植物性たんぱく質の代表といえば大豆です。中でも豆腐はさまざまな形に調理されて、大切に食べられてきました。そのまま湯豆腐や鍋物にしてもおいしいですが、しっかりと水切りをすると濃厚な味が味わえます。
豆レシピ
味噌やしょうゆの他、納豆菌による発酵を経た納豆、凍結乾燥させて凍み豆腐、高野豆腐など、私たちの暮らしには豆を加工した食材が豊富です。中でも豆腐と豆乳は、身近に手に入りやすい大豆製品の代表です。これらを用いて、食卓に取り入れやすい調理法を、確認していきましょう。
豆腐
豆乳に凝固剤を加えて固めたものが豆腐です。少し固めで大豆の味わいが強い「木綿豆腐」、柔らかい食感の「絹ごし豆腐」などの他、保存期間が長い「充填豆腐」もあるので、便利ですよね。
豆腐を崩して揚げたものは「がんもどき」で、精進料理として重要な食材です。京都では「ひろうす」と呼ばれて親しまれています。
豆腐の形を崩して作る「炒り豆腐」や「白和え」の他、寒天で寄せた「寄せ豆腐」に仕立てる地域もあります。
豆乳
茹でた大豆を絞り、こした後の液が「豆乳」です。大豆特有の青臭さがあるので、糖分や塩分を加えて飲みやすくした「調整豆乳」も販売されています。ただし、飲みすぎるとカロリー過多、肌荒れ、お腹の不調などの原因となるので、継続して少量ずつ摂取する心がけが大切です。
また、調理に使う場合は「無調整豆乳」を用いてください。
女性ホルモンに似た働き
大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンに似た作用があることがわかっています。生理不順を正す効果を期待できる他、更年期の女性に起こりがちな不調や、骨粗しょう症、関節痛などの改善効果も期待されます。
豆腐の水切り
しっかりと水気をきった豆腐は、味が濃厚になるだけでなく、固くなり扱いやすさも利点です。フライパンで焼いても、崩れることはありません。
最初に、豆腐調理の基本、水切りの方法から確認していきます。
水切りの仕方
豆腐ステーキの場合は特に、水分をしっかりと切ることで崩れを防ぎ、味を濃厚にします。ここでご紹介する重石をのせる水切りは、時間はかかりますが、豆腐のおいしさを損なわずに水が切れる方法です。
【1】厚さのある豆腐の場合は、半分の薄さにカットします。
【2】豆腐をペーパータオルや布巾などに包みます。この豆腐を、網や、ザルの上にのせてください。
冷ややっこなら、このまま15分程度の水切りでかまいません。
【3】豆腐ステーキや、揚げ出し豆腐を作る場合は、豆腐の上に、バットをのせて、さらに重石をのせます。
重石には、水を入れた器や、ペットボトルを使うと良いでしょう。1時間程度そのまま置くと半分の薄さになり、しっかりと水が抜けます。
電子レンジでの水切り
手軽なのは、やはり電子レンジによる水切りです。豆腐は加熱し過ぎるとスが入り、食感を損ねるため、ごく弱い加熱で様子をみながら進めてください。
【1】豆腐をペーパータオルや布巾などに包み、耐熱皿にのせます。
【2】600wで2分加熱してください。
【3】電子レンジから取り出し、もう一度水気を拭きとってから調理にお使いください。
豆腐ステーキにするには、水切りが足りませんが、和え物や、麻婆豆腐を作るなら、これで十分です。
豆腐ステーキ
よく水切りをした豆腐を焼いて、豆腐ステーキに仕上げます。濃厚な豆腐の味を味わえるよう、シンプルな「おかかしょうゆ」でいかがでしょうか?
また、豆腐ステーキは味付け次第でさまざまな食べ方ができます。肉味噌ソースをかけた「麻婆豆腐風」や、「甘辛味噌の田楽風」、「にんにくしょうゆがけ」など。ご家庭の万能食材となって活躍してくれます。
・材料
木綿豆腐 1丁
塩 小さじ1
おかか 適量
しょうゆ 適量
サラダ油 大さじ1
・作り方
【1】よく水切りした豆腐を4つ切りにし、塩を全体に振りかけます。
【2】温めたフライパンに油を入れて熱し、豆腐を焼いていきます。
【3】両面に焼き色がついたら取り出し、お皿に盛り付け、おかかしょうゆで仕上げてください。
豆腐料理の人気NO.1
豆腐を使った料理として、HugKum世代のご家庭から支持を集めるメニューといえば「豆腐ハンバーグ」です。水切りをした豆腐を用いて、具材と混ぜたら、あとは焼くだけ。簡単でおいしい作り方をみていきます。
豆腐ハンバーグ
お子さんも大好きな豆腐ハンバーグの作り方を確認しましょう。豆腐の割合を多めにすると、フワフワとした食感になります。ソースはポン酢の他、ケチャップソースなど、お好みで。
・材料
(2~3人分)
絹ごし豆腐 1丁(200g)
合いびき肉 100g
パン粉 大さじ6
マヨネーズ 大さじ1
塩 小さじ1/4
こしょう 少々
ポン酢 適量
サラダ油 小さじ1
・作り方
【1】水切りをした豆腐をポリ袋に入れ、合いびき肉、パン粉、マヨネーズ、塩、こしょうを加えてよく混ぜます。粘りが出るまで、よく混ぜてください。
【2】袋の端を切り、適量を手のひらに取り出します。両手でキャッチボールをするように空気を抜きながら、小判型に整えてください。残りのタネも同様に成型します。
【3】フライパンにサラダ油をひき、温めて【2】を焼きます。両面に焼き色がついたらフタをし、弱火にして7分程度弱火で焼いてください。その後、器に盛り付けます。
豆乳レシピ
豆乳を鍋ものに使う場合は、調味料に含まれる塩分、または加熱によって分離する性質があるので、最後に加えるのがコツです。また、イソフラボンを手軽に摂取できる豆乳は、こまめに取り入れる意識も大切です。
豆乳で作る鍋つゆ
豚肉、白菜、キノコ類など、具材はお好きなものを入れて楽しむ豆乳鍋のつゆです。豆腐、お揚げや厚揚げなどの大豆製品を入れると味がよく馴染んでおいしいですよ。
・材料
(2人分)
無調整豆乳 300g
味噌 大さじ3
【A】
水 300㏄
白だし 大さじ1
ごま油 大さじ1
砂糖 小さじ1
塩 適量
お好きな鍋の具材
・作り方
【1】鍋に【A】の材料を入れて煮立てます。
【2】お好きな具材を入れて、柔らかく煮ます。最後に味噌と豆乳を加えて仕上げてください。
ヘルシーな夕食におすすめ
豆腐は、満腹感が得ながら血糖値の急な上昇を抑える働きがあります。夜遅い夕食時には、ご飯の代わりに豆腐を多くしたメニューにすると、次の日も元気に活動ができますよ。おいしく調理して、ヘルシーな食生活に取り入れてくださいね。
こちらの記事もおすすめ
構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)