パンは冷凍保存が正解!ロールパン・食パン・総菜パンなど、種類別に冷凍・解凍の仕方を紹介

パン屋さんに行くと、おいしそうなパンがずらり。あれもこれも食べてみたい!と、ついつい、買いすぎてしまいませんか。また、最近の高級食パンブームでは、大きなサイズで販売していることも多く、一度には食べ切れなくなったことってありますよね? そんなときは迷わず、冷凍。おいしさが長持ちします。上手に冷凍するコツを覚えて、楽しいパンライフを送りましょう。

パンは冷凍でおいしく食べられる期間が長持ち

一般的に、パンは常温で保存した場合、おいしく食べられる期間は1~2日。そのままおいておくと、水分が抜けてパサパサになったり、カビがはえたりします。

それなら、冷蔵庫に入れれば?というのも間違い。

冷蔵庫の中は乾燥しやすい上に、パンの主成分であるでんぷんの劣化が一番進みやすい温度。冷蔵保存では、せっかくのおいしさが失われてしまいます。

パンを冷凍すれば、賞味期限は延びる?

パンは、冷凍すれば、おいしさを保ちながら長持ちさせることができます。一般に、パンは冷凍すれば1カ月くらい日持ちします。

購入したパンも、パッケージに記載されている賞味期限内に冷凍保存すれば、おいしく食べられる期間を長くすることができます。

種類別|パンの冷凍保存のやり方

パンをおいしく冷凍保存するポイントは、食べられないと思ったらできるだけ早く冷凍しちゃうこと。そして、できるだけ短時間で凍らせることです。ここからは、パンの種類別に冷凍の仕方をご紹介します。

ロールパンの冷凍方法

ロールパンは、1個ずつぴっちりラップにくるみます。そのあと、密封できる保存袋などに入れ、できるだけ空気を抜いてから冷凍します。

食パンの冷凍保存方法

食パンは、スライスされているものは1枚ずつ、1斤サイズのものなども1枚ずつスライスした状態にしてから保存します。

なるべく空気に触れないように、ラップなどに包みますが、おすすめはアルミホイル。ぴっちりと包んだら、冷凍できる保存袋などに入れて冷凍庫へ。アルミホイルに包むことによって、短時間で冷凍できます。

写真/斉藤和美
食パンの長期保存は冷凍で◎。美味しさをキープするコツと解凍方法をレクチャー!
食パンを冷凍保存するメリット 食パンは水分が多いため常温で保存すると、カビが生えてきます。だからといって、食パンの冷蔵保存はNG。 ...

総菜パン・菓子パンの冷凍保存方法

お総菜パンや菓子パンの場合はどうでしょう。

基本的には、冷凍できるものが多く、ロールパンと同じように、1個ずつ形を崩さないようにラップに包んだ後、保存袋に入れて空気を抜いてから冷凍します。

このとき、できるだけ早く冷凍するためにも、金属製のトレーなどに載せるのをおすすめします。しかし、お総菜パンの具材によっては冷凍に不向きなものも。

【冷凍に不向きなお惣菜パン】
・生の野菜やフルーツが使われているもの(サンドイッチなども含む)
・ごろっとしたジャガイモなどが使われているもの
・たっぷりのマヨネーズやケチャップが使われているもの

上記のお総菜パンは、解凍する際に水分が出てパンなどにしみてしまうため、おいしく食べることができません。

水分の少ない具材(カレーパンやソーセージパンなど)の総菜パンや、メロンパンやあんパンなどの菓子パンは、おいしく保存できるので、ぜひ活用してください。

冷凍したパンをおいしく解凍する方法

冷凍したパンのおいしい食べ方をご紹介します。食パンなら、凍ったままトースターで焼いてOKです。

写真/斉藤和美

ロールパンや総菜パンは、自然解凍がおすすめ

翌朝食べたいなら、前夜のうちに冷蔵庫に移してゆっくりと自然解凍させます。

お急ぎの場合は、ラップに包んだまま電子レンジで20秒くらい温めます。
(注意:総菜パンによっては、電子レンジの短時間加熱では具が解凍しきれないこともあります)

解凍したパンを温めるならオーブントースターで

オーブントースターを使いましょう。電子レンジでは、水分が抜けてパサパサになってしまいます。

ロールパンなど厚みのあるパンや総菜パンなど具材のあるパンは、食パンのように凍ったままトースターで焼くと、中心の部分まで火が通らなかったり、逆に具材だけが先に焦げたりしてしまいます。

