みかんの美味しい食べ方のひとつに、「冷凍みかん」を思い浮かべる人も多いのでは? 実はこれ、とても理にかなっているんですよ!というのも、そのまま食べてももちろんみかんは美味しいのですが、冷凍すると得られるメリットがたくさんあるんです。みかんを、たまにはあえて凍らせてみませんか?
凍らせて美味しい冷凍みかん
冷凍みかんのメリット
メリットのひとつは、みかんを冷凍すると、より甘くなるんです!
一般的に、甘みは冷やすと感じにくくなると言われていますが、冷凍して甘くなるのは、みかんの糖分「果糖」に秘密があるんです。
果糖は、冷やすと甘みが増す性質があるため、酸味が強めのみかんでも、冷凍すると甘く感じるはず。
また、常温でのみかんの保存期間は2週間ほどですが、冷凍することで、約1カ月保存できるのもうれしいポイント。箱買いしたみかんを、すぐには食べ切れないときなどに冷凍してみませんか。
冷凍みかんの栄養は?
みかんには、ビタミンCが豊富に含まれており、1日2~3個食べると、1日に必要なビタミンCを摂取できると言われています。
ビタミンCには、抗酸化作用や、体の免疫機能を高める働きがあるので、特に風邪やインフルエンザが流行する時期に、積極的に食べてほしい果物のひとつです。
また、疲労回復に効果があるクエン酸、薄皮や白い筋には食物繊維の一種であるペクチンが豊富に含まれています。
そして、これらの栄養素は、冷凍してもほぼ変化しないので、冷凍みかんもぜひ楽しんでみてください。
お家で作る 冷凍みかんの作り方
冷凍みかんは、家庭でも簡単に作ることができますが、ちょっとしたコツがあります。
できるだけ速いスピードで凍らせること
家庭の冷凍庫は、業務用のものに比べて温度が高く、凍るのに時間がかかるので、金属トレーなどを使って、冷凍時間を短縮しましょう。
皮ごとなら、2回凍らせること
みかんを冷凍するときは、一度凍らせたみかんを取り出し、水にくぐらせて再び凍らせましょう。
こうすることで、みかんの皮の表面に氷の膜ができるので、冷凍による乾燥を防ぐことができるんです。
では、さっそく作ってみましょう。
作り方①
みかんを軽く水洗いし水気を拭き取ったら、金属のトレイに載せてしっかり凍らせる。
作り方②
凍ったみかんを一度取り出して、水にくぐらせる。
作り方③
再び、金属のトレイに載せ急速冷凍させ、 しっかり凍ったら、冷凍保存用のポリ袋などに入れ、保存します。
皮をむいて冷凍する場合
皮をむいて冷凍すると食べやすい上に、凍ったまますぐに調理に使うことができます。また、デザートなどで飾り付けに使うときも便利です。
作り方
① みかんの皮をむいて、白い筋を取る(白い筋には食物繊維が豊富なので、お好みで)
② みかんをラップに包む。丸ごとの場合はそのまま、小房に分けた場合は、一粒ずつ包みます。
③ 金属トレイなどに載せて、冷凍庫で凍らせる
*みかんの皮をむいて冷凍した場合は、2度凍らせる必要はありません。
冷凍みかんの美味しい食べ方は?
冷凍したみかんは、解凍にもコツがありますので、紹介します。
冷凍みかんの解凍方法
最も簡単な方法は「自然解凍」で、皮ごと凍らせたみかんを冷凍庫から出し、外側の皮に、霜が少しだけ残るような状態になり、触ってみて皮が少しやわらかくなっていたらOK。
室温にもよりますが、30分くらいが目安です。
もっと早く、簡単に!というときにはお湯にさっとくぐらせたり、お湯をかけたり、湯煎をして、外側の皮がむけるくらいやわらかくすると良いでしょう。
冷凍みかんの食べごろは?
完全に解凍してしまうと、せっかく凍ったみかんの果汁が、解凍時に水分と一緒に流れ出てしまいます。冷凍みかんの一番美味しい状態は、「半解凍」のいわゆるシャーベット状態がおすすめです。
皮をむいて凍らせた、冷凍みかんはアレンジしてスムーズにも♪
皮をむいて凍らせたみかんの場合は、半解凍も必要なく、そのまま食べることができます。
ヨーグルトやアイスクリームのトッピングにもむいていますし、凍ったまま調理ができるので、ほかのフルーツや牛乳などと一緒にミキサーにかけてスムージーにしても美味しいです。
冷凍みかんの保存期間はどれくらい?
家庭でも手軽にできる上、冷凍みかんは約1~2カ月と日持ちします。
冷凍みかんってどこか、懐かしいですよね。駅の売店で売られていて旅のお供にした経験や、給食のデザートとしても人気の冷凍みかん。みなさんもぜひトライしてみてください。
文/斉藤和美(フードコーディネーター) 構成/HugKum編集部