毎日ご飯作りを頑張る子育て世代に向けたレシピ本『志麻さん式定番家族ごはん』が発売されました。
本書では、定番家庭料理レシピだけではなく、志麻さんの本で初めて離乳食のレシピも掲載されています。家族の分と同時につくれるレシピばかりなので、手軽に挑戦できる上、家族で同じものを食べる楽しさも味わえますよ!
その魅力を、2児の母で大の志麻さんファンの筆者がご紹介します。
伝説の家政婦・志麻さんとは
フランスの三ツ星レストランで修業後、日本の老舗フレンチレストランでシェフとしてのキャリアを積んだ後、フリーランスの家政婦に転身。
瞬く間に予約の取れない人気の家政婦となり、現在メディアにもひっぱりだこの女性です。
プライベートでは、フランス人の夫を持つ2児の母。
子育て家庭にはフレンチが◎⁉
フランス料理と言えば、豪華で手の込んだコース料理を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、それはレストランの話。
フランスの家庭料理はシンプルで作りやすい!
志麻さんが紹介してくれているのは、フランスの一般家庭で食べられている家庭料理です。
家庭で食べられている料理は素朴で優しく、志麻さん曰く「共働きの家庭にもぴったり」なのだそう。塩がベースのシンプルな味付けが多く、料理の苦手な方も作りやすいのだとか!
野菜料理のバリエーションが多く、子どもに食べさせやすいのも特徴です。
フレンチ式離乳食レシピ
お肉料理の付け合わせで定番の、野菜を柔らかく茹でてつぶしたピュレ。
志麻さんによると、フランスでは大人も子どももピュレが大好きで、離乳食にも適しているとのことです。
野菜好きに育つ
野菜の甘みを生かしたピュレで育ったフランスの子どもは、野菜の好き嫌いが少ないと言われているそう!
ここでは、じゃがいものピュレの基本レシピを『志麻さん式定番家族ごはん』本から転載してご紹介しますが、本書ではアレンジのレシピも載っていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
本の詳細はこちら>>
『じゃがいものピュレ』
【材料】
(2人分)
・じゃがいも…2個
・バター…10ℊ
・牛乳…1/2カップ(100ml)
1. じゃがいもは2㎝幅の輪切りにし、沸かしたたっぷりの湯(分量外)でゆでる。
2. 竹串がスッと通るくらいまで軟らかくなったら、ザルに上げて水気を切る。
3. じゃがいもをすぐに鍋に戻し、熱いうちにバターを入れ、スプーンでつぶしながら混ぜる。
4. 大きな塊がなくなるくらいまでつぶしたら、牛乳を少しずつ加えながら、なめらかになるまで混ぜる。
作り方TPO
なめらかにしたい場合は、水切りしたじゃがいもをザルでこす。普段の食事には、少し塊が残るくらいでもOK!
にんじんやかぶなど、水分の多い野菜でつくる場合は、硬さの様子を見ながら、牛乳を入れないとか量を減らすなど、調整して。肉料理にソースのように敷く場合は、牛乳の量を増やしてサラサラに。料理の横にポテッと付け合わせるなら、牛乳の量は控えめに。
パーティー向けレシピ
もう一品、クリスマスや年末年始のパーティーでインパクトたっぷりの、パン・ド・ヴィアンのレシピもご紹介します。
フランス流のミートローフで、焼くまではハンバーグとほぼ同じレシピ。オーブンでほったらかしにできるから、合間に他のことができて助かりまよ!
『パン・ド・ヴィアンド』
【材料】
(2~3人分)
・合いびき肉…500ℊ
・玉ねぎ…1個
・牛乳…1/2カップ(100ml)
・食パン(6枚切り)…1枚
・卵…1個
・塩…小さじ1/2
・A
黒こしょう…適量
トマトケチャップ…大さじ2
マヨネーズ…大さじ1
中濃ソース…大さじ2
【作り方】
1. 玉ねぎはみじん切りにしてラップに包み、電子レンジ(600W)で2分加熱した後、冷ましておく。Aは小さな容器に合わせておく。
2. ボウルに牛乳、溶いた卵を入れて混ぜ、そこに食パンをちぎって入れる。食パンが牛乳と卵でふやけるように、手でしっかりと混ぜ合わせる。
3.2に、ひき肉と1の玉ねぎを入れ、塩・こしょうをしたら、粘りが出るまでしっかりとこねる。
4. 耐熱容器に、空気が入らないように押しながら3を詰める。表面を平らにし、Aを混ぜたソースの半量を表面に塗る。
5. 200℃に予熱したオーブンで、30~40分ほど焼く。竹串を刺してみて、透明な肉汁が出てきたらOK。そこで一旦取り出し、残りのソースを塗ってから、さらに5分焼く。
コラムも見逃せない面白さ
レシピの他に、是非読んでいただきたいのが管理栄養士の太田百合子さんとの食育対談と、志麻さんのフランス人の夫 ロマンさんの子育て話です。
子どもの好き嫌いは大事な成長過程
好き嫌いや遊び食べなど、子どもの食の悩みは尽きないものです。多くの家庭で料理を作ってきた志麻さんと、乳幼児の食に長年携わってこられた太田さんとのお話は、おおらかに構える大切さを教えてくれます。
特に「好き嫌いは当たりまえのことで、“ちゃんと言えるようになったんだね”と成長を喜んでいいくらい」というお話には驚きました。食べさせようと躍起になるより、見守る余裕を持つことが必要なのですね。
その他にも、フランス人の夫 ロマンさんが語るフランス流子育てのコーナーは、子育てへの新しい視点を与えてくれます。
子育て中の志麻さんならではのプロの技
本書は、伝説の家政婦・志麻さんのとっておきレシピ&料理上手になれるワザが余すことなく披露されています。
この本を開くまで、フレンチと子どもの料理とが結び付かなかった筆者ですが、シンプルで素材の味を生かすフランスの家庭料理は、味覚が発達途中の子どもにピッタリだと納得しました。また、子育てや食に関する悩みをお持ちの方は、パラパラとめくるだけでも、気持ちがラクになる言葉に出会えるはず。
料理をする際、「今日、何をつくろう……」とか「子どもに野菜を食べさせなきゃ!!」と力が入ってしまう方に、是非手に取っていただきたい一冊です。
文・構成/寒河江尚子