解凍をちゃんとした上で、トースターで温めてください。もし焦げるのが心配な場合は、上にアルミホイルなどをかぶせるとよいでしょう。

自家製手作りパンなら生地の冷凍保存も

ホームベーカリーの普及や、自粛おこもり生活をきっかけに自宅でパンを焼く人も多いですよね。焼く前のパン生地も冷凍することができます。
パン作りには時間がかかるもの。時間のあるときに生地を仕込んでおくと、思い立ったときに焼きたてを食べることもできますね。

パン制作・写真/斉藤和美

パン生地の冷凍方法

パン生地を冷凍する方法は2通りあります。

【1】ベンチタイムで冷凍する方法

1つは、生地をこね終えて分割、生地を休ませるベンチタイムのタイミング。ひとつずつラップに包み、冷凍できる保存袋などに入れて、冷凍庫へ。

使うときは、冷凍庫から出して自然解凍。常温に戻ったら改めて、ベンチタイムをとってから、成形していきます。

【2】成形してから冷凍する方法

ベンチタイムを終えて、ガス抜きした生地を成形します。
クッキングシートなどを敷いた天板の上に、成形したパン生地を並べ、上からラップをします。そしてそのまま冷凍庫へ。

このとき、パン生地に霜が付いたり、生地が乾燥したりするのを防ぐために、さらにナイロン袋などで覆うのもよいでしょう。

しっかり凍ったら、フリーザーバックなどに移し、冷凍庫で保存します。

焼くときは、冷凍庫から出して常温に戻した後、2次発酵。しっかり膨らんだら焼き上げます。

生地の冷凍のデメリットと注意点

冷凍した生地のデメリットは、どうしてもイーストの活動が弱まってしまうため、膨らみが悪くなってしまう点です。

対策として、いつもより少し多めにイーストを加えるとよいでしょう。その際、糖耐性の強いタイプのイーストを使うことをおすすめします。糖耐性の強いドライイーストは、冷凍にも強いといえます。

また、冷凍する生地で注意したい点は、乾燥させないこと。パン生地は乾燥が苦手です。冷凍する際は、しっかり密封しましょう。

解凍するときにも、霧吹きで水分を足したり濡れふきんで覆ったりするなど、乾燥対策はしっかりと!

冷凍したパン生地は、2カ月以内に使い切りましょう。長く冷凍すると、発酵する力が弱まってしまい、膨らみません。

さらに、糖分の少ないフランスパンやライ麦パンなどの生地は、冷凍には向きませんので、注意してください。

生地を解凍するときのポイント

冷凍した生地を解凍するときは、しっかり中まで常温に戻しましょう。

冷蔵庫に入れてゆっくり解凍させる場合、18時間以内に焼成まで移れるようにします。時間がかかりすぎると、過発酵になってしまいます。

文/斉藤和美(フードコーディネーター)

冷凍パンを美味しく食べるアレンジレシピ

冷凍パンも正しく解凍すれば、美味しく食べられます。アレンジレシピにも挑戦して、楽しいパンライフを送ってみませんか。

【1】にんじんのパンキッシュ

フレンチトースト風のふわふわ仕上がり。オーブンで焼くだけなので栄養バッチリの簡単料理!

◆材料

(大人2人分+子ども2人分)
にんじん 1/2本(100g)
ソーセージ 6本
食パン(6枚切り) 1と1/2枚
卵 2個
牛乳 1と1/2カップ
粉チーズ 大さじ1
塩・こしょう 各適量

◆作り方

【1】にんじんは皮をむいてすりおろしてボウルに入れ、卵を割り入れてほぐす。牛乳を加えてよく混ぜ、塩、こしょうで調味する。
【2】食パンは角切り、ソーセージは斜め切りにして、耐熱容器に入れる。
【3】【2】に【1】をまんべんなく流し入れて、5分ほどおき、180℃のオーブンで15分を目安に焼く。粉チーズをふる。

教えてくれたのは


上田淳子さん

ヨーロッパや日本のレストランなどで修業後、料理研究家として雑誌、書籍、テレビなどで活躍。双子の男の子の母。近著に『共働きごはん』(生活の友社)など。

『めばえ』2015年1月号

【2】マーガレットロールパンドッグ

ロールパンドックをウインナーのお花でとびきりかわいく? ピクニックシーンでビジュアル映えすること請け合いです!

