ちくわの栄養価に注目!
まずはちくわの基本情報をおさえましょう。
ちくわってどんな食品?
ちくわは、魚肉のすり身を棒にぬりつけ、加熱した魚の加工食品。魚肉練り製品でもあります。ちくわの製造には、主に白身魚が使われます。タラやスケトウダラのような魚が一般的で、骨や皮を取り除いた後、細かくすり潰され、滑らかなペースト状になるまで練り込まれます。
ちくわの特徴的な棒状の形は、製造過程からきています。すり身は棒状の金属や竹の棒に巻きつけられ、その上で焼かれたり蒸されたりします。
ちくわ1本に含まれるタンパク質の量
ちくわ1本は、約30gです。ちくわ1本に含まれるタンパク質の量は、生ちくわの場合3.66g、焼きちくわの場合4.3gとなっています。これには水分の量が関係しており、タンパク質の絶対量が変わるわけではなく、重量に対する割合が変わるのが理由です。
このタンパク質の量が多いのか、少ないのかわからないという人もいるかもしれません。タンパク質の多いほかの食べ物とくらべてみましょう。
タンパク質の多い食べ物の一例とタンパク質の量は次のようになっています。
納豆1パック(40g) 6.6g
たまご1個(60g)6.3g
牛もも肉(100g)19.5g
こうして見ると、ちくわは上の食品に比べタンパク質の量に遜色はありません。ちくわは高タンパク質な食品といえるのがわかりますね。
そのほかの栄養素は?
焼きちくわ100gの栄養素は次のとおりです。(日本食品標準成分表2015年版【七訂】に記載されている栄養素)
・エネルギー:121kcal
・タンパク質:12.2g
・脂質:2.0g
・炭水化物:13.5g
・カルシウム:15mg
・鉄:1.0mg
・食塩相当量:2.1g
ちくわは脂質が少ないのもポイントです。ただし、食塩の量が多いという特徴があります。
タンパク質が子どもの成長に不可欠な理由
いまや、タンパク質が大ブームとなっています。タンパク質は、大人の身体にはもちろん、子どもの成長にも不可欠な栄養素です。なぜタンパク質が必要なのか、その理由を解説します。
タンパク質が子どもの体に果たす役割
そもそもタンパク質は、筋肉、内臓、血液、皮膚といった身体のあらゆる組織をつくる材料になる栄養素です。また、酵素やホルモンなどの身体の機能を調整する役割も担っています。
子どもの成長期は、健康な身体づくりをする大切な時期です。タンパク質が不足してしまうと、成長障害につながる恐れがあります。そのため、身体をつくるもととなるタンパク質は成長に欠かせないのです。
タンパク質の質と量、どうバランスを取る?
1日に必要とするタンパク質の量は、年齢や男女によって異なります。成人男性で60g、成人女性で50g、小学生では約30~50g、思春期では約55~65gのタンパク質が必要といわれています。これらの量を目安にして、タンパク質を摂取するようにしましょう。
タンパク質の摂り方のポイントは次のとおりです。
・毎食20g程度ずつ取り入れるようにする
・いろいろな食品からタンパク質を摂取する
・タンパク質を多く含む、肉、魚、卵、大豆製品をいくつか組み合わせる
・タンパク質を食事で取れない場合には、プロテインなどを活用する
ちくわの上手な選び方と保存方法
ちくわはさまざまな種類があります。ここでは、選び方のポイントや保存方法について解説します。
ちくわの種類と選び方のポイント
ちくわは「生ちくわ」と「焼ちくわ」の2つに分けられます。
生ちくわはまんべんなく焼き色がついていて、端が白く、主に生食に用いられます。一方の焼きちくわは、ぽつぽつと焼き色がついているタイプで、主に煮ものなどに使われます。
どのように調理するのかによって選ぶとよいでしょう。
正しいちくわの保存方法
ちくわは魚の加工品ではありますが、あまり日持ちがしません。買ってきたらすぐに冷蔵庫で保存しましょう。また封を開けたら、なるべくすぐに食べきるようにしてください。
ただし、ちくわを長く保存させる方法もあります。それは冷凍保存です。水分を拭き取って、ラップで1本ずつ包み、冷凍用保存袋に入れて保存しましょう。冷凍保存なら、1か月程度保存できます。使うときには、自然解凍してから使うとよいでしょう。
▼ほかにはこんな方法もおすすめ
アレルギー対応とちくわの活用法
ちくわは食べたいけれど、食物アレルギーが心配という方もいるでしょう。そこで、アレルギーに配慮したちくわの選び方を解説します。また、代替食品としてのちくわの活用法もご紹介します。
