子育てをしていると、大変だと思うことってたくさんありますよね。お金のことや、保活、ワンオペなど問題がさまざま。そして、電車やバスでベビーカーが使いにくい、赤ちゃんが泣くと冷たい目で見られる…など、日本の子育てってなんだかおかしくない?と思う人も多いですよね。
ママ・パパたちはどう感じているのか、日本のどんな現状が問題なのか、一斉アンケートを実施。ママ・パパの赤裸々な本音がたくさん出てきました。
目次
子育てのお金や制度に思うこと
まず、子育てにはお金がかかります。金銭面の心配があり、次の子どもを考えられないということも。教育費や補助金などお金の問題をおかしいと感じる人たちが多いようです。
教育費が高い
まずいちばんに声が挙がったのが、教育費が高いということ。例えば、公立小学校に入っても、給食費や教材費が細かくかかってきます。全部無料じゃないの?と驚いたママ・パパも少なくないのでは。また、仕事をしている場合には、保育園・学童・アフタースクールの費用がかかったりと、いつまでも負担が減らないことも。
そして、大学入学への金銭的なハードルの高さを挙げる人もいました。しかも受験のためには塾がほぼ不可欠。入るための費用も国立大でさえ、諸外国と比べると高いのが実情です。奨学金を借りることで、社会人になっていきなり借金を負う現在の制度には疑問を感じる人が多いようです。
「大学で学びたい人のために借金を負わせること」 (40代・三重県・子ども2人)
補助金が小さい子までしかない
児童手当は1人あたり10,000円または15,000円。所得制限もあり、さらに15歳まで。本当にお金のかかるのは中学生以降なのに…。という声も多く上がりました。
幼保無償化にはなったものの、小学生以降の補助金が児童手当だけというのは心もとないですよね。
地域により制度に差があるので改善してほしい
自治体によって子育て支援の違いがあり、不公平感を感じる人も多いよう。
医療費の補助については短いと小学生まで、長い場合には18歳までありますがかなり少数。また、補助の上限があり、小学校中学年以降は、診療ごとに500円程度の負担が求められることも。ケガや病気をしても、病院に行きにくくなってしまうのはつらいですよね。
また、出産時における子育て支援が手厚い自治体だと出産祝い金が出たりと大きな違いが。住む場所は簡単に選べないので、差をなくして欲しいという人は多いはず。
「医療で小学生からは自治体によって差がある」 (40代・神奈川県・子ども1人)
家庭の経済状況などで教育の格差を感じる
子どもは等しく教育を受ける権利があるはずなのに、実際は親の経済状況によって子どもにかけられる金額が大きく分かれてしまうことが多いよう。家計に余裕があれば、塾にたくさん通えたり、家庭教師をお願いするなど、日々の勉強や受験にも有利に。教育格差は、親から子へと受け継がれることも多く、頑張っても報われない子が多いことは、社会にとっても問題ですよね。
「家庭の経済状況により子供の格差が広がりすぎている」(30代・宮城県・子ども2人)
頼りやすい社会環境の整備・改善をしてほしい
ひとりで奮闘しているママ・パパたちにとって、「大変ですね」「手伝いましょうか」というような、たったひとことに救われたという人も少なくないのでは?温かさを感じられない社会環境について疑問を感じる人もたくさんいました。
子育中に感じる世の中への疑問
特に少子化で、子どもは産むべきという圧力を感じる一方で、子どもはうるさいと言われたり、仕事への影響が大きかったりと、産んでも産まなくても負担感を覚える人がも少なくないよう。少子化は今すぐに変えなければいけないのに、女性ばかりが頑張らなければいけない社会は疲れますよね。
社会全体が子育てに優しくないと感じる
また、日本の子育てに窮屈さを感じるママ・パパも多いよう。「子どもは社会の宝」であり、未来の社会の働き手であり担っていく存在ですよね。ただでさえ、少子化の日本では、より多くの子どもを健やかに育てることが、高齢者が安心して暮らせる社会につながるのですが…。
子どもを連れての外出では、子どもが迷惑にならないようにと必死で気を遣うママ・パパも多いですよね。優しい目で見守ってくれたらラクなのにと思いますよね。
「社会全体で子供を育てようという感じがない」(40代・愛知県・子ども1人)
ベビーカーに理解がないと感じる
ベビーカーで子どもを連れたママ・パパのほとんどが経験していると思われる肩身の狭さ。電車やバスの中でいい顔をされなかったり、階段で困っていても手助けをしてくれる人がいなかったりと、悲しい思いをすることが少なくないはず。また、エレベーター自体が少なく、並んでも長蛇の列、ということも。抱っこで大荷物を持つことの大変さをもっとたくさんの人に知ってもらえたら、と思いますね。
昔に比べて治安が悪くなったように思う
小学生が1人で登下校する際に事件や事故に巻き込まれる悲しいニュースが頻繁に流れる昨今。また公園で一人で遊びに行かせられないなど、自分たちが子どもだった時と比べると危険が身近に感じられることも多いよう。
「昔と違い子供を自由に遊ばせれないこと」(40代・北海道・子ども2人)
