愛媛銘菓とは
四国の北西部にある愛媛。瀬戸内海と宇和海の2つの海に面し、全長60㎞に及ぶ道路「しまなみ海道」で、広島県尾道市とつながっています。そんな愛媛には、どんなお菓子があるのでしょうか?
愛媛で地元の人から愛される銘菓を15個ご紹介します。
愛媛の代表的存在といえばこれ!│愛媛銘菓【定番編】
愛媛には、この地ならではのお菓子がいくつかあります。まずは、そんな定番のお菓子をご紹介します。
坊っちゃんだんご
3色が印象的な「坊っちゃんだんご」。緑(抹茶)、黄(卵)、茶(小豆)の3色のあんで柔らかい餅を包んでいます。
銘菓ポイント
夏目漱石が旧制松山中学に教論として赴任していた頃、道後温泉に行ったときに団子を食べたといわれています。夏目漱石の小説『坊ちゃん』にちなんで、このお菓子が誕生しました。
「坊っちゃんだんご」
愛媛銘菓のひとつで、ロングセラーのお菓子です。シンプルなのに癖になるおいしさがあります。
一六タルト
「一六タルト」とは、カステラ生地で餡を巻いたロールケーキのこと。愛媛県松山市で伝統的に親しまれているお菓子で、愛媛を代表するご当地スイーツです。
銘菓ポイント
「タルト」という名前が付いているのにロールケーキ。愛媛の「一六タルト」は、そんな不思議なネーミングのご当地メニューです。こしあんとやわらかなスポンジ生地の組み合わせが、絶妙なおいしさを生み出しています。
「一六タルト」
愛媛県産の柚子も使っているため、柚子の香りが心地よく漂います。
山田屋まんじゅう
慶応3年に創業した老舗和菓子店「山田屋まんじゅう」が、伝統的に作り続けている品。一口サイズで食べやすいおまんじゅうです。
銘菓ポイント
上質の小豆と、上品な白双糖(しろざらとう)を使用。昔ながらの秘伝の製法によって、丁寧に作り続けています。透き通るような皮に包まれた見た目は、芸術品のような美しさがあります。
「山田屋まんじゅう」
化粧箱や木箱入りもあり、贈答品としても利用されている銘菓です。
母恵夢(ポエム)
かつて「バター万十」の名前で発売されていたお菓子。和菓子の上品な味わいと、バターなどの洋菓子の原料の芳醇な風味がミックスされています。
銘菓ポイント
「母恵夢(ポエム)」が誕生したのは1950年。モダンな和菓子として評判を呼び、当時は高価だったにも関わらず、連日品切れになるほどの人気だったそうです。現在は愛媛銘菓として親しまれています。
「母恵夢(ポエム)」
バターの香りがただようやさしい味わい。小さなサイズの「ベビーポエム」もあります。
薄墨羊羹
北海道産小豆、高級糸寒天などを使い、伝統の製法で練り上げた羊羹です。
銘菓ポイント
かつて天武天皇の皇后が愛媛の道後温泉に湯治で訪れ、たちまち全快し、そのお礼に天皇が贈った名桜「薄墨桜」にちなんでできたお菓子です。現在は「薄墨羊羹」の名前で親しまれています。
「薄墨羊羹」
愛媛みかんのほか、小豆、抹茶、黒糖などの味が揃っています。
名産品をたっぷり使用│愛媛銘菓【みかん・柚子スイーツ編】
温暖な気候の愛媛では、みかんや柚子の栽培が盛んに行われています。そんな名産を使ったスイーツも見てみましょう。
まるごとみかん大福
名前の通り、みかんが丸々1個入った大福です。サイズにこだわり、何年もかけて大福に合うものを探しだしたのだそうです。
銘菓ポイント
宇和島・西宇和・八幡浜など、愛媛県でもおいしいといわれる南予のみかんを生産者から直接買い付けて使用しています。愛媛のみかんのおいしさを堪能できるお菓子です。
「まるごとみかん大福」
砂糖は海道産100%甜菜糖を、白手亡は北海道の契約農家のものを使用するこだわり。ダイナミックな見た目の大福です。
丸ごとみかんチーズケエキ
ミルク味のレアチーズケーキで、温州みかんを丸ごと一個包んでいます。地元産食材を使ったご当地スイーツとして人気です。
銘菓ポイント
温州みかんは、愛媛県八幡浜の小林果樹園のものを使用。牛乳は濃厚な四国カルスト牛乳を厳選使用しています。
「丸ごとみかんチーズケエキ」
愛媛の有名温泉地である道後温泉街で人気の品。冷凍や半解凍の状態で食べても、違った食感になっておすすめです。
紅まどんなタルト
「紅まどんな」は、愛媛で生まれたオリジナルの品種。そんな「紅まどんな」を輪切りにして、タルトの上にのせて焼き上げています。
銘菓ポイント
柑橘王国といわれる愛媛で、最高級品質を誇り、贈答品にも利用される「紅まどんな」。その豊かな香りとやさしい味わいを感じられるスイーツです。
「紅まどんなタルト」
タルト生地の中にはアーモンドクリームが入っており、その上に「紅まどんな」がのせられています。見た目にも華やかなタルトです。
ポンジュースもち
