代表するお菓子のひとつとして知られています。

また、茨城県水戸や神奈川県小田原、和歌山県など、他の梅の産地でも、同じようにのし梅が銘菓として伝えられています。これらは、山形県の製法が伝わったと言われています。

いつ、どんなときに食べる?

のし梅は、お茶うけやお酒のおつまみなど、一年を通してさまざまなシーンで食べられるお菓子ですが、特におすすめは暑い季節。梅の甘酸っぱさで、食欲が落ちているときでもさっぱり食べることができ、梅パワーで元気になると言われています。のし梅は常温で食べられるお菓子ですが、夏は冷蔵庫で冷やして食べるとさらにおいしいです。

歴史

山形県で“のし梅の元祖”として知られているのが、創業200年以上にもなる老舗和菓子屋の「乃し梅本舗 佐藤屋」。創業した1921年頃には、現在ののし梅の原型となるものが伝わっていたと言われています。その後、同店でのし梅の製造にとりくみ、試行錯誤のうえ現在のような形になったと言われています。

また、江戸時代には「山形熨斗梅」という記述が残されており、その当時からのし梅が広く愛されてきたと考えられています。

全国に鉄道網が発達するようになると、山形県ののし梅の技術も全国各地に広がり、梅の産地などを中心に各地で作られるようになったのです。

由来、言い伝え

のし梅はもともと、気絶したり気が遠くなったりした人に飲ませる「気付け薬」として伝わりました。山形県がもっとも栄えた1600年代、当時の山形藩主・最上義光公の主治医・小林玄端が、長崎での遊学の際に気付け薬として会得してきたと言われています。その後、食べやすい形へと発展していき、現在のようなお菓子になっていきました。

梅には、疲労回復や血行促進、食欲増進、整腸作用など、さまざまな効果があります。そんな梅の健康効果にあやかって、江戸時代には胃薬のような民間薬のひとつとしても食べられていたそうです。

のし梅の特徴

のし梅の特徴
梅の実

のし梅にはどんな特徴があるでしょうか?

特徴1:梅の甘酸っぱさがおいしい

のし梅の最大の特徴は、梅の豊かな風味。梅をメインの材料として使っているだけあり、口の中に香りが広がり、甘さと酸っぱさがバランスよく同居しています。

この甘酸っぱさが癖になるおいしさで、口の中をさっぱりとさせてくれる効果があります。ちょっと食欲がないときや元気がないときに食べると、不思議とパワーが出てくるかもしれません。

特徴2:もっちりとした食感も魅力

のし梅は、寒天を使って乾燥させて作られます。この工程により、独特のもっちりとした食感に仕上がります。

むにっとしたような食感も、のし梅の特徴のひとつ。これも一度食べ出すと止まらない、病みつきになる秘密でしょう。

特徴3:日持ちする

作る店舗によって異なりますが、のし梅はだいたい3か月ほど日持ちします。お菓子としては長く持つため、昔から手土産品にも使われていました。自宅でお茶うけなどとして常備してもいいでしょう。

特徴4:べっ甲のような美しさ

のし梅は透き通ったオレンジ色の見た目で、光にあたるとキラキラと輝いて、まるでべっ甲や宝石のよう。食べる前には、ぜひその美しさも楽しんでください。

特徴4:竹皮に包まれている

のし梅は、竹の皮で包まれているのも特徴です。作り方としては、完熟した梅をすりつぶし、寒天に練りこみ、それを薄くのして乾燥させたら、竹皮で包みます。

竹皮をはぐと、うっすらと竹皮の筋が美しい模様のようについています。これものし梅の上品な見た目を演出しています。

のし梅の食べ方

のし梅の食べ方
見た目も美しいのし梅

次に、のし梅の正しい食べ方をご紹介しましょう。

食べ方1:竹皮ごとハサミで切る

正しい食べ方は、竹皮に包まれたままの状態で、ハサミで小さく切る方法。本当は、竹皮をはがしてからハサミでカットしたほうが切りやすいのですが、竹皮の上から切れば、空気に触れさせないため、長持ちしやすくなります。食べたい分だけカットして、残りはビニール袋などに密封して保存しましょう。

食べ方2:冷やして食べる

のし梅のおすすめの食べ方は、冷やして食べる方法。常温でもおいしくいただけますが、冷蔵庫で冷やすと、さらにさっぱりと感じられます。

食べ方3:チーズと一緒に

梅とチーズは相性抜群。のし梅にチーズをあわせる食べ方もあります。スライスしたチーズにのし梅をのせれば、おしゃれなオードブル風の一品に。

室温でやわらかくしたクリームチーズに、適当な大きさにカットしたのし梅を混ぜれば、和洋折衷のデザートが完成。

食べ方4:デザートのトッピングに

その他、のし梅を細かく切ってバニラアイスの上にのせたり、パンケーキのトッピングにしたり、デザートに添えてもおいしいです。シャンパンやカクテルに添えてもいいでしょう。

のし梅の作り方

のし梅は和菓子屋さんで販売されているものですが、自宅で作ることもできます。簡単なのは、梅ジャムを使う方法です。

材料

  • 梅ジャム
  • 梅酒
  • 寒天
  • 水飴

作り方

  1. 寒天を一晩水につけておく
  2. 鍋に寒天と水を入れて火にかけ溶かし、砂糖を加える
  3. 別の鍋で水飴を弱火で溶かす
  4. 寒天液と水飴を混ぜ、煮詰める
  5. 梅ジャムと梅酒を加え、バットなどの容器に流す
  6. 固まったら包丁で切り分ける
  7. 竹の皮にのせて包んで完成

のし梅のおすすめ

通販で購入できるおすすめののし梅をご紹介します。

乃し梅本舗 佐藤屋 乃し梅

山形で1821年に創業した老舗「乃し梅本舗 佐藤屋」。のし梅をつくる元祖の店としても知られている存在です。山形の完熟梅など素材を活かし、昔ながらの製法を受け継いで、いまでも多くの人に愛されています。

水戸名物 のし梅

南高梅と豊後梅の2種類の完熟した国産梅をブレンドし、熟練の職人が丹精込めて美しい琥珀色に練り上げています。

玉屋総本店 のし梅

山形県にある玉屋総本店がつくるのし梅。お年玉袋のようなパッケージも、レトロな雰囲気で素敵。ちょっとした手土産などにも喜ばれそうです。

梅菓子4種詰合

のし梅のほか、甘酸っぱい梅あんをなめらかな求肥で包んだ「梅一途」、薄紅色の「梅ようかん」、水戸銘菓で知られる「水戸の梅」のセット。梅の香りを木箱に包んでおり、最上級のギフトセットです。

のし梅さん太郎

駄菓子ののし梅でおなじみの「のし梅さん太郎」。梅酢と梅肉エキスをブレンドしています。のし梅を気軽に味わうなら、こちらもおすすめです。

梅の風味を楽しんで

梅と砂糖、寒天、水飴だけのシンプルな材料で作られたのし梅。梅の産地のお菓子だけあり、梅の香りをたっぷり楽しめます。

甘酸っぱい味わいともっちりとした食感で、食べ出すと止まらなくなるおいしさ。そのまま食べる以外にも、チーズと一緒に食べたりデザートに添えたりと、さまざまな食べ方があります。ぜひ楽しんでみてくださいね。

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