食事の悩み、意外と椅子が原因かも?
子どもの食事の悩みとして「すぐに遊び食べをしてしまう」「集中して食べてくれない」「食べこぼしが多い」など聞くことがあります。よく話を聞いてみると足がつかない高い椅子に座って食べていることや、地べたに座って食べるなど安定しないであろう姿勢で食べている現状がありました。
安定した姿勢ではない状態での食事は、食べる意欲の減少や集中力の低下の原因にもなります。スムーズに食事を進めたいと思うのであれば、『正しい姿勢で食べられる』ように促していく必要も。正しい姿勢で食べるにはその時期に適した椅子選びも大切になってきます。
今回は3児の子どもを子育て中の現役保育士の私が
・なぜ正しい姿勢で食べることが大切なのか
・正しい姿勢を促すには
・どのような椅子選びをすれば良いのか
を解説します。
姿勢が良いこととよく食べることは関係があるの?
食べにくい姿勢で食事することは、子どもにとっては大きな負担にもなっています。食べにくい姿勢でいることで集中力が低下し食べる意欲が減る原因にも。どのような姿勢がよいのかというとポイントのひとつとして床に足の裏がしっかりとついていることです。
床に足の裏がしっかりとついていることで安定した姿勢になるだけではなく、噛む力もついてくると言われています。今、使っている椅子はきちんと足の裏がついているか確認してください。
座った時に膝が90度机の上に肘をおいた時に90度になる姿勢が食べやすい姿勢です。そしてお腹と机の間は握りこぶし1つ分空けるようにしましょう。正しい姿勢で食べることで集中力や意欲も増してきますよ。
椅子選びのポイント
ハイチェアー・ローチェアーは家庭の食事事情に合わせて使用すればどちらでも大丈夫です。椅子を選ぶ際は、座った際に足を床につけた時に膝が90度、机の上に肘を置いた際に90度の角度になるのがちょうどよいと言われているので、その高さになるものを選ぶようにしましょう。
もし足の裏がつかない・机の高さが高いなどあれば台を使って高さを調整してみてください。牛乳パックでも台が作れますよ。
まだお座りが安定していない時
保育士個人としては、体幹が安定していない間は、姿勢を安定させるために大人の膝に座って抱っこで食べることをオススメしています。まだ座れない状態で椅子を使用することによって姿勢がくずれ安定した状態で食べられないですし、体がしっかり支えられないことによる負担の大きさで食べることが嫌になってしまう恐れもあります。
ただ、子どもを支えながら食べさせにくい、しっかりと向き合って食べさせたいなど親御さんの思いもあるでしょう。どうしてもお子さんを座らせたいと思うのであればベビーラックなどしっかりと頭まで支えられるものを使用するようにしましょう。
歩行が安定したら椅子に座ってみよう
しっかりと歩行ができるようになれば安定して座れるようになります。歩行状態をみながら椅子に座って食事することに移行してみましょう。椅子に座るのは早くても安定して一定時間座れるようになってからにしてください。
椅子のタイプは?
椅子には
・ベビーラック
・ハイチェア
・ローチェア
とあります。ご家庭の状況に合わせて購入を検討しましょう。
ベビーラック
頭までしっかりと支えられるものを選ぶようにしましょう。
ハイチェア
もたれたりしないためにも肘置きがないものがオススメです。足を置くところがあるもの、位置を移動させられるものを選びましょう。
ローチェア
こちらも肘置きがないものをオススメします。足の裏がつかないなどの場合は台を使用しましょう
正しい姿勢で楽しく食事を
正しい姿勢に促すポイントや安定した姿勢になるための椅子えらびポイントについて紹介しました。お子さんが食べやすい環境作りをすることによって食事がスムーズに進むようになります。
最近では、様々な便利グッツも販売されていてまだ座位が安定していない状態でも座ることができる椅子もたくさん販売されています。しかし、まだ体がしっかりと安定していない時期に無理やり座らせるのは体に大きな負担にも。お子さんに合った椅子を選ぶことも大切ですが、きちんと座って食べられる状態であるのかも見極めるようにしましょう。
正しい姿勢で食べることは、集中力や意欲の向上だけではなくしっかりと噛む力もついてきます。小さな頃から姿勢よく食べることを伝えていきたいですね。
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文・構成/河原崎美香