こんにちは!ロンドンでふたりの息子の子育てをしているYukoです。
前回に続き今回も、コロナウィルス感染拡大防止のため、一斉休校になったロンドンでの生活をレポートしたいと思います。
3月20日からイギリス全土で一斉休校へ
休校宣言で親たちはホッと安堵
イギリスは新型コロナウイルス対策として、3月20日から公立の小中高等学校を休校すると発表しました。期間は決まっていませんでしたが、そのままイースターホリデー(春休み)に突入しています。
学校ではコロナ対策として、正しい手洗いの方法や手を洗いながらバースデーソングを2回歌うと丁度20秒になると教わったり、徐々にクラスメートの欠席が多くなる中で、状況を理解しつつの休校宣言となった事で、突然のことにショックを受けると言うより「やっと自分たちも学校を休める!」という子供発想がメインだったので親としてはホッとしました。
学校からの課題やオンライン授業
イギリスは5歳からが義務教育なので、プライマリースクールに5歳と8歳の息子が通っていますが、休校前に二人とも個人のメールアドレスや、休み中の課題がプリントで渡されました。課題の内容や量は学校によってまちまちで、イースターホリデー2週間前のタイミングもあってか、課題を出さなかった学校もあったようです。
手探りで始まったホームスクーリング
ハッキリとしたガイドラインがないままスタートしたホームスクーリング。学校も親も手探りです。今でこそペースが掴めて来ましたが、初めの頃は何をどのくらいやらせたらいいのか、仕事をしつつ子供の勉強を見れるのか、逆に子供が家にいる状態で在宅ワークがこなせるのか等々 不安や負担がとても大きかったです。そしてロックダウンやホームスクーリングについての膨大な数のWhatsApp メッセージが飛び交い、情報が錯綜しました。
そこには、参考になるものもあれば、余計に不安を助長させる物もありました。情報が溢れすぎて、たくさんあるソースの全てをチェックしなくては、という勝手なプレッシャーを生み出したりもしました。とにかく皆がどうしたら良いのか分からない、という感じだったのです。
google class roomを活用
基本的に息子の学校ではgoogle class roomを軸に、先生と生徒たちのコミュニケーションや追加課題の連絡を共有しています。クラスによって使い方は様々で、低学年では先生が読み聞かせをしたり、個別にメッセージを送ったり、課題が難しい、又は簡単すぎるという子には別の問題を提案したり。
ビデオ会議は心の安定になる
ビデオ会議を使ってクラスメート達で交流することもありますが、まだ年齢が低いので会話というよりは、こちらはいたずら合戦になっていることが多いようです。それでもやはりクラスメートの顔を見て話すのはとても楽しそうですし、確実に心の安定に一役買ってくれています。知らない間にそれなりの速さでメッセージを打てるようになっているのも驚きでした。
共働きに加えて遊びや習い事に追われていた毎日からスローダウンして子供と過ごす事で、嬉しい発見もたくさんありました。
3〜11歳向けのサイト『Busy things』もお気に入り
もう一つログインの詳細が渡されのは『Busy things 』というサイトのものです。3歳から11歳が対象でアートからアカデミックまでゲーム感覚で学べる内容がぎっしり詰まったサイトです。
学校対抗の計算チャレンジゲームもあり、友達から自分たちの学校が今最下位になってしまっていると連絡があると、順位復活をかけて、すかさずログインして必死に計算を解きまくっています。問題を解くスピードも自ずと上がる賢い仕掛けになっているんですね。カラフルでキャラクターも可愛いので、子供達はご褒美感覚でこのサイトにアクセスしています。
美術館や博物館のバーチャルツアー
学校の課題とは別に、私たちが子供と一緒に楽しんでいるのは美術館や博物館のバーチャルツアーです。
他にもたくさんのバーチャルツアーが存在するので、自宅待機中の今だからこそ世界中のアートに家族で触れ合うのもいいかもしれません。
どの家庭も運動で1日をスタート
YouTubeライブ「P.E.with Joe」のエクササイズが人気
ホームスクーリングの時間割等は特に設定されていないのですが、我が家を含めたくさんの家族がお世話になっているのが、午前9時からYouTube ライブでスタートする Joe Wicksによる「P.E. with Joe」(ジョーと一緒の体育の時間)です。
大人でも息が切れるエクササイズを30分間こなし、ここから1日をスタートさせるという家庭が殆どです。エクササイズの途中には、画面のインテリアが昨日と違っているのをあてる spot the differnce があったり、途中でJoeの2歳になる娘Rosieちゃんが画面に出てきちゃったりとアットホームな雰囲気も人気です。もはや「P.E. with Joe」は海を越えて世界に広がっているようで、そんな繋がりを感じながらすががしい朝の一歩を踏み出すのもオススメです。
ホームスクーリングを始める子どもの両親へ、セラピストの言葉が響く
情報が溢れているこの時代、 見つけようと思ったら山ほどやることは出て来るかと思います。誰かが あれをやってるこれをやっているという話を聞いたり、SNSをチェックすると焦ってしまうことも多いかと思います。 私もそうでした。そんな時に母親たちがシェアし合い励まされた、学校勤務のセラピストの言葉を要約して紹介します。
勉強の進み具合より、大切なのは子どもの心の健康です
あなた方は、子供達の為にあれやこれやと調べては、一時間毎の勉強の計画を考えているかも知れません。
でも覚えておいて欲しい事があります。
子供達は、休みが増えて嬉しい!というくらいにしか思っていないかも知れませんが、自宅待機や友達としばらく会えないという事をまだよく理解していないでしょう。でも、状況をよく理解していなくても、親たちが感じる不安やプレッシャーを同じように感じ取っています。
これから来る何週間かの間に、子供がわがままになったり癇癪を起こしたりと、いつもと違う態度を見せる事があるでしょう。でもそれは、この状況では当たり前のことなのです。
子供達に今必要なのは、安心と愛されていると言う事を実感する事です。あなたの作った完璧な勉強スケジュールはゴミ箱に捨ててしまって、いつもよりも、もう少しだけ子供を愛してあげてください。外で一緒に遊んだり、家族で一緒に映画を見たり、お菓子を一緒に作ったり。一緒に毛布にくるまって、何にもせずに温もりを感じるのもいいでしょう。
学校の勉強についていけなくなるかも、なんて事は気にしないでください。どの子供も、おんなじ状況で同じ船に乗っているのです。大丈夫。心配要りません。学校に戻ったらカリキュラムは見直され、みんなが分かるところからスタートし直す事でしょう。先生たちもそんなことくらい分かっています。子供が、算数をしたくないからとイライラしないこと。子供があなたのプラン通りにしないからと八つ当たりしないこと。
私が一つだけアドバイスするとしたら、一番大切なのは子供の勉強の進み具合ではなく、あなたの子供の心の健康です。子供達はこの自宅待機期間中に過ごした日々を生涯覚えている事でしょう。それを心に留めておいてください。
この言葉は、まさに私たち一人一人の胸に刺さり、支えとなっています。子供達が大きくなっていつか振り返った時に、大変なことだけじゃなかったよね、楽しいこともいっぱいあったよねと言えるように、バランス良く前を向いて過ごしていければと思っています。まずは子供達の心の健康を第一に。
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氏家祐子