コオロギは「かっぱえびせん」!? 昆虫食から「科学漫画サバイバル」とのコラボ展示まで、SDGsが楽しく学べるエコプロ展レポ!

東京ビッグサイトで環境問題を解決する為の情報を発信する「SDGs Week EXPO」が12月10日から12日の3日間に渡り開催。その中の環境総合展示のエコプロ展は、子ども向けの教育コンテンツが充実していて多くの校外学習の児童たちも訪れていました。大人気の「科学漫画サバイバル」とのコラボ展示や体当たりのコオロギの実食まで、最新のSDGsの取り組みをご紹介します!

環境負荷の高いガラス産業の課題に取り組むAGC

「エコプロ」展の会場でも特に大人気だったのが、「科学漫画サバイバル」シリーズとコラボしたガラス製造会社「AGC」の展示です。キャラクターたちと一緒に行う謎解きを通して、「板ガラス」の製造方法を知り、持続可能な社会について学べます。

「科学漫画サバイバル」の主人公と回る謎解きのリーフレット。

入口でリーフレットを受け取り、展示に描かれているドローンを追いかけてブースを回ります。ゴールするとプレゼントがもらえる楽しいイベントでした。

そのほか、ガラス製造のしくみとリサイクルを10分で学べるスペシャルステージを開催。参加者は、「AGC」と「科学漫画サバイバル」シリーズがコラボした書籍「素材世界のサバイバル」をもらえました。

環境負荷の高いガラス産業

ガラス製造について学べる模型とスペシャルステージの様子。

ガラスはフロート法という1600℃の高温で溶かして作るため、化石燃料を使用し、CO2を放出。さらに主原料の砂を採掘しすぎると生態系にも影響する、環境負荷の高い産業とのこと。だからこそ、より環境に配慮が必要であり、展示では「AGC」のSDGsの取り組みを学ぶことができます。

カレット(ガラス屑)のリサイクル

リサイクルガラスからできた製品のサンプル。

「AGC」では、ガラスの製造工程で一工夫。原材料である珪砂などの代替品として、製造工程で発生するガラス屑であるカレットを活用しています。これにより、1.0トンのカレットリサイクルにあたり、天然原料の約1.2トンの節減、1.0トンの産業廃棄物の埋め立て削減に相当しているとのことです。

世界初のガラスの水平リサイクル事業に期待!

ただ、リサイクルはまだ一部だそう。国内で建築物から発生する廃棄窓ガラスは、年間50万トン以上とされています。主に埋め立てや、元の製品よりも品質が低いものとして再利用する“カスケードリサイクル”によって処理されているとのこと。

そこで、今年3月に「AGC」は、廃棄物処理事業者の「オリックス環境」と協業で、国内初となる水平リサイクル事業のスキームを確立。大いに期待できる事業として注目したいと感じました。

前例のない挑戦! アンモニアを利用したガラス製造の実証実験に成功

さらに、「AGC」はクリーン燃料のアンモニアを使用したガラス製造の実証実験に成功しました。製品の量産に適用できる技術に向けて研究開発を継続し、2050年のカーボン・ネットゼロの実現に向けてこの技術の活用を計画しているとのことです。

ガラスは本当にエコなのか?

ガラスというとプラスチック製のものよりも長持ちするのでエコな素材というイメージがありましたが、製造過程では想像していたよりも環境負荷が高く、建材のガラスの多くは廃棄されていることを知り、本当のエコとは何かを考えさせられる展示でした。

そして、環境負荷が高い産業だからこそ、この様な展示を通して、環境に配慮する企業の取り組みを知り、消費者の意識を変えていくことも大切だと感じました。

>>「AGC」の「科学漫画サバイバル」とコラボページについてはこちらから

コオロギが創る未来の食卓?!

「ハイジェント」の生きている食用コオロギ。

未来の食を考える驚きの展示もありました。金属加工メーカーの技術を活かして、食用コオロギの養殖事業を展開する「ハイジェント」のブースでは、生きた食用コオロギが紹介されていました。

一時期、注目されたコオロギですが、ネガティブなイメージが広まってしまったことがありました。

エビやカニと類似のアレルギーはあるものの、多くは根拠のないネガティブな意見だったそう。昆虫食に抵抗のある人が、食用コオロギが急激に食品業界に導入されたことで、恐怖をあおるような情報が出回ってしまったのではないか…と担当者が語ってくれました。

コオロギはおいしい? 実食してみた!

