見た目ほど辛くない「勝浦タンタンメン」の秘密は〇〇〇にあり。知られざる歴史と自宅で楽しむレシピ

勝浦タンタンメンは千葉県勝浦市発祥のラーメンです。地元の海で働く漁師や海女さんの体を温めるために考案されました。一般的な四川料理のタンタンメンとは異なり、胡麻の風味がないのが特徴です。その特徴とお家で楽しむための調理方法についてまとめました。

「勝浦タンタンメン」は千葉県勝浦市発祥のご当地ラーメンです。醤油ベースにラー油を加えた真っ赤なスープが特徴的で、「ラー油系ラーメン」とも呼ばれています。インスタント商品も開発され、全国的な人気を集めています。

真っ赤な見た目から、汗をかいて体を冷やす料理と想像されがちですが、じつは違います。勝浦タンタンメンは、海で働く人々の体を温めるために生まれたラーメンなのです。どんな秘密があるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。

勝浦タンタンメンとは

千葉県勝浦市で生まれたタンタンメンについて、詳しくまとめました。

勝浦タンタンメンの特徴

勝浦タンタンメンの大きな特徴は、一般的なタンタンメンとは異なり「胡麻の風味がない」ことです。これは開発当初、胡麻の風味を出す調味料が手に入らなかったことから、試行錯誤を重ねて生まれた独自の味わいです。

鶏ガラや豚骨をじっくりと煮込んでとった深い味わいのスープに、醤油ベースのタレを加え、さらに香り高いラー油を贅沢に使って仕上げます。

一見すると強烈な辛さを想像させるビジュアルですが、実際に口にしてみると、その辛さの中には甘みと旨味を感じます。この味わいの秘密は、たっぷりと使用されたひき肉と玉ねぎによるものです。

普段から辛い食べ物に慣れているお子さんなら、意外と楽しめるかもしれません。少量から試してみてください。予想以上においしく食べられることでしょう。

由来と歴史

勝浦タンタンメンの起源は、昭和30年代にさかのぼります。漁業が盛んな勝浦市で、冬の寒い時期に冷えた体を温めるために求められ、広まったのがこのラーメンでした。地元の漁師や海女さんが食べやすいように考案されたため、中国の担々麺とは異なる、独自のスタイルになったと言われています。

元祖とされるラーメン店「江ざわ」が考案した味は、市内の他店にも広がり、今では勝浦を代表的なご当地グルメとなっています。

特徴的な辛さと風味

勝浦タンタンメンの最大の魅力は、その「辛さと旨味」です。ラー油がたっぷりと使われていますが、ただ辛いだけでなく、ひき肉の旨味と玉ねぎの甘さが絶妙に絡み合いバランスの取れた味わいになっています。

辛いのが苦手な人向けに、ラー油を控えめにした「マイルド勝浦タンタンメン」や、まろやかな旨味が感じられる「味噌タンタンメン」もあります。辛さを調節できるお店も多いので、お好みに合わせて楽しんでください。

自宅で作る勝浦タンタンメン

自宅でも本格的な勝浦タンタンメンを作ることができます。

本格レシピの紹介

お子さんと一緒に食べられるよう、ラー油を加える前に盛り付け、各自でラー油を加えるスタイルです。最近は、辛くない食べるラー油も販売されていますので、様子を見ながら加えて仕上げてください。

・材料

(2人分)
中華麺  2玉
鶏ガラスープ  500ml
醤油 大さじ2

ひき肉  100g
酒 大さじ2
塩こしょう 適量

玉ねぎ(小) 1個
ニンニク  1片
ショウガ  1片

刻みネギ お好み量
食べるラー油  大さじ3(辛さはお好みで調整)

・作り方

【1】玉ねぎの皮をむき、1cm角に切ります。大きさを均一にすることで、後の調理工程で均等に火が通り、甘みが引き出されやすくなります。

【2】フライパンにごま油を入れて熱します。みじん切りにしたニンニクとショウガを炒め、香りが立ってきたら玉ねぎを加えます。

玉ねぎの色が透き通るまでじっくり炒めたら、ひき肉を加えてさらに炒めていきます。

【3】ひき肉から水分が出てきたら、そのまま火を通し続けます。水分が少なくなり、炒める音が高くなったら酒を加えて風味を加えます。

塩こしょうで味を調えます。

【4】鶏ガラスープを注ぎ入れ、中火で10分ほど煮込んでいきます。醤油を加え、味のバランスを調えます。お好みに応じて味の強さを調節してください。

【5】別鍋で中華麺を表示時間通りに茹で、湯切りをしてから器に盛り付けます。作っておいたスープを注いでください。刻んだネギを添えて完成です。

お好みの量の食べるラー油を加えて、お召し上がりください。

本場勝浦の味とカップ麺

勝浦市内には勝浦タンタンメンを楽しめるお店が数多く営業しています。勝浦駅周辺は駅から近くアクセスしやすく、観光の合間にも立ち寄りやすいのが魅力です。観光案内所ではラーメン店を巡るためのマップも配布されており、1日で3〜4軒を回る「勝浦タンタンメン食べ比べツアー」もおすすめです。

また、カップ麺で勝浦タンタンメンを忠実に再現した商品も複数のメーカーから発売されており、本場の味わいを手軽に楽しむことができます。全国のコンビニエンスストアやスーパーマーケットの麺類コーナーで簡単に購入でき、自宅で本格的な勝浦タンタンメンの味を手軽に味わえます。

江ざわ 元祖の味

「勝浦タンタンメン」の元祖とされる「えざわ(江ざわ)」は、地元でも屈指の人気店で、通販でも購入できます。スープは程よい辛さの中にコクがあり、ひき肉と玉ねぎの甘みが際立つ一杯が味わえます。

エースコック 千葉勝浦タンタンメン 98g×12個入

「勝浦タンタンメン」のカップ麺が販売されています。ご自身でひき肉や玉ねぎを加えると、より本格的な味わいになりますので、ぜひ試してみてください。

地元、自宅、カップ麺で楽しめる勝浦タンタンメン

勝浦タンタンメンは、一度食べたら忘れられない独特の辛さと深い旨味が調和した魅力的なご当地ラーメンです。真っ赤なスープの見た目とは裏腹に、ひき肉とたっぷりの玉ねぎから生まれる甘みが絶妙で、食べる人を虜にします。

千葉県勝浦市を訪れた際には、各店舗の個性豊かな味わいを比較しながら楽しむのがおすすめです。自宅でも再現できるレシピや、カップ麺も販売されていますので、様々な形で勝浦タンタンメンの魅力を体験してみてくださいね。

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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)

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