栄養豊富な「レバー」を、安全においしく冷凍保存するためのベストメソッド。生から or 茹でてから、2タイプ紹介

レバーを冷凍する際に大切なのは、鮮度を高く保つことです。購入したら、できるだけ早く冷凍することを最優先にしてください。また、くさみを取るための下処理は完璧に。素早くできる手順とポイントを、わかりやすくまとめました。

レバニラ炒めや、唐揚げ、レバーペーストなどの料理には、くさみのない新鮮なレバーが不可欠です。下処理の手順や、調理しやすい保存方法をチェックして、栄養の宝庫ともいえるレバーをおいしく味わいましょう。リーズナブルな点も嬉しい素材です。ぜひ、育ち盛りのお子さん達が食べやすい一品に仕上げてください。

レバーの冷凍保存はできる?

上手に処理をすると、レバーのおいしさをキープしながら、冷凍保存ができます。

冷凍できるレバーとは

レバーを購入したら、できる限り早く冷凍することが大切です。そもそもの期限が1~2日と短いため、買ってきたその日のうちに下処理を済ませ、冷凍保存してください。また、冷凍後には中心部までしっかりと加熱することも大切です。

具体的な下処理と冷凍方法はこのあと詳しくみていきます。

レバーの種類

食用のレバーとは、一般的に鶏、豚、牛の肝臓を指します。

鶏レバー

鶏レバーは比較的くさみ、クセが少なく、食べやすい味。焼き鳥、ワイン煮込み、レバーペーストなど、女性に人気の料理も多数あります。貧血対策に役立つだけでなく、ビタミンB1や、葉酸も豊富です。

鶏レバー
鶏レバー

豚レバー

豚レバーはしっかりと加熱することが大切です。弾力があり、しっかりとした食感を生かしたレバニラ炒めや、甘辛煮などにして楽しみます。

豚レバーのブロック
豚レバーのブロック

牛レバー

牛レバーは他のレバーと比較して、ややくさみがあるため、下処理を丁寧に行う必要があります。やわらかい肉質と、旨味の強い味わいを生かし、揚げ物や、レバニラ炒め、焼き肉など、さまざまな味わいができます。