仕事と子育ての両立は、正直難しい
社会的な問題として整備が整ってきたとはいえ、まだまだたくさんのママ・パパが子育てで難しいと感じるのが、仕事と育児の両立ですよね。
日本は子育ての優先度が低いと感じるママ・パパの声
仕事が第一で、子育ての順位が低いと感じるママ・パパは多いよう。子どもが小さいのに、パパが残業でワンオペ状態のママや、子どもの病気で休みを取りたくても取れない空気を感じるパパも多いですよね。
そもそも多くの会社のシステムが子育てを前提としていない中で、1日に何回すみませんと言ったかな…なんて考えてしまうこともあるのでは。働き方が多様になってきたものの、まだまだフレックスタイムやテレワークへの壁は厚いよう。
「子育て優先の社会でないので、就業時間や勤務時間・日数など、子育てしていようがいまいが、同じである事を変えて欲しい。子育て中の場合、全ての職場において、フレックス出勤やテレワークなど、働き方を自分で選べるようにしてほしい。そして、もっと子どもや家族を第一に優先して良い環境になってほしい」(40代・神奈川県・子ども2人)
「子供や家族がどんな状況でも必ず出勤しなければいけない、働かなければいけない、という状況を変えてほしい。」(30代・東京都・子ども2人)
融通が利かず休みにくい
子どもの体調不良でどんどん有給を消化してしまったり、行事に参加しにくいという声も。少しの熱なら保育園に預けてしまうなんて経験を持つ人も多いのでは。
「子供の学校行事や体調不良で休まなければならない時はもっと融通を聞かせてほしい」(20代・茨城県・子ども2人)
小さい子がいるとパートや時短にせざるを得ない
フルタイムの共働きが大変で挫折してしまったり、復職できないなんてことも多いはず。また、パートで働いても結局は社員並みに働かされるという本末転倒なことも起こっているようです。
「子どもが小さいからパートで働いているが、社員と同じ仕事させられるのに給料が違いすぎる」 (30代・群馬県・子ども2人)
共働きが増えるのに保育園などが不足、改善されていないこと
「女性活躍」と謳われる昨今、今まで働いていなかった人が働きたいと思っても保育園がないから働けないという声は相変わらずよく聞きますよね。保育園を増やしても働きたい人が増えるから、いたちごっこなんていう言葉を聞くと悲しくなりますよね。
保育園や託児所が不足している
働きたいと思っていても、預けられる保育園や託児所がまだまだ不足していますよね。預けられなければ、幼保無償化の意味もなく、つらい思いをしているママ・パパがたくさんいるはず。また兄弟で違う保育園になってしまい、2ヶ所への送り迎えや、電車に乗っての送り迎えなど、負担感が増してしまうことも。
「兄弟でも同じ保育園に入れないことがある」 (40代・東京都・子ども2人)
保育士の待遇の低さや人手不足
保育園が足りない中で、保育士さんが不足しているという現状も。また待遇が良くないので、保育士免許を持っているのにも関わらず仕事をしてないという人も多く聞きます。質よりも量、が優先されてしまっている中で、保育無償化よりも、保育士さんへの待遇に税金を使って欲しいという声も多いようです。
「保育料無料にするより、保育士さんの給料などの待遇を上げるほうが長い目で見れば経済効果があると思う」(30代・埼玉県・子ども2人)
「保育士の不足」(30代・宮崎県・子ども3人)
子どもの預け先がなくて働けない
保育園不足の中、代わりとなる幼稚園だと預かり時間が短くて無理ということも。また、子どもが小学生になってからも、まだまだケアが必要な年齢。学童の空きがなかったり、保育園よりもお迎えの時間が短い、など「小一の壁」に悩まされている人も多いですよね。
「働きたくても、子供の預け先がなくて働けない。 保育園は、常に空いてないし、幼稚園は、預かり保育時間が短い」(40代・東京都・子ども2人)
「学童など、時間的な制限もあり、単発では預け先がなく働けない」(40代・埼玉県・子ども2人)
育児は母親主体の考え方がまだまだ根強い
家事だけでなく、育児もまだまだ母親がやるべきという風潮が強いのが日本社会。子どもが熱を出せば、仕事を休むのは当然のようにママ、なんて家庭は多いですよね。逆にパパが休みたいと思っても、男性は育児のために休みにくいということも。
「母親への負担が大きく、子どものことは母親がフォローするという考えが根付いている」(30代・大阪府・子ども2人)
「女の人にいろいろ背負わせすぎ。育児、仕事、だけでもなく介護もやれと?冗談じゃない。」(40代・神奈川県・子ども1人)
共働きでも圧倒的にママの家事負担が大きく、パパはイクメンと言われているような家庭でも、“名もなき家事”が実はたくさん残っていて、疲れ切ってしまうママは多いはず。
子どもは社会の宝と考える社会へ
少子高齢化の中、子どもが生まれ、育っていくのは喜ばしいことのはず。また、諸外国では育児が当然のように社会に組み込まれていることも多いですよね。ママ・パパがもっとラクに育児ができればもっと子どもも増えていくはず。社会の改革はまだまだ必要ということを、訴え続けることが必要なのかもしれません。
文・構成/HugKum編集部