日本の「税金」は50種類⁉ 分類と使い道、課税方法について調べてみた【親子で学ぶ現代社会】

税金にはどのような種類があるのかをご存じでしょうか? 個人が納める税金は、消費税や所得税だけではありません。物を所有したり、船や飛行機で出国したりする際にも税金が課せられます。税金の種類・使い道・分類方法など、税金の基本について解説します。

税金の種類はどのくらいあるの?

「税金」は身近なものですが、種類がどのくらいあるのかを知らない人は多いでしょう。税金の仕組みや使い道などを通じて、税金に詳しくなりましょう。

日本の税金はおよそ50種類

日本にはおよそ50種類の税金があり、それぞれ「国に納める税金」「県に納める税金」「市町村に納める税金」に分かれています。

なぜこれほど種類が多いのかと、驚いた人も多いでしょう。税金の種類が多い理由は、特定の人だけが税の重みを感じないようにするためです。もし、税金が事業税だけであれば、事業をしている人にだけ負担が集中してしまいます。

日本国憲法第30条にもあるように、納税は国民の義務です。税金は社会を支えるための「会費」のようなものであり、全ての国民から分け隔てなく集める必要があるのです。

税金が暮らしを支えている

国民から集められた税金は、国や地方公共団体(都道府県・市町村)によって、社会保障や公共事業などに使われます。社会保障とは、年金・医療・介護・子育てなどに関する公的サービスのことです。

例えば病院では、保険証があれば支払う金額はかかった医療費の1~3割で済みます。これは私たちが納めた税金が、医療費の一部に充てられているためです。

公共事業では、公共施設や公共サービスに税金が使われています。公園や図書館を無料で利用できるのも、税金のおかげといえるでしょう。税金がなければ、安全で豊かに暮らせる環境が整備されず、さまざまな困りごとが生じます。

税金を分類してみよう!

およそ50種類の税金は、「課税主体」「納め方」「使い道」「課税対象」で分類できます。どのように分類されているのかを知ると、税金への理解がもっと深まるでしょう。

課税主体で分類

課税主体(税金を納める先)で分類すると、税金は「国税」と「地方税」に分かれます。

国税:国に納める税金
地方税:地方公共団体に納める税金

国税は、国の財政を支える税金です。代表的なものには、所得税・法人税・相続税・贈与税・消費税・酒税・復興特別所得税などがあります。

地方税は、地方公共団体の財政を支える税金で、道府県に納める「道府県税(東京都は都税)と市町村に納める「市町村税(東京23区では都税または区税)」に分かれます。住民税・事業税・不動産取得税・固定資産税・自動車税などが代表的です。

税金の納め方で分類

税金は納める方法によって、「直接税」と「間接税」に分類できます。税金を納める義務がある人は「納税者」、税金を負担する人は「担税者(たんぜいしゃ)」と呼ばれます。

直接税:納税者と担税者が一致する
間接税:納税者と担税者が異なる

直接税は、納税者と担税者が同じです。代表的なものには、所得税・住民税・固定資産税・相続税などがあります。

間接税は、担税者が納税者を通じて納税するのが特徴です。主な間接税には、消費税・酒税・たばこ税などがあります。

消費税を例に挙げると、スーパーでは消費税分を上乗せして商品を販売します。消費者は商品の購入時に税金を負担しますが、実際に納税するのはスーパーを営む事業者です。

税金の使い道で分類

税金の使い道で見ると、「普通税」と「目的税」に分類できます。

普通税:使い道を特定しないもの
目的税:使い道を特定しているもの

大部分の税金は、普通税です。国や地方公共団体の「一般経費」に充当され、さまざまな用途に使われます。目的税は、特定の費用に充てるために課税されるものです。

例えば市町村に納める「都市計画税」は、都市計画事業や土地区画整理事業に使われます。ほかには温泉などの利用者が支払う「入湯税(にゅうとうぜい)」や、国民健康保険の加入者が支払う「国民健康保険税」などがあります。

課税対象で分類

課税対象による分類とは、税の負担をどのような経済活動に求めているかを示したものです。「何に対する税金なのか」で見ると、以下の三つに分類できます。

所得課税:個人・企業の所得に課税
消費課税:物の消費・サービスの提供に課税
資産課税:資産の保有・取得に課税

所得課税の「所得」とは、個人や企業が得た「もうけ」のことです。主な所得課税には、所得税・法人税・住民税・事業税などがあります。

消費課税は、物やサービスの「消費」に関する税金です。消費税・酒税・たばこ税・石油ガス税・ゴルフ場利用税などが該当します。

資産課税は、個人や法人の「資産」に関する税金で、相続税・贈与税・不動産取得税・固定資産税などが代表的です。

個人の仕事に関する税金

ここからは、私たちに関係性の深い税金をピックアップして解説します。まずは、「個人の仕事」に関する税金をチェックしましょう。

所得税

所得税は、個人の所得にかかる税金です。所得とは、1年間に得た収入から「経費」を差し引いた金額を指します。会社から給与をもらっている会社員の場合は、給与収入から「給与所得控除」を差し引いたものが所得です。

所得税は、所得に税率を掛けて計算します。税率は一律ではなく、所得が多い人ほど多くの税金を納めなければならない仕組みです。納税方法は、自分で税金を計算して税務署に申告する「確定申告」と、事業者を通して税金を納める「源泉徴収」の2パターンです。