牛レバーの切り身
牛レバーの切り身

生レバーの下処理と冷凍方法

ここからは冷凍する手順を解説していきます。

下処理

レバーの下処理とは、水で洗い、流水にさらす工程のこと。この処理により血あいを取り除き、くさみを和らげます。

・鶏レバー

【1】鶏のレバーは、心臓であるハツと、肝臓のレバーが繫がっている場合があるので、切り離します。

【2】レバーは塊を2つに切り離し、それぞれ食べやすい大きさにカットしてください。

【3】ハツは中心で縦に切り分けます。切り分けたそれぞれの切片には、内側に血の塊があります。包丁の先を使ってきれいに取り除いてください。

【4】ボウルに水を溜め、その中でもみ洗いすると、さらに汚れがとれます。

【5】新しい水に替えたら、水道からの細い流水で、水の濁りがなくなるまでさらします。

【6】ペーパータオルで挟むようにして、しっかりと水気をふき取ります。

・豚、牛レバー

複雑な形をしている鶏のレバーに対し、豚と牛はツルッとした形状です。このふたつの扱い方は同様でかまいません。

また、レバー特有の風味が強いため、牛乳に浸してくさみ取りを行います。

【1】塊で購入した場合は、スライスしてください。白い塊は脂肪ですから、包丁で切り落とします。黒い塊は血合いです。これも、こそげ落としてください。

【2】ボウルに水を溜め、その中でもみ洗いします。汚れが落ちて、水が濁っていきます。

【3】新しい水に替えたら、水道からの細い流水で、水の濁りがなくなるまでさらしてください。

【4】ボウルに牛乳を注ぎ、ザルに上げたレバーを入れます。20分〜30分、冷蔵庫でねかせてくさみをとります。

【5】再度ザルに上げて、サッと洗い直してください。ペーパータオルで水気をふき取ります。

冷凍方法

冷凍方法はレバーの種類にこだわらず、薄く平らにすることが重要です。これで、急速に冷凍へと進みます。

【1】冷凍する際は、ラップの上にレバーを重ならないように薄く広げ、ピッチリと包んでください。フリーザーバッグにまとめます。

100g程度にまとめておくと、調理の際に便利です。
100g程度にまとめておくと、調理の際に便利です。

【2】金属製のバットにのせ、冷凍庫に入れます。一度入れたら3時間程度は、できるだけ扉は開けず、庫内を低温に保つように心がけて。

・ポイント

薄く広げて保存することで、冷凍・解凍の時間が早くなり、鮮度を保つことができます。

また、解凍時に凍ったままで調理ができる利点もあります。生焼けを防ぐためにも、薄切りを心がけます。

保存期限

保存期間は、冷凍庫で2〜3週間です。

解凍方法

冷凍保存後、調理する際のポイントをまとめました。

・煮物、揚げ物に使う場合

甘辛煮や、竜田揚げに使う場合は、凍ったまま調理しても問題ありません。冷たい煮汁に凍ったままのレバーを入れ、加熱しながら解凍します。最後に中までしっかり火が通っているか、確認してください。

・炒め物に使う場合

レバニラ炒めなどに使う場合は、凍ったままでは火が入りにくいため、半解凍してから使います。

冷凍庫から冷蔵庫へ移し、4時間程度で炒めものに使える柔らかさに。水分が出てきた場合は、キッチンペーパーでふき取ります。

電子レンジでの解凍は、熱が通り過ぎてしまうためおすすめしません。

茹でたレバーの冷凍方法

ここでは、茹でたレバーを味付けしてから冷凍する方法をご紹介します。レバーの保存には、濃いめの味付けが最適です。

材料

・レバー 200g
・しょうゆ 大さじ1

・フリーザーバッグ 1枚

冷凍方法

下処理を済ませたレバーを事前に茹でて保存するため、生焼けの心配がありません。

【1】レバーを熱湯で5分間茹でてください。

【2】ザルに上げて粗熱がとれたら、食べやすい大きさに切って、水気をしっかりとふき取ります。

【3】フリーザーバッグにしょうゆと共に入れ、よく絡め合わせます。

【4】空気を抜いて封をし、冷凍庫へ入れてください。

牛レバーの甘辛煮

冷凍保存した牛レバーを用いて、煮物にする工程をご覧ください。

・材料

(2〜3人分)

牛レバー 300g
しょうが 1片

ごま油 小さじ1

みりん 大さじ4
酒 大さじ4

しょうゆ 大さじ4
砂糖 大さじ2

オイスターソース 小さじ1
いりごま 大さじ1

・作り方

【1】フライパンにごま油を温め、冷凍庫から取り出したレバーを炒めます。

【2】酒とみりんを加えて煮立て、アルコールを飛ばします。

【3】砂糖、しょうゆ、千切りにしたしょうがを加えて10分程度煮ます。

【4】最後にオイスターソースを回しかけ、いりごまを振りかけてください。

保存期限

3~4週間の保存期限です。

栄養豊富で調理方法が幅広いレバー

レバーの冷凍保存についてみてきました。レバーというと扱いが難しそうな気がしますが、素早くしっかり洗うことさえ気をつければ、冷凍保存もできます。

価格がお手頃で、栄養豊富。また、調理法も多いので、お好きなメニューが見つかれば強力な助っ人となってくれることでしょう。

こちらの記事もおすすめ

馬肉のご当地、福島・会津若松風に「馬刺し」を食べるなら辛味噌が常識⁉ 噂の味噌ダレをご自宅でも
赤身肉で、柔らかくさっぱりした馬刺しは、新鮮さが命。魚や、鶏の刺身とは、一味違ったおいしさがあります。専門の取扱店や有名店から取り寄せる通販...

構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

編集部おすすめ

関連記事