自家製の「切り干し大根」が万能すぎた! 大根ステーキ、重ね煮で、家計にもやさしい栄養食が完成〈HugKum 時短レシピ隊〉

切り干し大根の作り方と料理への活かし方をマスターすると、栄養面でもおいしさの面でもメリットがたくさんあります。保存性が高く、重ね煮との相性もピッタリな食材です。お子さんも食べやすい万能野菜としてぜひ活用してください。

大根は栄養豊富で家計に優しい食材です。特に干すことで甘みと旨味が増し、保存性も高まるため、忙しい子育て世代には最適です。この記事では、大根を「干す」「焼く」「煮る」の調理法でおいしく楽しむ工程を詳しくみていきます。

大根を干して旨味アップ! 切り干し大根の作り方とメリット

切り干し大根は誰でも簡単に作れる保存食です。一度作ってみると、その便利さに驚くはずです。ぜひ試してみてください。

メリットいっぱいの自家製切り干し大根

野菜を干すことで、旨味と甘みが凝縮され、味も濃くなります。また、切り干し大根は生の大根よりもカルシウムや鉄分、食物繊維が豊富になります。

乾燥させることによって長期保存が可能になり、食材ロスも防げます。添加物を使わないため、安心して家族に食べさせられるのも魅力です。

簡単! 家庭で作る切り干し大根の方法

詳しい手順をご覧ください。

【1】大根をよく洗い、皮付きのまま角切りにします。

繊維に沿って縦に切った後、さらに棒状に切ります。
繊維に沿って縦に切った後、さらに棒状に切ります。

輪切りにする場合も皮はそのままに、2㎝程度の厚さで切ります。その他、いちょう切りなど使いやすい大きさに切ってください。

ただし、干した後はかなり縮むので、あまり細かすぎる切り方は避けます。

【2】風通しと日当たりの良い窓辺などに、ザルや干し網に並べて天日干しします。

できるだけ重ならないよう広げて干します。写真のように重なってしまう場合は、こまめに上下を返して、カビの発生を防ぎます。

【3】3〜5日ほど干して、十分に乾燥したら保存袋に入れて保管します。

厚切りのものは完全に水分が抜けないため、冷蔵庫で保存し、1週間をめどにお召し上がりください。

雨の日は室内で扇風機を使うとよく乾きます。カビが生えやすい梅雨時期は避け、乾燥する冬場が干し野菜作りに最適です。

うまくできたら、人参やカブなど他の野菜にも挑戦してみましょう。冷凍保存も可能です。

子どもが喜ぶ大根レシピ2選

干した大根を使った、おいしい料理をみていきましょう。

ジューシー大根ステーキ

干した大根は水分が抜けて旨味が凝縮されます。シンプルな焼き物にして、その旨味を味わってみましょう。

・材料

(2人分)

干した大根(厚めの輪切り) 4枚
オリーブオイル 大さじ1.5
ポン酢 大さじ1.5
塩 少々

かつお節 適量

・作り方

【1】干した輪切りの大根をサッと水洗いし、水気をふき取ります。

【2】フライパンにオリーブオイルを熱し、大根を弱火で焼いてください。焦げ目がついたら裏返します。

【3】フタをして10分間蒸し焼きにし、中までじっくりと火を通します。

【4】中まで柔らかくなったらポン酢を回しかけ、全体に絡ませます。

【5】食べやすい大きさにカットして器に盛り、かつお節を振りかけて完成です。

・アレンジ例

大根が柔らかくなった後、チーズをのせてトースターで焼くと、濃厚な風味が加わります。

切り干し大根の重ね煮

重ね煮は、野菜本来の甘みを引き出す調理法です。陰陽のバランスを考えて野菜を重ね、弱火でじっくり煮ます。

野菜の陰陽というと難しく聞こえますね。これは、太陽に向かう力の強さで考えるとわかりやすいでしょうか。海藻やキノコ類は太陽の光を求める力が強い陰性の食物です。一方、根菜は地下に向かって伸びる陽性の食物です。

調味料をほとんど使わなくても旨味が引き出され、その味に驚く方も多いはずです。素材本来の味を楽しめるので、離乳食や幼児食にも適した調理方法なんですよ。

・材料

(4人分)

切り干し大根 60g
きのこ類(椎茸、しめじ、エノキなど好みのもの) 1株
玉ねぎ 1個
にんじん 1/2本
油揚げ 1/2枚
塩  小さじ1/4と1/2

・作り方

【1】切り干し大根をザルに広げ、上から熱湯を回しかけます。菜箸でほぐしてください。

水でもどさず、旨味を残したまま調理に使います。
水でもどさず、旨味を残したまま調理に使います。

油揚げは熱湯をかけて油抜きし、キッチンペーパーで水気をふき取ります。食べやすい大きさにカットしてください。

【2】きのこ類はほぐし、玉ねぎは薄いくし切り、人参は皮ごとスライサーで細切りにします。

【3】鍋を用意します。重ね煮ではまず最初に、鍋の底に塩(小さじ1/4)をパラパラと広げます。

【4】きのこ類、その上に玉ねぎ、にんじん、切り干し大根、油揚げの順で重ねます。

この重ね方は野菜の味を引き出すために大切な順番で、鍋底に陰性の野菜(きのこ類)、その上に陽性の野菜(根菜)、最後に加工食品(油揚げ)を重ねることで、甘みのある優しい味わいになります。

【5】最後に塩(小さじ1/2)を振りかけてください。野菜の上下を塩で挟むことにより、水分がたっぷりと染みだします。

調味料は、塩だけで甘みのある仕上がりになります。
調味料は塩だけで、甘みのある仕上がりになります。

【6】水を加えずに蓋をし、弱火で30~40分加熱します。

【7】時間がきたら火を止めて、全体を混ぜ合わせます。

鍋の中に残る予熱によって加熱が進まないよう、すぐに保存容器やバットなどに中身を移してください。粗熱が取れたら完成です。

・重ね煮のポイント

火加減は弱火で、じっくり時間をかけることによって野菜の甘みが引き出されます。

無水調理ができる鋳物鍋が最適ですが、土鍋でも代用できます。土鍋を使う場合は、蒸気が逃げないように、割り箸や菜箸を蒸気穴に差し込んでください。

塩を加えることで野菜から水分が出ます。この水分を活かして煮ることで、調和した味わいが生まれます。水蒸気がおいしさの源なので、できるだけ逃がさないよう、閉じ込めることが大切です。重ねた野菜の層を崩さずに煮ることで、より深い旨味が引き出されます。

重ね煮は水分を加えないため、日持ちが良く、冷蔵庫で5日間保存できます。様々な料理に加えて味わってください。うどん、味噌汁、炊き込みご飯の具材などに活用できるので、忙しい毎日の強い味方となってくれます。

冷凍保存もできます。
冷凍保存もできます。

重ね煮について、より詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

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離乳食アレンジ

重ね煮の野菜は甘みが強く、味付けがなくてもおいしく食べられます。すでに柔らかいので、離乳食にも最適です。その際は塩加減を控えめにしてください。

重ね煮した野菜をさらにペースト状にしたり、とろみをつけて食べやすくしたりして活用してください。

大根を無駄なくおいしく活用しよう

干すことで栄養価と保存性が向上する大根には、様々な活用法があります。中でもステーキは甘みと旨味が増して子どもも食べやすく、重ね煮にすれば優しい味わいを楽しめます。ぜひ、大根をまるごと活用して、食卓を豊かにしてくださいね。

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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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