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まずは一般部門のブロンズ・シルバー・ゴールド賞を発表!
一般部門は8ページ(4見開き)。限られたページの中でも、個性ある絵柄や色使い、ストーリー構成などが光る作品が受賞しました!
ブロンズ 『ぼくはヒーロー』作/絵:あかしだいすけさん
家族が起きる前に、こっそり変身するヒーロー。何をしているかというと…?

素晴らしい賞をいただけて、本当にうれしく思います。私には小学4年生の息子がいるのですが、今朝は私のお尻に付いているホコリを、一生懸命にローラーで取ってくれておりまして、その姿に笑ってしまいました。そのような、些細な日常を彩るような作品を今後も作り続けていきたいと思います。

審査員・えほん作家 鈴木のりたけさんからのメッセージ
「あかしさんは、日常の何気ないことにフォーカスしてお話を作っているのですが、これって簡単なようで実はとっても難しいことなんですよね。私も普段からそういう気持ちを大事にしようと思っているのですが、あかしさんの作品上で新鮮に見えて惹かれました」
シルバー 『おもいがけない ごちそう』作/絵:ドイリツコさん
動物たちがピクニック。そこにおなかのすいたライオンがやってきて…。

選んでくださった審査員の皆様、関係者の皆様に心から感謝申し上げます。私がえほんの制作をはじめたのは15年ほど前になります。子育てをしながら、1年に1作品ほどのペースで作り、コンクールに応募していました。賞をいただいたのは今回が初めてだったので、飛び上がるほどうれしかったです。今回の受賞を励みに、親子で読んだときの反応を想像しながら、楽しんでえほんを作っていきたいと思います。

審査員・えほん作家 鈴木のりたけさんからのメッセージ:
「さすが15年も絵本を作り続けているだけあって、『もうできてるじゃん!』って思いましたね。ハンバーガーは、マクドナルド主催のコンクールということを狙って作品の中に入れたんですか? …あ、違うんだ(笑)。でもとっても面白かったです」
ゴールド 『ねむたいよう』作/絵:和田直人さん
なかなか夜が明けないと思ったら、夜更かしをした太陽が「ねむたいよ~~う」と眠くて起きられない!

このたびは、このような賞をいただき、大変光栄に思っております。ありがとうございました。
私は普段、粘土で立体の作品を作る仕事をしています。もともとはえほん作家になりたくて、以前は作品作りをしていましたが、しばらくえほんから離れてしまっていました。今回のコンクールの制限が、逆に仕事をしながらでも挑戦できるかな? と思うきっかけとなり、思い切ってチャレンジすることができました。そして、このような賞をいただくことができ、とてもうれしく思っています。

審査員・絵本作家 鈴木のりたけさんからのメッセージ:
「もうどこから見ても、面白い作品ですよね。絵柄もお話しもいい。1冊の絵本になるともっとページが増えていくと思うのですが、次は太陽がどんなことをして笑わせてくれるのかな? と気になっちゃう。続きが読みたいと! 思わせてくれる作品でした」
“ほんのハッピーセット”になるグランプリ発表! 『そらのかけら』とよますあやかさん
コンカン ケンカン コンコンコン…夜空を削る音の正体は、“そらのかけらや”さん。どんなかけらがお店に並ぶのだろう?

普段からストーリー性のあるイラストを描いてはいましたが、えほんとして作品にするのは今回が初めてでした。
自分でもえほんを読むときはテンポがいいことや、次のページをめくりたくなるようなものがいいなと思っていたので、鈴木のりたけ先生にそこを評価していただけて、とてもうれしかったです。
影響を受けている作家さんは、漫画家の山本ルンルンさんや、絵本作家のトミー・アンゲラーさんです。作品の中に何気なく登場する動物などにちょっとした工夫があり、ストーリー性を感じています。