愛媛発のみかんジュースの代表格「ポンジュース」が餅になりました。中央に入っているクリームに「ポンジュース」が練り込まれています。
銘菓ポイント
全国区で知られる「ポンジュース」は、「日本一のジュースになるように」という思いが込められてて、「日本(ニッポン)」の「ポン」からつけられました。そんな「ポンジュース」を使ったお菓子です。
「ポンジュースもち」
「ポンジュース」と同じデザインが採用されているから、パッケージを見れば一目瞭然。気軽に楽しめる愛媛銘菓のひとつです。
みかん寒天ゼリー
愛媛県産みかんでできた、手作りのゼリー。使うみかんの品種や糖度によって材料の配分を調整しているため、ライン生産ではなく手作りにこだわっています。
銘菓ポイント
愛媛みかんの中でも、最高級三大ブランドを有する八幡浜産地。自然の恵みをたっぷり受けて育ったおいしいみかんを、そのまま食べているようなおいしさを感じられます。
「みかん寒天ゼリー」
使いやすいパウチ入りで、そのまま食べても、ヨーグルトやシリアルにプラスしてもOK。凍らせればみかんシャーベットとしてもいただけます。化学添加物不使用で、無着色・無香料です。
まだあるおすすめ!│愛媛銘菓【和菓子編】
愛媛銘菓はまだまだあります。ここでは、和菓子のおすすめ5品をご紹介します。
坂の上の雲
愛媛産の伊予柑とミルクをたっぷりあわせたあんを生地で包み、しっとり焼き上げたお菓子です。ひとつひとつ微妙にかたちが異なる、まるで雲のようなシルエットが特長です。
銘菓ポイント
松山を舞台にした、司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』をイメージして作られました。司馬遼太郎記念財団にも認定されています。
「坂の上の雲」
小説『坂の上の雲』は、松山に生まれた志を高く持つ若者3人を描いたストーリー。愛媛にちなんだ名作と一緒に、このお菓子にもぜひ注目してみては?
たぬきまんじゅう
「たぬきまんじゅう」は、じっくりと練り上げた粒あんを口どけの良いまろやかな桃山生地で包んだ饅頭。90年以上も愛媛で愛されています。
銘菓ポイント
愛媛県西条市にある大気味神社の大樹に住んでいたといわれるのが、喜左衛門という名の大狸。知恵比べで誰にも負けないといわれる、そんな伝説の狸にちなんで名前がつけられました。
「たぬきまんじゅう」
一口で食べられそうな小さめサイズです。「たぬき」は「他(た)を抜きんでる」ことから縁起がいいと、受験生などへの贈り物にもピッタリなのだそうです。
志ぐれ
「志ぐれ」は、やわらかく煮た小豆に米粉や餅粉を混ぜ、せいろで蒸したお菓子です。蒸し羊羹や外郎とも違う、もっちりとした独得の食感が人気です。
銘菓ポイント
「志ぐれ」を作るのは、愛媛大洲市で明治8年に創業した「冨永松栄堂」。大洲市内には11店舗がありますが、それぞれで製法が違うのが特長。同じ原料を使っていても、店によってできあがる「志ぐれ」の味が異なるのもまたユニークです。
「志ぐれ」
もっちりとした羊羹のような、不思議な食感の小豆菓子。小豆が好きな方は、ぜひ一度味わってみてください。
別子飴
「別子飴(べっしあめ)」とは、精選された水飴と乳製品に上白糖を主原料に、昔ながらの銅釜で水飴を炊き上げて作る飴。「別子」は愛媛にある日本三大銅山のひとつ、別子銅山からつけられています。
銘菓ポイント
愛媛県新居浜市にある「別子飴本舗」が、創業以来の製法を守りながら作っています。愛媛の特産であるみかん、お茶などの味をつけて、色とりどりのパッケージに包んでいます。
「別子飴」
レトロなパッケージは、昔なつかしさを感じられます。いちご・みかん・ピーナッツ・抹茶・ココア・珈琲などの味を楽しんでください。
栗きんとん
高知との県境にある奥伊予は、日本屈指の栗の産地。そこで栽培された良質の栗を使ったお菓子です。
銘菓ポイント
愛媛にある道の駅「きなはい屋しろかわ」で、さまざまな栗のお菓子が販売されています。このお菓子は、同店で人気の商品です。
「栗きんとん」
和栗の実を蒸して、砂糖を加え茶巾しぼりにしました。栗と砂糖だけのシンプルな材料で、栗本来の旨味をたっぷり味わえます。
愛媛銘菓を一度試してみて
温暖な瀬戸内海気候で、自然が豊か。本州にもアクセスしやすい愛媛は、道後温泉をはじめとする観光地としても人気の場所です。そんな愛媛には、ゆずやみかんといった特産品がたくさんあります。
愛媛を訪れたら、ここでご紹介した銘菓をぜひチェックしてみてください。また気になるお菓子を見つけたら、オンラインで注文してみるのもおすすめです。
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文・構成/HugKum編集部