◆材料

(8個分)
ロールパン 8個
じゃがいも 2個

【A】
ツナ(缶詰) 1缶(80g)
マヨネーズ 大さじ2と1/2
塩・こしょう 各少々

【B】
ゆで卵(つぶしたもの) 2個分
マヨネーズ 大さじ3
塩・こしょう 各少々

ウインナー 6本
パスタ(揚げたもの) 適量

◆作り方

【1】じゃがいもは皮をむき、ゆでてつぶして【A】を混ぜる。
【2】ロールパンに切り込みを入れて、半分に【1】、残りに混ぜ合わせた【B】を詰める。
【3】ウインナー4本は縦半分に切り、5mmおきに切り込みを入れる。残りのウインナーは1.5cm幅に8個切り、片面に格子状に切り込みを入れる。
【4】【3】をゆでて、パスタで留めて花状にし、【2】にのせる。
*写真の具はポテトサラダです。

教えてくれたのは


ほりえさちこさん

栄養士、フードコーディネータ ー、飾り巻き寿司インストラクター1級。男の子のママ。育児経験を生かした簡単で栄養バランスのとれた料理や、かわいいお弁当レシピが人気。

『ベビーブック』2011年10月号

【3】食パンいちごケーキ

簡単に作れてフルーツたっぷり、甘さ控えめ。ヨーグルトソースでさわやかな味わいに。

◆材料

(大人2人分+子ども2人分)
サンドイッチ用食パン 3枚
いちごジャム 大さじ1
バナナ 小1本

【A】生クリーム 1/3カップ
砂糖 大さじ11/2
プレーンヨーグルト 大さじ2

いちご 小4粒

◆作り方

【1】パンにいちごジャムを等分に塗る。
【2】ボウルに【A】を入れ、氷水にあてながら泡立て器で八分立てにする。
【3】【1】のパン1枚に【2】のクリーム大さじ1を塗り、薄切りにしたバナナの半量をのせ、【2】の大さじ1を塗る。2枚目のパンを重ねて同様にし、3枚目のパンはジャムの面を下にしてのせる。全体をラップで包み、20分ほど冷蔵庫で冷やす。
【4】ラップを外して対角線上に切り、残った生クリーム小さじ1ずつをのせ、いちごを飾る。

教えてくれたのは


青木恭子さん

小田真規子主宰のスタジオナッツ所属。2つの保育園に7年間、栄養士として勤務。0歳児の離乳食~5歳児の給食とおやつ作りを担当。現在は、雑誌やWEBなどで活躍。

『ベビーブック』2014年3月号

【4】フルーツサラダのパンカップ

ヨーグルトとマヨネーズのソースで和えて。

◆材料

(大人2人分+子ども2人分)
すいか(正味) 50g
フルーツミックス(缶詰) 100g
きゅうり 1/2本

【A】
プレーンヨーグルト 大さじ1
マヨネーズ 大さじ1
塩 少々

ミニロールパン 5個

◆作り方

【1】フルーツミックスはよく汁けをきり、7mm角に切る。すいかも種を除いて同様に切る。きゅうりは縦4等分し、3mm幅のいちょう切りにする。
【2】ボウルにAを合わせ、【1】を加えて混ぜる。
【3】ロールパンの上部を切り落とし、下部の中身を少しくりぬいて【2】をのせ、上部を添える。

教えてくれたのは


鈴木薫さん

身近な食材で簡単に作れて、おいしくて、センスのいいレシピ が人気。双子の女の子と男の子のママ。

『ベビーブック』2015年7月号

【5】りんごとさつまいものパングラタン

砂糖なしで仕上げて、素材の自然な甘みを楽しみましょう!

◆材料

(大人2人分+子ども2人分)
さつまいも 中1/3本(80g)
りんご 中1/3個(80g)
食パン(8枚切り) 1枚

【A]
卵 1個
牛乳 100ml

◆作り方

【1】さつまいもは洗って1~1.5cmの角切りにし、りんごは皮をむいて同様に切る。耐熱皿にのせて水大さじ1をかけ、ラップをふんわりかけ、電子レンジ(600W)で2分加熱する。
【2】グラタン皿に水けをきった【1】、小さい角切りにした食パンを入れ、混ぜ合わせた【A】(卵液)をかける。
【3】卵液がパンに染みこんだら、オーブントースターで10分を目安に、卵液が固まるまで焼く。

教えてくれたのは


上田淳子さん

ヨーロッパや日本のレス トランで修業後、料理研究家として雑誌、書籍、テレビで活躍。「育児の予習ゴハン会」を主宰するなど食育にも力を注ぐ。双子の男の子の母。

『ベビーブック』2016年5月号

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