会場の試食用乾燥コオロギ。サクッとした食感で香ばしく、おつまみにぴったりな味わいです。

勇気を出してサンプルの乾燥コオロギを実食してみました! 最初は、カラカラとはいえしっかり虫の形をしている乾燥コオロギを、生きているコオロギを前にして口に入れるのは中々の抵抗感。一緒にブースを見学していた6歳の息子がそっと見守る中、パクッといただきました。

あら! おいしい! 小さいのに香ばしいこと! 塩などの調味料はないも関わらず「かっぱえびせん」のよう。ビジュアルの問題さえ解決できれば…と思いました。

1か月で体重が800倍に! 驚異の生産性

会場でも販売されていた初心者にオススメのお米を使った「コオロギスナック」。

実際食べてみるとおいしかったコオロギですが、なぜ、今、昆虫食なのか。

私たちが生きるのに欠かせないタンパク源の多くは、環境負荷の高い飼料用の作物を必要とする家畜に頼っています。この先人口増加に伴い、食肉の供給不足が発生したとき、コオロギは有力なタンパク源の候補となるかもしれません。というのも、コオロギは、1組のつがいから大量に繁殖することができる上、なんと1か月で体重が約800倍に増加。雑食で、必要な餌も少なく、とても効率よく生産することができるからです。

食糧危機に瀕していない現在の日本では必要なくとも、将来に備えて、今から技術と知識を蓄えることには大きな社会的意義があると考え、「ハイジェント」は食用コオロギの開発に力を入れているとのことです。

食用コオロギは安全? 「ハイジェント」が不安に答えます!

食用コオロギについての不安に回答してくれた「ハイジェント」の担当者。

「ハイジェント」のコオロギは、食用として特別に完全屋内で飼育している野生のコオロギとは違うものです。ISO9001-HACCP(食品安全)の認証を取得し、食品としての安全性に十分に配慮しているとのことです。発がん性、妊婦への禁忌、微生物や寄生虫の発生、重金属問題など、ネットで広まった不安について「ハイジェント」では丁寧に回答しています。

筆者としては、昆虫食に抵抗がある人が無理をして食べる必要はなく、アレルギーを含め、全ての人に向いている食品ではないとは感じています。けれども、製品案内を読んで納得した上で、コオロギに対する偏見が少なくなり、将来の食糧危機問題を解決する一つの選択肢として理解が広まればよいと思いました。

「ハイジェント」の食用コオロギの製品には、そのままの乾燥コオロギから、お煎餅やスナックに入った食べやすいものまであります。食用コオロギに興味のある方は、製品の購入もできるので、ウェブサイトをチェックしてみてくださいね。

>>ハイジェント社の食用コオロギについてはこちらから

>>食用コオロギの販売サイトの「デリセレクト」についてはこちらから

青リンゴのようなフルーティーな香りのタガメ

もう一つ、昆虫食でオススメなのが「TAKEO」の「タガメサイダー」。こちらは昆虫食に抵抗がある方でも飲みやすい青リンゴのような爽やかなドリンク。特許取得の独自の製法で抽出したタガメエキスを0.3% 配合し、タガメの持つフルーティーな香りを忠実に再現した炭酸飲料です(海外で養殖されたタイワンタガメを使用)。

タガメの香りが体験できるサンプル。

会場では、実際にタガメの香りを体験できるサンプルがありました。昆虫とは信じられないくらい爽やかな、ラフランスや青リンゴを思わせるフルーティーな香りで驚きました。

こちらの「タガメサイダー」は、先出のコオロギと違って栄養的な意味はあまり多くありませんが、気軽に楽しめる新しい昆虫ドリンクとして考案されました。

また、まるで香水の様な良い香りがする虫がいるということを知ることで、昆虫食のイメージをポジティブなものにしたいという狙いもあるとのことです。さらに、売上金の一部はタガメの基礎研究の応援のため寄付され、昆虫資源や自然環境の保全の応援にもなります。

コオロギやタガメだけではなく、さまざまな昆虫を扱う「TAKEO」

「TAKEO」では、コオロギやタガメだけではなく、カブトムシ、セミの幼虫、カイコ、シロアリ、バッタ、サソリ、などさまざまな昆虫食を扱っています。会場でもらったカタログの写真の幼虫ミックスなど、ゾワゾワしながらもついつい気になって見てしまいます。

浅草に「昆虫食 TAKEO」カフェがあり、「タガメサイダー」の他、昆虫カレーやアイスなど昆虫食を楽しむことができます。お買い物、昆虫食カフェ、情報収集ができるいきもの体験型スポットとして、昆虫食を考えるいいきっかけにもなりますので、気になる方は店舗を訪れてみてくださいね。

>>昆虫食を扱う「TAKEO」についてはこちらから

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