ほうれん草は、購入した袋ごと保存しておくとすぐにしおれてしまいます。理由は、流通過程で水分不足となり、ほうれん草はすでに喉がカラカラの状態だからです。例えるなら、切り花に水を与えずに放置しているようなもの! 買ったらすぐに“水をあげる”これが、保存の基本テクニックです。
ほうれん草は常温で保存してもいい?
切り花を買ってきたとき、水につける前に根の方を少し切ると長持ちしますよね。ほうれん草も同じ方法で、水につけておけば常温保存が可能です。
まず、根っこに十字の切り込みを入れます。花瓶(ペットボトルでも大丈夫)に水を注いでほうれん草を入れ、風通しのいい涼しい場所に置きましょう。後は、水を毎日、取り換えてあげるだけ! この方法で、4~5日は常温保存できます。使う分だけ花瓶から取り出せばいいので手軽です♪
ほうれん草の冷蔵保存方法
ほうれん草を袋のまま保存していると、あっという間に乾燥してしまいます。冷蔵保存の場合もキーワードは、“水分”です。これから正しい冷蔵保存の仕方をご紹介します。
生のまま保存する
ほうれん草などの葉野菜を生の状態で冷蔵保存する時は、最初に水を十分吸収させること。ボウルなどに水をはり、ほうれん草を5~10分程度水にさらしてあげましょう。あまり長く水につけるとビタミンCが流失してしまうので、ほどほどに。
生のほうれん草のポイントは、「水分」と「呼吸」
きちんとほうれん草に「水分」を吸わせたら、ある程度水切りをします(水分が多すぎると腐りやすいため)。次に「呼吸」できる環境を作ってあげるのが大事なんです!
ポリ袋にほうれん草を入れて、すべてを密閉しないこと。一か所だけテープでとめて、ほうれん草が呼吸できる状態にしてあげます。冷蔵庫の野菜室で立てて保存しましょう。
生のほうれん草の保存期間
上記の通り「水分」と「呼吸」を確保していれば、生のままでも冷蔵庫の野菜室で約1週間は保存することができます。
茹でたほうれん草の保存
ほうれん草はアクが強いため、食べる時は茹でたり、加熱してから使うのが一般的。そのため、事前に茹でてから保存しておくと便利です。
茹でる時のポイントは「芯を残す」
沸騰させた湯に塩を加えて芯が残る程度に固めに茹でます。茹で時間は、だいたい20~30秒が目安です。
茹でた後は、余熱で火が入るのを防ぐため、冷水にさらして水けをしっかり絞ります。
適当な長さに切り分けておきましょう。
茹でたほうれん草の保存期間
保存用のタッパーなどに入れて冷蔵庫で保存。3~4日は、美味しく食べることができます。
おひたしにして保存
おひたしの場合は、出汁など水分を加えているため傷みやすくなります。食感も変わってきてしまうため、冷蔵庫で2~3日の間に食べ切るのがおすすめです。
ほうれん草の冷凍保存方法
ほうれん草を冷凍すると、栄養素はどうなるのでしょうか。ある実験結果では、冷蔵庫で生のまま冷凍した場合と茹でてから冷凍保存した場合とでは、栄養素の損失で歴然とした差が出たそうです。
冷凍ほうれん草の栄養素は、失われにくい?
ほうれん草には豊富なビタミンCが含まれていますが、冷蔵庫で生のまま1週間保存した場合と、茹でてから冷凍保存した場合とでは、損失量にかなりの違いがありました。冷蔵庫では70%もビタミンCが損失したのに比べ、茹でた後に冷凍保存した場合は、数か月間ほぼ変わらなかったというのです。
栄養素を残すという意味では、少しひと手間ですが、茹でてから冷凍保存した方がよさそうですね。
ほうれん草の冷凍保存のやり方
茹でたほうれん草は、前出の茹で方を参考に茹で水気をきちんと絞ってから小分けにします。それぞれラップに包んでから、冷凍用保存袋に入れて保存します。
冷凍ほうれん草の保存期間
茹でてから冷凍保存した場合で、約1か月は冷凍保存が可能です。
おいしく食べる解凍方法
茹でて冷凍保存したほうれん草は、食べる前日に冷蔵庫に移して自然解凍してから使いましょう。すぐに使いたい場合は、ボウルに入れて流水をかけると早く解凍することができます。
ほうれん草は鮮度が命! 栄養素を余すことなく閉じ込めて、冷凍解凍後もおいしくいただきましょう。
撮影・文/川越光笑(たべものライター・発酵食スペシャリスト)
保存したほうれん草で作るアレンジレシピ
【1】柿とほうれん草のごま和え
秋にぴったり!熟した柿がとろ~りとおいしいく、緑とオレンジのコントラストがきれいなおかずです。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
柿 1個
ほうれん草 1/2束
【A】
すり白ごま 大さじ2
しょうゆ 大さじ2
砂糖 大さじ2
◆作り方
【1】柿は皮をむき、7mm角に切る。ほうれん草は耐熱容器に並べてラップをかけ、電子レンジで2分ほど加熱する。粗熱がとれたら水けを絞り、2cm長さに切る。
【2】ボウルに【A】を合わせてよく混ぜ、【1】を加えて和える。
※電子レンジの加熱時間は、600Wの場合の目安です。
教えてくれたのは
鈴木薫さん
シンプルで、おいしくて、センスのいいレシピが人気。双子の女の子と男の子のママ。
『めばえ』2013年11月号
【2】ほうれん草のおひたし
基本のおひたしは、しょうゆ洗いがスッキリ味つけのコツ!シンプルですが、子供は意外にもたくさん食べてくれます。
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
ほうれん草 100g
もやし 50g
塩 少々
しょうゆ 小さじ1
【A】
水 大さじ4
和風だしの素 少々
しょうゆ 小さじ1
みりん 小さじ1
酒 小さじ1
◆作り方
【1】ほうれん草は根元の泥を流水でしっかり洗う。
【2】熱湯に塩を加え、【1】の根元を入れて30秒ほどおき、葉を入れてサッとゆで、冷水にとる(色止め=冷水にとることで色を鮮やかにする)。
【3】水けを軽く絞って、巻きすの上に互い違いにのせ、しょうゆを全体にふり、巻きすで巻いて水けを絞る(しょうゆ洗い=余分な水けを除き、下味をつける効果がある)。根元をそろえて4~5cmの長さに切る。
【4】もやしはサッと洗って、ひげ根を取り、熱湯でサッとゆでて、ざるにとる。
【5】鍋に【A】を入れて煮立てる(だし割りしょうゆ=しょうゆの味をやわらげるのと同時にうまみを加えるため、薄味でもおいしく仕上がる)。
【6】【3】の水けを再度絞って、【4】とともに【5】に入れ、15分ほど浸す。
*かつお節をのせても。
◆ポイント
ゆでたほうれん草を互い違いに巻きすにのせ、しょうゆを全体にふる。
巻きすで巻いて、ギュッと絞る。
教えてくれたのは
ABC Cooking Studioさん
ABC Cooking Studioは、初心者の方にもおすすめの、料理・パン・ケーキ作りが楽しく学べる女性専用の料理教室です。少人数レッスン、復習にも最適なイラストレシピ、 HPや携帯からの予約など、システムが充実。入会金不要、1回完結の「1dayレッスン」や授業の雰囲気を体験できる「体験レッスン」を毎日開催しています。
『ベビーブック』2012年9月号
構成/HugKum編集部