有意義に過ごして実りある夏休みに!
「百ます計算」などの「隂山メソッド」が多くの学校・家庭で成果をあげている隂山英男先生が、子どもの学力を家で伸ばす方法について教えてくださるコーナーです。今回のテーマは、夏休みの家庭学習についてです。
小学生の夏休み、何の準備もなく夏休みを過ごしてしまうと40日間何もしなかったということになりかねません。そこで私は夏休みを4つの期間に分けて計画・実行することをおすすめしています。親も子も笑顔で9月1日を迎えられる夏休み大作戦!です。
【夏休み第1期:~7月下旬】
初日から学校がある日と同じ時刻に起き、まずは夏休みにしなくてはいけないことを整理しましょう。国語や算数の宿題、自由課題、日記など、必要な教科書やプリント、ノート、筆記用具をひとまとめにしておくとよいでしょう。夏は昼前から暑くなり集中しにくくなりますから、朝の比較的涼しい時間を有効活用。勉強する時刻は8時半~10時の間で毎日30分程度。国語や算数などの宿題を7月中に終えられるように計画し、実行しましょう。「学校に通っているときの生活リズムをくずさない」ことがポイントです。
【夏休み第2期:~8月上旬】
とはいえ8月に入れば、生活リズムは多少乱れてきます。そこでこの時期に取り組みたいのが自由課題。工作、お絵かき、自然に興味がわくような観察…。本やインターネットを使って親子で「何をしようか?」「これはどう?」などと話し合い、テーマを決めて取り組みましょう。「夢中になることの楽しさ」を味わわせてあげたいですね。読書感想文などの課題がある場合は、この時期に読んで感想文も書いてしまいましょう。
【夏休み第3期:~8月中旬】
お盆休み前後は、帰省や旅行、お祭りなどの行事も多く、親も休みになる場合が多いので、子どもの心も浮き立ちます。ここは思い切ってたっぷり遊ぶ時期にしましょう(そのためにも7月下旬~8月上旬の第1期~2期を計画的に過ごすことは大切ですね!)。
【夏休み第4期:~8月下旬】
基本的には7月下旬(第1期)と同じように過ごします。プリントや日記、自由研究でまだ終えていない課題があれば片付け、終わったものからランドセルに入れ、「9月1日の朝はドタバタせずに、ランドセルを持っていくだけでOK!」という状態まで整理しましょう。
余裕があれば、2学期で習う「くり上がりのたし算&くり下がりのひき算」に備えて、「毎日プリント」で、基本をしっかりおさらいしておいてください。そして2学期に使う国語と算数の教科書をさっと読んでおくこと。ここまでできれば、2学期の準備もふくめた文句なしの有意義な夏休みとなることでしょう。
https://hugkum.sho.jp/kageyama-method
教えてくれたのは
1958年兵庫県生まれ。1980年、岡山大学法学部卒業後、教職の道へ。百ます計算をはじめ、「読み書き計算」の徹底した反復学習と生活習慣の改善に取り組み、子ども達の学力を驚異的に向上させた。その指導法である「陰山メソッド」は、教育者、保護者から注目を集め、「陰山メソッド」を教材かした『徹底反復シリーズ』は、総計770万部の大ベストセラーとなっている。現在、YouTube『陰山英男公式チャンネル』で授業や講演を公開して注目を集めている。
編集協力/小倉宏一(ブックマーク) 撮影/奥田珠貴
(初出:『小学一年生』2015年4月号)