秋田名産【とんぶり】赤く揺れるコキアから採れるプチプチ・・・食べたことある? 「畑のキャビア」食べ方ガイド

見た目や食感がキャビアに似ていることから、「畑のキャビア」と呼ばれる、秋田の伝統食材をご存じでしょうか? それが、ホウキギから採れる「とんぶり」です。淡白な味ながら、プチプチとした食感が楽しめるので特産品として人気です。とんぶりとはどんな食材なのか、気になる情報を追いました。

紅葉が美しい「ホウキギ」、またの名を「コキア」と呼ばれる植物は、園芸用としてお庭に育つ姿をよく見かけます。この植物から採取する「とんぶり」は、独特の食感があっておいしいんですよ。扁平の、円形五角星の形をしており、三杯酢で口にすると、プチプチと音をたてて弾けます。レシピや、入手方法について、詳しくみていきましょう。

とんぶりレシピ

加工品のとんぶりなら、ご飯に振りかけるだけでも食べられます。トッピングとして、なんにでも合うクセのない味なんです。粒がバラバラしているので、粘り気のある食材と組み合わせると食べやすくなります。ネバネバ食材の中にプチプチ食感がマッチして、おいしいです。どんな食べ方ができるか、詳しくみていきましょう。

とんぶりの生姜和え

最初にごくシンプルな、おつまみに仕上げます。どんな味か、これで確かめてはいかがでしょうか? この食感、はまります。

・材料

とんぶり 35g
おろし生姜 少々
しょうゆ 適量

・作り方

【1】とんぶりを器に盛り付け、おろし生姜を添えます。

【2】上からしょうゆをかけ、よく混ぜてからお召し上がりください。

・ポイント

市販のとんぶりは、茹でた後、雑菌予防にクエン酸を加えているため、酸味が感じられます。そのままでも食べられますが、気になる場合は水洗いすると、さらに食べやすい味に。

納豆ととんぶりの和物

ネバネバ食材の、オクラ、なめこ、めかぶ、とろろなどもよく合います。それらを組み合わせて、トッピングするのも、おいしいですよ。

・材料

豆腐 1/2丁
納豆 1パック
ザーサイ 少々

とんぶり 35g

・作り方

【1】ザーサイを細かく切ります。

【2】【1】のザーサイ、納豆、添付のタレ、とんぶりをよく混ぜます。

【3】水切りをした豆腐の上にのせて、お召し上がりください。

とんぶりのサラダ

とんぶりは、青紫蘇ドレッシングや、オニオンドレッシングなどとも相性◎。食感にアクセントがつきます。

・材料

とんぶり 35g
生ハム 5枚
ベビーリーフ 適量
オリーブオイル 少々

・作り方

【1】ベビーリーフを洗い、水気をよく切ります。

【2】洗ったベビーリーフを器に盛り付け、生ハムをのせます。とんぶりをまんべんなく散らしてください。

【3】最後にオリーブオイルを回しかけます。

とんぶりのツナマヨバゲット

マヨネーズとの相性が良く、ツナマヨに混ぜると、サラダやサンドイッチの具としておすすめ。

・材料

とんぶり 35g
ツナ 70g
マヨネーズ 大さじ2
塩 適量
こしょう 適量

りんご 1/8個
バゲット 1/2本

・作り方

【1】りんごの皮をむき、薄くスライスして塩水に浸けます。引き上げて、水をふき取ってください。

バゲットはスライスして、トースターで焼きます。

【2】ボウルに、とんぶり、ツナ、マヨネーズを加えてよく和えます。塩、こしょうで味を整えてください。

【3】こんがりと焼いたバゲットの上に、スライスしたりんご、とんぶりのツナマヨをのせて、お召し上がりください。

とんぶりとかぼちゃのパスタ

クリーミーなかぼちゃのまろやかさに、とんぶりのプチプチがアクセントとなって、弾けます。

・材料

とんぶり 35g
ペンネ 80g
かぼちゃ 150g
クリームチーズ 30g
塩 小さじ1/4

パセリ 適量

・作り方

【1】ペンネは袋の表示通りに茹でて、ザルに上げます。

【2】かぼちゃはタネとワタをとってから、包丁で皮をむきます。ふんわりとラップをかけて、電子レンジ500wで3分30秒程度加熱します。

【3】かぼちゃをフォークなどで潰し、塩とクリームチーズを加えてよく混ぜます。

【4】ペンネとかぼちゃを和え、最後にとんぶりをまぶしてください。

とんぶりとコキア

古くから秋田県がとんぶりの名産地です。まん丸のコキアは観賞用としても可愛い植物ですが、食材が採れるとは意外ですよね。

コキアのタネ

コキアは、「ほうき草」「ホウキギ」とも呼ばれる一年草の植物です。まん丸の形に成長し、柔らかで清涼な葉が風に揺れる姿は、見ていると涼やかな気持ちになるものです。これは秋になると真っ赤な色に紅葉し、群生させると見事な風景を目にすることができます。

この、コキアの種が「とんぶり」です。
このコキアのタネが「とんぶり」です。

コキアからタネを収穫した後、乾燥させると箒(ほうき)を作ることもでき、生活にとても役立つ植物ですから、かつては日本各地で栽培されていました。今では、山形県大館市が主な生産地です。

収穫

収穫は、コキアの穂が赤く染まる秋です。10月~11月に、株ごと採取し、乾燥した後、叩いて果実を落とします。これを茹でてから瓶詰めなどに加工され、販売されます。

栄養

アンチエイジングで注目のサポニンは、とんぶりに含まれる栄養素のひとつです。活性酸素を取り除き、酸化する働きを抑えます。

また、100gのとんぶりには約5gのビタミンEが含まれます。こちらも、抗酸化作用の他、免疫活性作用が期待でき、お肌の老化防止が期待できそうです。

その他、不溶性食物繊維の多さから、便秘の解消にも期待が集まります。その量は、ごぼうよりも多く、100g当たり7.1gです。

漢方の分野では「地膚子(ぢぶし)」と呼ばれ、利尿作用を促す他、去痰剤(きょたんざい)や強壮剤として扱われてきました。

とんぶりってどこで買えるの?

「畑のキャビア」の他にも、「陸の数の子」なんて形用されるのが、とんぶりです。料理にプチプチ感を与えたい時に使える食材なので、覚えておくと色んな場面で使えます。

秋田県産とんぶり 500g

どっさり500gの業務用。辛子マヨネーズであえたり、わさび醤油で食べたり。トッピングで少量使用するのではなく、とんぶりをメインにたっぷり食べたいときにおすすめです。

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あきた北農業協同組合では、とんぶりの商品を生、真空パック、瓶詰めで販売しています。こちらの瓶詰めは、製造日より9か月の賞味期限で、最も長い保存ができます。

味に影響を与えない、とんぶり

お庭で可愛らしく揺れるコキアから収穫できるプチプチ食感のとんぶり。味に影響を与えず、食感に特徴がある食材ですから、使える場面は広いです。食べてみて、はまる方も多いかもしれません。ぜひ日常のレシピに取り入れてみてください。

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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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