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掃除用洗剤ボトルや詰め替えパックのプラスチックごみは減らせる?
キッチンやお風呂、トイレなど、掃除用洗剤には場所や汚れによってさまざまな種類がありますよね。我が家も洗面台下の引き出しを開けると、何本もの洗剤ボトルが出てきます。買い足すたびにボトルや詰め替えパックがプラスチックごみとなりますし、ストックしておこうとすると、保管場所が足りないなと思っていました。
プラスチックを減らすアイデアを教えてもらいました!
買い物編に引きつづき、「プラなし生活」というサイトを運営しておられる、中嶋亮太さんと古賀陽子さんに、掃除で実践できるプラスチック削減アイデアを教えてもらいました。サイト「プラなし生活」では、プラスチックを「なるべく・出来るだけ」使わないアイデアを発信されています。
【身近なSDGs前編】買い物はこちら▼
家の汚れは重曹とクエン酸に任せよう!
プラなし生活さんによると、汚れの性質を知っていれば、専用の洗剤はほとんど不要なのだそう。
汚れには、酸性・アルカリ性の性質があり、クエン酸(酸性)と重曹(アルカリ性)を使い分けることで、汚れを中和して落とすことができます。この2つがあれば、家の汚れはずいぶんきれいになるそうです。
重曹とクエン酸は、スーパーやドラッグストア、100円ショップなどでも手軽に購入できます。
アイデア1 |キッチンの壁や床、コンロの油汚れには重曹スプレー
油が飛び散りやすいキッチンの壁や床、コンロには、重曹を使います。水200mlに対し重曹を小さじ1溶かし、スプレー容器に入れておけば汚れたときにササッと使えて便利!
- 1.スプレー容器に、重曹小さじ1、水200mlを溶かしておく。
- 2.汚れに重曹スプレーを吹きかけて5分置く。
- 3.濡らした古布で拭き取ると、汚れがゆるんでするんと拭き取れる。
※無塗装の木は重曹で変色するため、使わない
アイデア2|IHコンロの天板の焦げは研磨作用のある重曹を
すぐに焦げ付いてしまうIHコンロ。こちらは研磨作用もある重曹を使って汚れを落とします。長期間蓄積した焦げは簡単には落ちないので、こまめにお手入れするのがコツだそう。
- 1.焦げに重曹をふりかける
- 2.水で濡らしたアルミホイルか金たわしでこすり落とす
- 3.最後に古布かキッチンペーパーで拭き取る。軽い焦げなら5分ほどですっきり。
アイデア3|お風呂の鏡や蛇口の水垢にはクエン酸
水垢にはクエン酸を使います。こちらも重曹スプレーと同じで、水200mlに対しクエン酸小さじ1を溶かしたクエン酸スプレーを用意しておくと毎日の掃除で便利に使えます。
- 1.スプレー容器に、クエン酸小さじ1、水200mlを溶かしておく。
- 2.軽いものならクエン酸スプレーを吹きかけて5~10分置き、ブラシでこする。
- 3.落ちにくいときは、水垢にペーパータオルを被せ、クエン酸スプレーをして30分ほど置く。ブラシで磨いて洗い流し、最後は布で乾拭きするとピカピカに。
アイデア4|トイレはクエン酸と重曹を使い分けて
アンモニア汚れが中心のトイレはクエン酸が活躍。便器の黒ずみは重曹を使います。
- ・床、壁、便器のアンモニア汚れは、お風呂の項目でご紹介したクエン酸スプレーを使用し、古布で拭き上げる。
- ・便座の黄ばみは、クエン酸スプレーをしたキッチンペーパーでパックして30分放置。ブラシで磨くと良く落ちる。
- ・便器の中の黒ずみは重曹をふりかけてブラシでこする。
ライターが実践! IHコンロの焦げを重曹で取ってみます
まずはIHコンロの焦げを取ってみます。我が家は普段クリームタイプのクレンザーで掃除していますが、汚れが完全には取れずにいつもこんな状態です。
重曹をふりかけては、水をつけたアルミホイルでこすること30分。どうでしょうか!
長年の焦げのため完全に落とすことはできませんでしたが、重曹だけでこんなにしっかり落ちるとは驚きです。
お風呂の水垢にクエン酸パック
次に、我が家のお風呂の水栓の水垢を掃除してみます。
ペーパータオルを巻き付け、クエン酸スプレーをしてパックします。
30分経過後、ブラシでこすったのがこちら!
水垢がなくなり、撮影している筆者が写り込むほどピカピカに! シャワーヘッドやキッチンの水栓にもやってみたいと思います。
重曹とクエン酸だけであらゆる掃除ができて、収納場所もスッキリ
SNSでも重曹とクエン酸のうわさは前々から耳にしていましたが、きちんと汚れが落ちるのか正直半信半疑でした。実際に試してみて普段の掃除には申し分ないことが分かり、これから活用していこうと思います。
重曹とクエン酸を色んな場所の掃除に活用することで、詰め替えの手間やプラスチックごみが減るだけでなく、あれこれストックせずに済むので保管スペースやお金も節約できそうです♪
個人でできることは小さな一歩に見えますが、1人ひとりの方の小さな積み重ねが人の意識を変え、社会を変えていくのかなと思っています。プラなし生活さんの書籍やサイトでは、他にもたくさんのアイデアが掲載されていますので、こちらも是非参考にしてみてくださいね。
暮らしの図鑑 エコな毎日 プラスチックを減らすアイデア75×基礎知識×環境にやさしいモノ選びと暮らし方
記事監修
海洋プラスチック問題について研究をしている生物海洋学者の中嶋亮太さんと、メーカーの技術者として勤務後、子育てをしながらプラスチックフリーなヒントを探してサイトの運営をされている古賀陽子さんのお二人。環境問題を取り上げるメディアは多いものの、個人レベルで何をしたらよいかに応えるものがないと気づき、日本で実践しやすい試みを紹介するブログを立ち上げ、活動しています。
著書に『暮らしの図鑑 エコな毎日 プラスチックを減らすアイデア75×基礎知識×環境にやさしいモノ選びと暮らし方』(翔泳社)がある。
文/寒河江尚子