「他言無用」とは?
まずは、『他言無用』の読み方と意味を確認しておきましょう。
読み方と意味
この言葉は『他言無用』と書いて「たごんむよう」と読みます。他の人に話を漏らしてはならないということを表す言葉です。
「無用」って用がないという意味?
「無用」には、してはいけない、禁止、という意味があります。『他言無用』以外には「落書き無用」「貼紙無用」「天地無用」などにも使います。どれも「してほしくない」ことを表す言葉です。
『他言無用』の由来・語源
「他言」は他人に漏らすこと。「無用」はしてはならないという意味ですから、2つの単語を組み合わせた『他言無用』は他人に漏らしてはいけない、他人に言ってはいけない、という意味になります。
『他言無用』だけでは上から目線に感じる?
秘密にしてほしいことを『他言無用』と言い切ってしまうと、偉そうな印象を相手に与える可能性もあります。
特に初対面や目上の人に、内緒話を他人にしないようお願いするときなどは、丁寧な言葉をあわせて使うと柔らかい印象になります。
使い方を例文でチェック!
では、『他言無用』の使い方を例文でチェックしていきましょう。
1:明日のサプライズパーティーのことは他言無用でね。
家族や友達など、気心の知れた間柄で口止めをお願いする時にはフレンドリーな表現にすると、分かりやすく威圧感を与えません。
2:ここで見たことは、他言無用でお願いします。
普段入れないような場所への招待、特別なサービスを提供する場合などは、口止めも兼ねて「お願いします」と付け加えることも。
3:他言無用にしていただきますようお願いいたします。
発表前の新製品に関してのミーティングや契約内容など、重大な秘密事項があるビジネスシーンでは、丁寧語を加えて事の重大さを共有することもあります。
類語や言い換え表現は?
では、『他言無用』を別の言葉で言い換えたい場合、どのような表現を使うことができるのでしょう。『他言無用』の類語を見ていきましょう。
1:口外無用
「口外」は「他言」と同様、他人に話しをすること、秘密などを漏らすことを意味します。『他言無用』とほぼ同じ意味と言えますが、「口」という字が入っているので、特に「話さないでほしい」ときに使われます。
2: ここだけの話
「ここだけの話」とは、「ここ」にいる人以外の部外者に知られては困る内容の話のこと。内緒話を共有するということでは、『他言無用』と同じ意味で使えそうです。
3: 内密
「内密」とは、表沙汰にしないことや、内緒にする、という意味。内緒話を共有するという意味では『他言無用』に似ています。「ご内密に」「内密にお願いします」と丁寧な表現で使われることもあります。
4: 門外不出
「門外不出」は門の外には出さない、という意味で、貴重な芸術品など、めったに他人に見せたり貸したりせず秘蔵することを指します。外には出してほしくない、という点で他言無用にも通じる表現です。
対義語は?
『他言無用』の対議語には以下のような言葉があります。
1:赤裸々(せきらら)
包み隠さないこと、むき出しであることを指す「赤裸」を強調した表現の「赤裸々」。誰にも言わないで秘密にしたい『他言無用』の対義語と言えそうです。
2:公言
「公言」とは、人前で隠しだてすることなく堂々と言うこと。他の人には知られたくない『他言無用』の対義語として使えそうです。
3:公然
「公然」とは、世間一般に知れ渡っているさま。また、他人に隠さずおおっぴらにするさまを表す言葉です。世間一般に隠したい『他言無用』とは、反対の意味になります。
英語表現は?
では、『他言無用』を英語で伝える場合はどのような言い回しがあるのでしょうか。最後に、『他言無用』を言い表せる英語表現をご紹介します。
1:Not a word to anyone, please.
「誰にも言わないで」という意味の表現です。
2:You must keep the secret.
直訳すると「あなたは秘密を守り続けなければいけない」。内緒話をするときに使われる言い回しです。『他言無用』の英語版と言えるのではないでしょうか。
3:This is just between you and me.
直訳すると「あなたと私の間だけのことです」となります。「ここだけの話」に似た表現で、『他言無用』に近い表現です。
4:button one’s lip(s)
直訳では「唇にボタンをする」となります。日本でも「お口にチャック!」と口を閉じることを言い聞かせることもありますね。英語ではチャックの代わりに唇にボタンを掛けて、誰にも言わないという気持ちを表します。
『他言無用』の意味と由来を知って、上手に使いましょう。
今回は『他言無用』の意味や語源、使い方から類語、対義語、英語表現までをお伝えしました。
他言無用は、他人に話してはいけないという意味の言葉です。ただし『他言無用』と単独で使うと威圧感を与え、偉そうに聞こえる場合もあるため、話す相手によって正しく使い分けることが大切です。
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構成・文/kidamaiko