「父の日」をお母さんのサポートでより有意義に。子どもの「ありがとう」の気持ちの育て方【マナー講師監修】

6月16日(日)は父の日です。誕生日の“おめでとう”とはまた違って、パパが子どもたちからの“ありがとう”という感謝の気持ちを受け取ることのできる、パパであることを実感できるうれしい日ですね。お子さんが小さい家庭では、子どもたちからパパに感謝を伝えられるよう、ママも一緒にサポートしてあげてくださいね。

「父の日」とは?

父の日は、毎年6月の第3日曜日に設定されています。カレンダーを見ると今年2024年の父の日は6月16日です。

まずはどのように父の日が設けられたのか、母の日よりも後になっている理由についてお伝えします。父の日が設けられた理由には母の日も関わっているのですよ。

まず、5月に行われる母の日はアメリカのアンナ・ジャービスさんという娘さんが母親への尊敬と感謝の気持ちを表すために教会で追悼する集会を開いたことがきっかけで誕生しました。

いっぽう6月に行われる父の日のきっかけを作ったのは、同じくアメリカのソノラ・スマート・ドットさんという女性です。

ソノラさんは6人きょうだい。父親は南北戦争の退役軍人でした。母親もいましたが、6番目の子の出産や夫が戦地に行っている間の過労から亡くなってしまいます。その後6人の子どもたちを父親が一人で育てていくのですが、ソノラさんは愛情深く自分たちを育ててくれる父親をとても尊敬していました。

ある日、ソノラさんは教会で「母の日」があることを知りました。するとソノラさんは教会にこうお願いします。

“「母の日」という母に感謝や尊敬の念を伝える日があるなら、父に対して感謝を伝える「父の日」があっても良いのではないか。ぜひ父の日を作って欲しい”

これが父の日誕生のきっかけとなりました。6月はソノラさんのお父様のお誕生月なので父の日も6月になりました。

「なぜ」から一緒に考えよう

ソノラさんが父親に向けて感謝の気持ちを伝えることから始まった父の日は、現在でも変わらず続いています。

子どもたちに父の日の意味を伝えるときに「いつも家族のために頑張ってくれているパパに“ありがとう”を伝える日だよ」と言ったらきっと子どもたちはたくさんの感謝の気持ちを伝えようとしてくれるのではないでしょうか。

そんなとき、ママは上手にお子さんとの会話からパパへの感謝を引き出してあげてください。

感謝の伝え方<例>

「〇〇ちゃん、今度父の日があるよ。パパに“ありがとう”の気持ちを伝える日だけど、パパにどんなことを“ありがとう”したいと思う?」と聞いてみます。

それぞれ子どもの性格も違うので、きっとすぐに答えられる子もいれば、なかなか思いつかない子もいるでしょう。考えはたくさん頭に持っているけれどどのように伝えるか考えてしまう子には、まずママが先にパパに“ありがとう”と思う部分はこんなところだよ、と伝えてみるのはどうでしょうか。

「ママはね、パパにこんな“ありがとう”を伝えたいと思っているよ。
 ・例えば、お仕事をして家族のみんなが元気に過ごせるように頑張ってくれていること、
 ・お休みの日に美味しいご飯を作ってくれること、
 ・ママには持てない重い荷物を運んでくれること、
 ・お休みの日の楽しい計画を立ててくれること……。
まだまだあるけど、〇〇ちゃんは何があった?」

とママが先に感謝していることをたくさん並べてから、最後に子どもに聞いてみましょう。すると「一緒に遊んでくれるところ、ご飯を作ってくれるところ……」とパパとの日常を思い浮かべながら“ありがとう”と伝えたいことを自分なりに考え伝えてくれるのではないでしょうか。

また、すぐに思いついたことを「一緒に遊んでくれるところ」などと言葉にできる子は一言で簡単にまとめてしまいがち。そんな場合はより深い感謝に気づくため、一緒にその時のことを振返ることをおすすめします。

「そうだよね! パパ一緒に遊んでくれるよね。〇〇ちゃんが公園に行く時はいつも自転車で連れてってくれるね。ブランコも押してくれる! パパが押すと高く上がるから楽しいよね。パパにありがとうだね。」

というように“遊ぶ”と一言で子どもが言っても、さらにママが一緒に振り返りをしてみます。するとパパの行動の一つ一つが当たり前のものではなく、子どもへの愛情があるからこそしてくれているものだという気付きが生まれます。ママと話をする前とした後では、パパへの「ありがとう」への言葉に変化があると思います。

子ども自身が、なぜ「ありがとう」と感謝の言葉を伝えたいと思ったのか、考えられるようになることはとても大切です。人の優しさを感じ、自分が周りの人に助けられていることに感謝する気付きの練習になります。そして自分が嬉しいと思ったことは他人にもしてあげられる、そんな相手への優しさを身につける一歩にもなりますね。

「どうやって?」「何を?」は一緒にアイデアを出してみよう

“なぜ”ありがとうと伝えるかを意識することができたら、次は“どのように”伝える?

“どのように”伝える?ということを一緒に考えてみましょう。ママがいくつかの選択肢を提示してしまうことは簡単ですが、まずは子どもに「どうやったらパパにありがとうの気持ちが伝わるかな?」と声をかけてみてください。

誰かが喜ぶために自分は何ができるか、という想像力が育ちます。もしアイデアが出なかったら園で描いたパパの絵にリボンを付けて渡してもいいですし、一緒にパパの好きな食べ物を思い出して用意するのも、パパへの興味や理解が深まっていいと思います。

わが家の今年の父の日は、「パパに内緒でお手紙書く! パパはチーズケーキが好きだから用意したらどうだろう」などワクワクしながら考えています。

もちろん、できることとできないことがありますので、全てが叶えられるわけではありません。それでも、まずはパパのためにアイデアを出す、ということが大切ですね。

パパにも「最初はこうしようと思っていたの」「パパあれ好きでしょう?」と後でお話をするきっかけにもなるでしょう。パパも「自分のことを考えてくれていたのだな」と、自分をよく見ていてくれたことを知るだけでも喜んでくれそうです。

お互いを想う気持ち、相手への感謝の気持ちが溢れる父の日となりますように。

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赤名 麻由子

シニアマナーOJTインストラクター|キッズマナーインストラクター
一般社団法人マナーOJTインストラクター協会所属。資格取得後、保育園やカルチャーセンターにて子どもたちにマナーを伝える活動を行っている。二児の母

 

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