「中1の壁」との向き合い方は?藤本さんの3人子育てについて
上のお子さんは今年度中学1年生でした。小学校から中学校へ進学する時期を「中1の壁」と呼んだりしますが、環境の変化には対応はできましたか?
藤本さん:「中1の壁」なんて言葉があるんですか?それで言ったら長男に関しては、「中1の壁」は感じませんでしたね。生活リズムにしても私がお弁当を作ることになった以外、何も変わってないかな。反抗期は小学生5年生のころに始まって、いまやっと落ち着いてきたところです(笑)。
でも理由はわからないけどイライラするのが思春期と呼ばれるこの時期だから、何かの拍子にぶつかってしまいますよね。でも親はそれが分かっているので、そんな時は一定の距離を保ちつつ、調子よさそうだなと思ったら話しかけるようにしてみる。お互いにとってちょうどいい距離感を保つことが大切だと思います。
子どもの五感を育むために取り入れていることはありますか?
藤本さん:スポーツ鑑賞や旅行など、いろいろな体験をさせてあげたいとは思っています。スノーボードはもともと夫婦ともにやっていたので、子どもも一緒にやるようになりました。
なんでも一緒にやったら楽しそうだと思うことは誘ってみて、好きなようにやらせるのが一番だと思いますね。それでその子のいいところを見つけて褒めてあげます。無理強いはせず子どもが楽しめる環境で見守ることを大切にしています。
子どもの「好き」を伸ばすために意識していることはありますか?
藤本さん:末っ子が5歳の女の子なのですが、絵を描くのが好きで自由に想像しながら描いている姿をみるとそのままを受け入れてあげたいなと思っています。
ピンク色で左右の目の色が異なるウサギの絵を描いていると、4つ上のお姉ちゃんが「そんな色のウサギはいないよ」とか言うんですよ。でもそういう時は、お姉ちゃんには「放っておいてあげて」と伝えています。そんなことは言わなくても本当のことはそのうち自分で気づくようになるし、でもなにより、せっかく想像の世界に入り込んでいるので本当の色がどうであれ、伸び伸びと描くことが貴重で、その時間を大切にしてあげたいです。
何かにうまくいかなかったり、落ち込んでいるとき、お子さんにどのように声をかけますか?
藤本さん:子どもが悩んだりしている時に相談してきたら、共感しながら話を聞きます。うまくいかなかった時は、「うまくいかなくて当たり前だよ」って。それで「次はこうしてみたら?」とアドバイスして見守りつつ背中を押す感じです。
子どもにとって親の声がけは大きな影響を与えると思っています。マイナスな言葉をかけると子どもは不安になってしまうので、前向きになるような言葉を選んだほうがいい。例えば子どもが人間関係で悩んでいたら、「大人になっても嫌な人はいるから気にしない方がいいよ!あなたが嫌な人にならなければいいんだよ」みたいな感じで、マイナスに引き込まれないような声がけをするようにしています。
映画の中で藤本さんが演じたアートリア公国の王妃はドラえもんたちとご馳走を食べるシーンがありましたが、お子さんが好きな定番のご馳走メニューはありますか?
藤本さん:わが家のご馳走メニューは「家で楽しむ回転ずし」です。回転ずし屋さんごっこができるおもちゃがあって、子どもたちはそれが大好きで誕生日などの特別な日はお寿司をセットしてひたすら回しています(笑)。
ドラえもんの映画には2度目の参加でしたが、前回と違うと感じたことはありますか?
藤本さん:前作は先生役でナチュラルに話すシーンがほとんどでした。今回はアートリア公国の王妃を演じる中で、泣いたり、笑ったり、気絶したり、食べたり……と、感情を表現するシーンがいろいろあったので難しかったです。気絶するときに声でどうやって表現するのか、監督さんと話し合いながらいくつかのパターンを試してみました。
映画の中でドラえもんたちは絵の世界に入って冒険をしますが、藤本さんが入ってみたい絵の世界はありますか?
藤本さん:ゴッホの作品の『ひまわり』の絵の世界に入ってみたいです。私は花の中でもひまわりが好きなので、ゴッホが描いたひまわりが実際は、どんな色をしていたのか知りたいです。わが家の子どもたちと一緒に探検するのも楽しそう!
映画のお気に入りのシーンや見どころを教えてください
藤本さん:絵の中の世界ということで、例えば風景の絵の質感や色合いなどが細かく描かれていて、そこも見どころかなと思います。
私のお気に入りのシーンは、マイロ(アートリア公国に住む絵の上手な少年)が、のび太君の上手とは言えない絵を見たときに、描いた人の気持ちが大切だということを伝えるところがあるのですが、その言葉が心に響きました。こういう大切な想いは、子どもたちにも伝えてあげたいなと思います。
中世ヨーロッパの世界が舞台!『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』

アートリア公国の秘密を探るドラえもんたちは世界滅亡の大ピンチに見舞われる!
【ストーリー】
数十億円の価値がある絵画が発見されたというニュースを横目に、夏休みの宿題である絵に取り組んでいるのび太。その前に、突然絵の切れ端が落ちてくる。ひみつ道具「はいりこみライト」を使い、その絵の中に入って探検をしていると、不思議な少女クレアと出会う。彼女の頼みを受けて「アートリア公国」を目指すドラえもんとのび太たちだったが、そこはニュースで話題になっていた絵画に描かれた、中世ヨーロッパの世界だった。その世界には「アートリアブルー」という幻の宝石がどこかに眠っているらしい。「アートリア公国」の秘密を探るドラえもんたちだったが、アートリア公国に伝わる世界滅亡の伝説がよみがえり、大ピンチ!のび太たちは、世界を救うことができるのか…。

『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
原作:藤子・F・不二雄
監督:寺本幸代/脚本:伊藤公志/音楽:服部隆之/キャラクターデザイン:山下 晃/美術監督:友澤優帆
ドラえもん:水田わさび/のび太:大原めぐみ/しずか:かかず ゆみ/ジャイアン:木村 昴/スネ夫:関 智一
クレア:和多田美咲/マイロ:種﨑敦美/チャイ:久野美咲
パル:鈴鹿央士/アートリア王妃:藤本美貴/アートリア王:伊達みきお(サンドウィッチマン)/評論家:富澤たけし(サンドウィッチマン)
主題歌:あいみょん「スケッチ」(unBORDE/WARNER MUSIC JAPAN)
挿入歌:あいみょん「君の夢を聞きながら、僕は笑えるアイデアを!」(unBORDE/WARNER MUSIC JAPAN)
配給:東宝
公式サイトは>こちら(https://doraeiga.com/2025/)
©藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2025
撮影/五十嵐美弥、スタイリスト/河西真弓、ヘアメイク/氏家恵子、取材・文/やまさきけいこ