えほんでは、絵で表現したことは言葉では表現しませんし、言葉で表現したことはあまり絵では表現せずに、それぞれの役割があると考え、こだわって作り上げました。
結果的に上手くいきましたが、テンポよくお話を進めるためにどんな言葉を選ぶべきか、語彙力が試されたと思いましたし、今後の自分の課題でもあると感じました。えほんなので難しい言葉は使えない。でも、その中でもどう表現するのかはとっても重要なことだと考えています。

コンクールの募集要項の中で鈴木のりたけ先生が、『こんな発想すごい! 目の付け所が違うな! と思わせてくれる作品をお待ちしています』とコメントをされていたので、自分の中にだけあって他の人には無い視点ってどんなことがあるだろう…と考えていきました。
自分の作品をハッピーセットのえほんとして世の中に出していただけるということは、とっても不思議な気持ちです。この作品を読んで、いろんな角度からものを捉えることができる視点を持ってもらえたらうれしいです。

審査員・えほん作家 鈴木のりたけさんからのメッセージ:
「イラストがスタイリッシュで、個性が確立されている作品ですね。えほん作りのトーン&マナーを全て理解していますし、ページをめくらせるための言葉遣いやテンポなど、全部ご自身の中にきちんと落とし込まれているのに驚きました。この続きを私が描きたい! と思ったほどでした」
えほんには、作り手の人生がそのまま表れます
鈴木さん:今回は、審査員という立場で関わらせていただきました。普段えほんを作っている中で、他の方の作品を見ると影響されてしまうのではないかと不安もありましたが、結果としてとても幸せな気持ちになりました。実際に今日、こうして一人ひとりお顔を拝見すると、同志という感じがします。
えほんは自分が今まで見てきたものや、育ってきた環境がそのまま出るものです。そういうものでしか絵は描けないし、そういうことでしか人は感動させられないので、経験を絵にして戦っている同志としてお会いすることができ、胸が熱くなっています。

鈴木さん:個人的な好き嫌いでえほんを評価するのは簡単ですが、コンクールはそうはいきません。今回選ばれた方は、誰が見ても楽しく幸せな気持ちになれる、そんな作品です。ぜひ今後も作品を作り続けてほしいと思います。
スペシャルサポーター・NON STYLE 石田さんが絶賛する作品も!

石田さん:スペシャルサポーターとしての活動のほか、審査員としても応募作品を読ませていただくことができました。ぼくも普段からえほんの創作活動を行っていますが、みなさんの作品を拝見することで、さらに創作意欲が湧いてきました!
ぼくの娘たちは今「誰かを喜ばせたい」ということに心が動いていて、よくサプライズを考えたりしているのですが、今回グランプリに輝いた『そらのかけら』やブロンズ賞の『ぼくはヒーロー』のように、自然に周りの人たちを喜ばせることができるような考え方も知ってもらいたいなと思いましたね。

石田さん:また、ぼくは普段えほんを創作する上で、“メッセージ性があること”を大切にしているのですが、今回応募作品を拝見して(特に子どもたちの作品!)もっとシンプルに伝えたいことをストレートに伝えていいんだな、と学ばされました。
今回、惜しくも受賞できなかった方たちも、創作活動が好きならぜひ継続してほしいですね。一人にしかハマらない作品だったとしても、その一人にはハマっている。それは自信を持てることだと思います。
多くの力作が集まった『ハッピーえほん大賞』。グランプリ作品の“ほんのハッピーセット”化をお楽しみに!
賞の贈呈は一般部門と子ども部門の各ブロンズ・シルバー・ゴールドと、一般部門のグランプリですが、会場にはそのほかの入選作品をずらりと展示。特に子ども部門の作品は、大人顔負けのものから、勢いのあるダイナミックな作品までさまざまでした!

グランプリ『ほしのかけら』が“ほんのハッピーセット”として登場する日が楽しみですね!
NON STYLE 石田さんが特にお気に入り! という作品も。子ども部門の受賞作はこちら
文/鬼石有起 撮影/五十嵐美弥