また、会社の所得に対しては、所得税の代わりに「法人税」が課されることも覚えておきましょう。

個人事業税

個人事業税とは、個人で事業をしている人が納める税金です。事業を営む人は、行政からさまざまなサービスを受けているため、行政の一部費用を事業税として負担する必要があります。

「事業」とは、利益を得ることを目的に、組織や商店などを運営することです。従業員として会社で働くことは事業には当たりません。

ただし、全ての事業者に納税義務があるわけではなく、「課税対象となる事業の種類」と「税率」が決まっています。なお、事業を行う全ての法人には「法人事業税」が課せられます。

暮らしに関する税金

「暮らし」に関する税金には、「個人住民税」「固定資産税」「消費税」「自動車税・軽自動車税」などがあります。多くの人が納めなければならない税金であるため、特徴をしっかりと把握しましょう。

個人住民税

個人住民税は、その市町村(都道府県)に住んでいる個人に課せられます。法律上、個人住民税という名称の税金はなく、「道府県民税(東京都は都民税)」と「市町村民税(東京23区では特別区民税)」を合わせた通称にすぎません。

道府県民税と市町村民税には、それぞれ「均等割」と「所得割」が設けられており、税収は地方公共団体の財源になります。

●均等割:所得額にかかわらず一定の負担を求めるもの
●所得割:前年の所得に応じて負担するもの

参考までに、法人には均等割と法人税割の二つの税割から成る「法人住民税」が課せられます。

固定資産税

毎年1月1日時点において、土地や家屋などの「固定資産」を所有している人には、固定資産税が課せられます。市町村(東京都23区は東京都)に納める地方税の一種で、公共事業や公共サービスのために活用されます。

固定資産税の計算方法は以下の通りです。

固定資産税の税額=固定資産税評価額×税率

市町村では固定資産税の税額を計算し、納税者に「固定資産税通知書」を郵送します。通知書は毎年4~5月頃に手元に届くケースが多いようです。

消費税

消費税は、事業者が販売・提供する商品やサービスの価格に含まれ、最終的に消費者が負担する仕組みです。

政府が増税をする際、所得に高い税金をかけると、働く人の意欲が失われてしまいます。法人税を上げれば、国内から企業が逃げてしまうでしょう。

消費税は、幅広い層から確実に税金を集められる上、景気に左右されにくいのがメリットです。課税する側からすれば、増税しやすいといえるでしょう。

消費税がかかる取引には、地方消費税も課税されます。地方消費税は全国一律で、消費税額の22/78です。消費税率に換算すると、2.2%に相当します。2024年5月時点における標準税率は以下の通りです。

●消費税率:7.8(軽減税率6.24)%
●地方消費税率:2.2(軽減税率1.76)%
●消費税・地方消費税を合わせた税負担率:10.0(軽減税率8.0)%

自動車税・軽自動車税

自動車税と軽自動車税は、毎年課税される地方税です。4月1日時点において、自動車の所有者として車検証に登録されている人は、車の種類に応じた税金を納めなければなりません。

自動車税:自動車にかかる税金
軽自動車税:軽自動車にかかる税金

自動車税の正式名称は「自動車税種別割」で、税額は自動車の総排気量・経過年数・用途区分などによって変わります。軽自動車税の正式名称は「軽自動車税種別割」です。

軽自動車は総排気量が決まっているため、納める税額は一律です。なお車を所有すると、自動車重量税・環境性能割・消費税・ガソリン税・軽油取引税などもかかります。

旅行に関する税金

家族で旅行やレジャーを楽しむ際も、さまざまな税金が課せられます。代表的なものとして、「宿泊税」と「国際観光旅客税」を取り上げます。

宿泊税

地方公共団体によって個別に定められた地方税は、「法定外目的税」と呼ばれます。宿泊税は法定外目的税の一種で、特定の地域の宿泊施設を利用した人に課税されるものです。

例えば東京都の宿泊施設では、宿泊料金(1人1泊)に応じて、以下の税金がかかります。

●宿泊料金が1万円以上、1万5,000円未満:100円
●宿泊料金が1万5,000円以上:200円
●宿泊料金が1万円未満:なし

宿泊税は、事業者を通じて納税をする間接税です。宿泊予約サイトの金額には宿泊税が含まれていないケースが多く、別途現地で精算を求められます。

国際観光旅客税

国際観光旅客税は、日本から出国する人に課税される税金です。観光庁では、快適な旅行のための環境整備や訪日促進事業などに税収を活用するとしています。

税額は出国1回につき1人1,000円で、船舶または航空会社のチケット代などと一緒に徴収されます。旅行はもちろん、ビジネスや留学で出国する人も対象で、国籍や収入を問いません。

ただし、「やむを得ない事情で外国に寄港せずに戻ってきた人」や「入国後24時間以内に出国する乗継旅客者」は対象外です。2歳未満の幼児にも税金はかかりません。

税金の種類や使い道を覚えておこう

日本にはおよそ50種類もの税金があります。税金の種類が多すぎると感じる人もいるかもしれませんが、税負担が特定の人に偏らないようにする意図があるのです。

さまざまなルートで集められた税金は、国や地方公共団体の財源となり、公共施設の運営や公的サービスの提供などに使われます。私たちが安全で健康な日々を過ごせるのは、税金のおかげといってよいでしょう。この機会に税金の種類や使い道について、親子で話し合ってみてはいかがでしょうか?

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構成・文/HugKum編集部

出典:日本国憲法 第3章 第30条| e-Gov法令検索
宿泊税 | 税金の種類 | 東京都主税局

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