室戸キンメ丼とは?
「室戸キンメ丼」を知っていますか? 高知県の頭部に位置する室戸市のご当地グルメです。
室戸沖では脂がのった新鮮な金目鯛が多くとれます。室戸市を盛り上げるとともに、その美味しい金目鯛を広めようと、2012年に市内の飲食店で提供されるようになったのが「室戸キンメ丼」。室戸沖でとれた金目鯛を照り焼きしたもの、地魚の刺身が盛り付けられた贅沢な丼、さらに金目鯛のアラなどを使ってとった出汁がセットで出されます。
金目鯛の赤色が鮮やかで豪華な丼を食べるために、遠方からわざわざ足を運ぶ人も多くいるそう。
また、室戸市で美味しいキンメ丼が食べられる店を案内する地図で、金目鯛の形をしている「キンメマップ」というものも作られていて、その形がかわいいと大人気なんです。
室戸キンメ丼には細かいルールがある!
室戸キンメ丼には以下のルールがあるそう。これをすべてクリアしているものが「室戸キンメ丼」です。
・正式名称は「室戸キンメ丼」とする
・金目鯛は室戸沖でとれたものを使う
・ご飯の上には、「金目鯛の照り焼き」「地元でとれた魚の刺身」をのせる
・各店オリジナルの「金目鯛の出汁」をつけること
・具材は高知県産のものを使う
室戸キンメ丼のおすすめの食べ方とは?
地元の人がおすすめする室戸キンメ丼の食べ方があるそうです。
1、まずはお刺身をそのままいただく。
2、金目鯛の照り焼きをいただく。
3、最後に出汁をかけて、金目鯛出汁茶漬けとしていただく。
1つの丼で3種類もの食べ方が楽しめるんですね! 室戸市内にはキンメ丼を提供しているお店がいくつかあり、予約をしなくても食べられるところもあるようですが、予約してから行くのがおすすめだそう。室戸を訪れたらぜひ食べてみたいですね。
金目鯛ってどんな魚?
室戸キンメ丼に使われる金目鯛って、そもそもどんな魚なのでしょうか? 次は金目鯛について見ていきたいと思います。
金目鯛は鯛じゃない⁉︎
金目鯛は「鯛」という名前がついていますが、実はタイ科の魚ではないんです。キンメダイ目のキンメダイ科に属する深海魚。鮮やかな赤色の体(泳いでいるときは桜色)は、大きなもので50cmくらいになり、大きなギョロっとした目が特徴です。
味はクセがなく、うっすらと脂のっていて上品な甘さを感じます。最近では高級魚として広く知られていますよね。
室戸は金目鯛の漁獲高西日本1位
室戸市は金目鯛の漁獲高西日本1位を誇ります。金目鯛は深海に生息するため、漁場が遠いことがほとんど。しかし、室戸の海岸近くは複雑な地形をしていて、沿岸から近くても水深が深い漁場があり、そのため、金目鯛の鮮度を保ったまますぐに水揚げができるのです。
金目鯛の一般的な食べ方といえば「煮付け」ではないでしょうか。しかし新鮮な金目鯛を食べることができる室戸では、お刺身でも楽しむことができます。
室戸で漁れる金目鯛の旬はいつ?
年間を通して漁獲されますが、室戸沖の金目鯛の旬は12~2月と、6~7月の2回だといわれています。
最も脂がのっていて美味しいのは12~2月。また、産卵期に入る6~7月は、栄養を蓄えているため、身が大きく脂のりもよくて美味しいそうです。
自宅で「キンメ丼」を作ってみよう
室戸の金目鯛が手に入れば、いうことありませんが、スーパーなどで売られている魚で「キンメ丼」にチャレンジ。用意するのは、ご飯、金目鯛の照り焼き、お好みのお刺身、金目鯛の出汁とおすましです。では一緒に作ってみましょう。
お好みの刺身を用意
室戸沖で獲れる主な魚は、「ブリ」「カンパチ」「カツオ」「キハダマグロ」などです。お好みの刺身を用意してトッピングしてみてください。
金目鯛の照り焼きを作ろう
【材料(2人分)】
・金目鯛… 2切れ
・みりん… 大さじ1
・砂糖… 大さじ1
・酒… 大さじ1
・醤油… 大さじ3
・サラダ油… 適量
【作り方】
1、金目鯛はサッと水で洗い流し、水気を切って、食べやすい大きさにカットします、
2、ビニール袋にみりん、砂糖、酒、醤油を入れ、金目鯛を入れ、しばらく冷蔵庫で寝かせます。
3、フライパンにサラダ油を入れ、2を入れ、焼きます(漬けていたタレは捨てないでください)。
4、全ての面に焼き色がついたら、火を弱め、蓋をして中まで火を通します。
5、最後に漬けていたタレを入れ、絡めるように炒めたら完成です。
金目鯛の出汁とおすましを一気に作る
金目鯛のあらからは美味しい出汁がでます。室戸キンメ丼には、金目鯛のあら汁が出されることが多いようです。しかし、あらは下処理が必要。本記事では、家庭でも手軽にできる金目鯛の切り身を使ったおすましと、キンメ丼のシメにかける出汁を一気に作ってみました。
【材料(2人分)】
・金目鯛… 2切れ
・カツオと昆布の出汁… 800cc
・塩… 適量
・酒… 大さじ1.5
・白だし… 大さじ1
【作り方】
1、金目鯛を食べやすい大きさにカット。塩をふりかけて、出てきた水分を取り除きます。
2、1を魚焼きグリルで表面に焼き色がつくまで焼きます(完全に火が通らなくてもOK)。
3、鍋にカツオと昆布出汁、酒を入れ、一煮立ちさせます。
4、焼いた金目鯛を入れ、アクを取りながらもう一煮立ちさせます。
5、4に塩を入れて混ぜ、シメ用の出汁に400ccほど取り出します。
6、残ったものに白だしと塩を加えて味を調節したものは、おすましにして完成です。
盛り付けて完成
丼にご飯を盛り、きざみ海苔や大葉などを入れ、金目鯛の照り焼き、お好みの刺身、わさびをのせます。金目鯛のおすまし、出汁を添えて、自家製「キンメ丼」の完成!
照り焼きに刺身に出汁茶漬けに贅沢な室戸キンメ丼
室戸沖でとれた金目鯛の照り焼き、地元の新鮮な魚のお刺身、そして金目鯛の出汁を贅沢に味わえるのが「室戸キンメ丼」です。それを食べるために室戸を訪れたいくらいですね。
また自宅でも「キンメ丼」を作れるのか、チャレンジしてみました。室戸で食べられるような新鮮なものとまではいかないけれど、スーパーなどで美味しそうな金目鯛や鮮魚を見つけたらぜひ作ってみてください。お刺身はお好みの魚でオッケー。豪華な食卓で家族に喜ばれることでしょう。
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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)