建築やコーデでもお馴染み「和洋折衷」の語源知ってる? 意味や使い方、関連語までを解説!

「日本風と外国風の様式を程よく混ぜること」を意味する『和洋折衷』。ファッションコーデや建築、料理など、さまざまなシーンで耳にする言葉ですが、いつ頃から、どのように使われるようになったのでしょうか。今回は、その『和洋折衷』の意味や語源、使い方、関連語までを一挙に解説していきます。

「和洋折衷」とは?

まずは、『和洋折衷』の読み方や意味をおさらいしておきましょう。

読み方と意味

この言葉は『和洋折衷』と書いて、「わようせっちゅう」と読みます。冒頭でも述べたとおり、「日本風と外国風の様式を程よく混ぜること」を意味します。

「日本と外国のこと」を指す『和洋』と、「2つ以上の物から良いところを取り、ひとつに合わせること」を意味する『折衷』が組み合わせられた言葉です。

「和洋」の「洋」と聞くと、主に西洋方面の国をイメージしやすいですが、以下に記した経緯が由来にあることから、あくまでも「日本以外の外国を指す」と解釈される場合もあるようです。

由来・語源

『和洋折衷』の由来は、幕末の朱子学者だった斎藤拙堂(さいとうせつどう)が、『和漢洋』を唱えたことにあるとされています。『和漢洋』とは、日本・中国・西洋の文化や技術、知識を折衷しながら、より優れたものを生み出そうという考え方のこと。

明治時代に入って西洋の文化を取り入れた建築物が流行したことから、『和洋折衷』に言葉が変わり、「日本風と外国風の様式を程よく混ぜること」を意味するものとして、現在でも広く使われるようになったと考えられています。

歴史的に重要とされる「和洋折衷建築」。「国宝」に指定されたものも!

『和洋折衷』という言葉はさまざまな分野に用いられますが、特に使われやすいのが、建築や料理、服などです。
中でも、明治維新後に流行した「和洋折衷建築」は、今現在でも残っている建築物もあり、歴史的に重要なものとされています。

代表的な「和洋折衷建築」としては、東京の三井組ハウス(1872年建造)や長野県の旧開智学校(1876年建造)、札幌の清華亭(1881年建造)などが挙げられ、なかでも、旧開智学校校舎は、2019年に国宝にも指定されました。

旧開智学校校舎

使い方を例文でチェック!

ここからは、『和洋折衷』の具体的な使い方を例文を通してチェックしていきましょう。

1:あの店は、和菓子に生クリームを合わせた【和洋折衷】のスイーツで話題を集めた。

こちらは、料理の分野で『和洋折衷』を使った例文。和風の伝統的な食材に西洋の味覚を組み合わせたものって、身近にたくさんありますよね。

創作的なものの他にも、すき焼きやカレー、とんかつ、コロッケ、肉じゃがのような親しみのある料理も、代表的な「和洋折衷料理」とされています。

2:西洋風の建築に、和風の家具や装飾を組み合わせたこの建物には、【和洋折衷】の趣がある。

こちらは『和洋折衷』を建築の分野で使った例文です。このように、「和洋折衷の趣」といった使われ方をすることも珍しくありません。

3:卒業式で定番の、袴とブーツを合わせる【和洋折衷】のコーディネートは明治時代に発祥したらしい。

こちらは、『和洋折衷』をファッションの分野で用いた例文です。最近では、「和洋折衷コーデ」なんて言い方がされることもありますね。

類語や言い換え表現は?

『和洋折衷』にはどのような類語や言い換え表現があるのでしょうか。こちらも合わせてチェックしておきましょう。

1:和魂漢才(わこんかんさい)

『和魂漢才』とは、「日本の伝統を保ちつつ、中国の学問を取り入れること」を意味する、日本の思想史上の言葉のひとつです。『和魂』は「日本固有の精神」を指し、『漢才』は「中国の学問」を意味します。

『和洋折衷』よりも、日本と中国に範囲が狭められており、より精神的な部分に焦点があてられていますが、日本と異国の良いところを組み合わせる点において、『和洋折衷』と似た意味を持つ言葉と言えます。

2:和魂洋才(わこんようさい)

『和魂漢才』の「漢」が「洋」に入れ替わった『和魂洋才』は、「日本の伝統を保ちつつ、西洋の学問を取り入れること」を意味する言葉です。『和魂漢才』からの派生語として知られています。

対義語は?

『和洋折衷』には、明確に対となる言葉が存在しません。ここでは、『和洋折衷』の反対に近いニュアンスを持つ言葉をさがしてみました。

1:純和風(じゅんわふう)

純粋の「純」と「和風」が組み合わせられた『純和風』という言葉。「外国からの文化や慣習が混ざっていない、生粋の和風もの」といった意味合いで使われます。日本風と外国風の様式が混ざった『和洋折衷』とは反対の意味を持つ言葉と言えるのではないでしょうか。

2:万世一系(ばんせいいっけい)

『万世一系』とは、「永久にひとつの血統・血筋が続くこと」を指す言葉です。基本的には、皇室・皇統(天皇の血筋)についての話題で使われます。「さまざまな様式が入り混じること」を指す『和洋折衷』とは、少々焦点がずれますが、反対に近い意味を持つ言葉としてご紹介してみました。

英語表現は?

『和洋折衷』は英語でも言い表すことができる言葉です。最後に、『和洋折衷』の英語表現を学んでおきましょう。

1:a semi foreign style.

“a semi foreign style”とは、「半海外様式」のように直訳できる言葉です。主に、日本における『和洋折衷』なものを指す際に使うことができます。

2:Japanese Hybrid Style

『和洋折衷』は英語で“Japanese Hybrid Style”と訳されることもあります。直訳すると、「日本混合様式」といったニュアンスのある言葉です。

“a semi foreign style”とは逆に、基本的には、海外の視点から『和洋折衷』を言い表す際に使われる言葉と言えます。

3:blending of Western and Japanese styles.

“blending of Western and Japanese styles.”は「西洋と日本の様式が混じった」と直訳でき、一般的にも使われやすい英語表現です。“blend of”を“cross of”などに入れ替えて使うこともあるようです。

身の回りの『和洋折衷』を探してみよう!

今回は、『和洋折衷』の意味や語源、使い方、関連語をご紹介してきました。

さまざまな国の文化をとり入れながら発展してきた日本。少し目を向けてみるだけでも、身の回りにも多くの『和洋折衷』が潜んでいることに気が付きますね。これを機に、ぜひ身近な『和洋折衷』を探してみては。

あなたにはこちらもおすすめ

文明開化とは?日本の何が変わった? 伝統的な日本文化から急速に近代化へ【親子で歴史を学ぶ】
文明開化とは? 文明開化は、明治時代前半に、日本が近代化する過程で起こった社会現象を表す言葉です。言葉の由来や、当時の人々がどのようなニュ...

文・構成/羽吹理美

編集部おすすめ

関連記事