アレルギーに配慮したちくわ選び
一般的なちくわの原料に、卵白があります。また、原材料の魚はえび・かにを食べていることもあります。よって卵やえび・かにのアレルギーがあると、ちくわは食べられないということになってしまいます。
しかし、今では食物アレルギーに配慮したちくわが登場しており、そういったものを選べば安心して食べられます。ただし、パッケージに記載されている食物アレルギー物質に関する表示を必ず確認するようにしてください。
代替食品としてのちくわの利用
余ってしまいがちなちくわは、代替食品としても優秀です。ちくわの原材料は魚のすり身ですから、魚の代わりとして料理に使うことができます。また、お肉の代わりにもなります。
たとえばうなぎの代わりにちくわを使って蒲焼きにしたり、お肉の代わりにちくわで炒め物を作るなどがおすすめです。
ちくわを使った簡単&ヘルシーレシピ
ここでは、ちくわを使った、簡単でヘルシーなレシピを3つご紹介します。お昼ごはんや晩ごはんにどうぞ。
デコおでん鍋
ちくわにウィンナーを入れて食べごたえ、ボリュームアップ! 見た目もかわいいおでんはいかが。
◆材料(大人3~4人分)
【A】
白だし 1/2カップ
水 5カップ
薄口しょうゆ 大さじ1~2
※白だしの塩分によって変わるので味をみて調整する。
じゃがいも 3個
ちくわ 4本
ウインナー 8本
アスパラガス 4~5本
はんぺん 1枚
黒ごま 適量
焼きのり 適量
うずらの卵の水煮 6~8個
◆作り方
【1】 じゃがいもは皮をむき、一口大に切る。鍋に【A】とともに入れて煮る。
【2】ちくわは長さを半分に切り、穴にウインナーを詰める。はんぺんは三角に切り、のりを巻き、目の位置に楊枝で穴をあけ、黒ごまを入れる。
【3】じゃがいもに8割程度火が通ったら、【2】と、ハカマを除いて食べやすく切ったアスパラガスを入れて煮る。
【4】うずらの卵に横に切り込みを入れ、その下の白身をV字にカットし、黒ごまを目の位置に刺して鍋に入れ、煮る。
教えてくれたのは
ほりえさちこさん
栄養士、フードコーディネーター、飾り巻き寿司インストラクター1級。育児経験を生かした簡単で栄養バランスのとれた料理やかわいいレシピが人気。男の子のママ。
『ベビーブック』2018年2月号
ちくわのピザ風
なんと、ちくわがピザになっちゃった!タンパク質がたっぷり摂れるレシピです。
◆材料(大人2人+子ども2人分)
ちくわ 8本
ブロッコリー 1/2個
ツナ(缶詰) 1缶(80g)
マヨネーズ 大さじ2
ピザ用チーズ 50g
◆作り方
【1】ちくわは縦に半分に切り、クッキングシ ートの上にすき間なく並べる。
【2】ボウルに、ゆでて刻んだブロッコリー、ツナ、マヨネーズを加えて混ぜ合わせる。
【3】【1】に【2】をのせ、ピザ用チーズを散らし、オーブントースターの天板にのせ、5~7分焼く。
教えてくれたのは
マイティさん
節約料理研究家、日本ソムリエ協会認定ソムリエ。二人の女の子のママ。趣味の節約を生かしたブログ『1ケ月2万円の節約レシピ』が一躍人気に。料理以外にも公共料金の節約術なども、いろいろ公開。「レシピブログ」でも連載中。
『ベビーブック』2012年12月号
ネバトロ納豆そうめん
ちくわと納豆でタンパク質がたっぷり摂れるそうめんです。華やかな見た目も食欲をそそります。
◆材料(大人2人分+子ども2人分)
そうめん(乾) 250g
ひき割り納豆 4パック(120g)
細ちくわ 3本
オクラ 3本
ヤングコーン 4本
うずらのゆで卵 4個
【A】
めんつゆ(3倍濃縮タイプ) 1/2カップ
水 2カップ
刻みのり 適量
◆作り方
【1】オクラとヤングコーンはゆでて水にとる。ちくわにオクラを詰めて小口切りにする。ヤングコーンも小口切りにする。ゆで卵は半分に切る。納豆はよく混ぜる。
【2】そうめんは半分に折って表示に従ってゆでる。
【3】器に【2】を盛って【1】をのせ、混ぜ合わせた【A】をかけ、のりをあしらう。
教えてくれたのは
みないきぬこさん
女子栄養大学を卒業後、料理研究家のアシスタントを経て2007年独立。料理家、フードコーディネーターとして幅広い分野で活躍中。女の子のママ。
『めばえ』2014年8月号
ちくわでタンパク質を摂ろう!
ちくわはそのまま食べられ、料理やお弁当にも手軽に使える万能食材です。しかも高タンパク質、低カロリーなのも魅力です。ぜひ、食卓にちくわを手軽に取り入れてみてくださいね。
あなたにはこちらもおすすめ
記事監修
たけつな小児科クリニック