整理収納アドバイザーによる「子ども収納、やりがちNG行動ベスト5」

子ども収納のやりがちNG行動を考える!

「家事育児に追われて家の中がゴチャゴチャ!」「本当はスッキリ暮らしたいのに」という悩みを抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。子どもとの暮らしに“整理収納のコツ”を取り入れると、親の負担やストレスが減り、子どもの生活力を育むことができます。

8歳、6歳、4歳の3児の母である整理収納アドバイザー・水谷妙子が隔週でお届けする「整理収納のコツ」シリーズ。

今回のテーマは「子ども収納、やりがちNG行動ベスト5」です。

整理・収納・片づけのノウハウをいくら得ても、どうも快適な暮らしにならない。そういった方の行動には共通点があると気がつきました。整理収納アドバイザーとしてたくさんの親子と接するなかで得た情報や、私自身の幼少期からの片づけられない経験をふまえて5つにまとめています。子ども収納のやりがちNG行動を知っていただき、皆さまの暮らしにお役立てください。

①人のせいにしてしまう

「うちの子は、本当に片づけられない子なんです!」「子どもがモノを捨てられないから、全然片づかなくて」というように、整理・収納・片づけができないことを人のせい(この場合、子どものせい)にして責める方ほど、暮らしのモヤモヤが解決しにくい傾向があります。子ども以外でも、パートナーや親に対しても同じことが言えます。人を責める想いが言葉や態度に出てしまうと、相手は嫌な気持ちになります。否定されて疎外感を味わったり、揉め事の引き金になってしまうかも。

また「私が子どもに片づけを教えられないからダメなんです!」「私がもっと捨てられたらいいんですけど」と自分のせいにすることも、なるべくやめた方がいいでしょう。整理・収納・片づけに過剰な苦手意識を抱えてしまったり、自己肯定感を下げるキッカケになるからです。

人であれ、自分であれ「誰かのせい」にすると、感情が邪魔をして、問題の本質にアプローチしにくくなります。整理・収納・片づけにおいて「何をどう改善していくか?」が見えにくくなるのです。うまくいかないのは、誰のせいでもなく「仕組み」のせい。「今の仕組みだと片づけが難しいようだ」と客観的な事実を把握して「どうしたら解決できる?」と前向きなアイデア出しをする!と決めると、気がラクになりませんか?

ちなみに私自身は、子どもの頃から整理、収納、片づけを身につけないまま大人になり、2人目の子どもの出産を機に克服した経験があります。しかし「子どもの頃に教えてくれなかった親のせいで苦労した!」とは全く思いません。身につけられる環境に無かった、ただそれだけのこと。何歳になっても、自分にとって必要なタイミングから身につけても遅くはないと信じています。「人のせい」にしたいその気持ちを一旦横に置いて、これからの暮らしを整えるための前向きなエネルギーに変換してみませんか?

②すぐに収納用品を買ってしまう

整理・収納・片づけが苦手な人ほど収納用品や棚を買ってしまいがち。なぜなら、モノに溢れて困った状態を手っ取り早く解決してくれる!と思ってしまうから。でも、ただ収納用品や棚を増やしても、根本的には何も解決ません。

元・商品開発者としてこのようにお伝えすることはとても心苦しいのですが、収納用品を売る側は、商品を買ってもらうために日々あらゆる努力をしています。商品自体を便利に設計し、何個も買いたくなるような工夫をします。商品特徴はキャッチーで、魅力が伝わるように書きます。店舗がある場合は動線を意識して陳列します。「売れています!」と表示することで、お客様の気をひき、たくさん収納用品を買ってくれる方を逃しません。はじめはその商品に興味がなくても、気がついたら買ってしまっていた!そうなる要素をたくさん詰めこんでいます。

整理・収納・片づけには順番があります。まずはモノの要、不要を選別して、必要なモノだけ残す。そして、分類はどうする?どこに置くと便利?どんな収納用品が必要?収納用品は何個必要?など、ここまで考えて、ようなく収納用品の選定に入ります。ここを考えてお店に行けば、無駄買いを防ぐことができるのです。

それも、いきなり買うのではなく、まずは家にある収納用品で試してみること。新たに買い揃えたい場合でも、一度お手持ちの収納用品でシミュレーションしてから購入すれば失敗しにくくなります。ちなみに、モノの要、不要を選別して…と正しいステップで整理すると、収納用品がどんどんカラになって買う必要がなくなるケースも。まずは整理するところからスタートしましょう。

③細かく分けすぎてしまう

「収納の分類は、細かいほどいいはず!」そんな風に思っている方はいらっしゃいませんか?実は逆です。苦手な方ほどザックリ分類をオススメします。例えば、子どものおもちゃ収納。家にあるおもちゃの種類ごとに収納用品を分類していくとあっという間に2030品目になってしまいます。しかし、家はおもちゃ屋さんではないので、品揃えの良さをアピールする必要はありません。

上の写真は、整理・収納・片づけを身につける以前のわが家のおもちゃ収納の様子です。よかれと思っておもちゃを細かく分類しましたが、この仕組みでわが家の子どもは片づけることはできませんでした。そこで、似たようなアイテムを同じボックスにまとめて少しだけ分類を減らしたところ、子どもが自ら動き、あっという間に片づけられるようになりました。

ただでさえ億劫なおもちゃの片づけ。選択肢が多ければ多いほど、どこに戻したらいい?の頭の中はパニックに。その分、片づけにかかる時間も長くなり、より億劫になってしまいます。できるだけ選択肢を減らした方が判断しやすいので、まずはザックリ分類にして負荷を減らすことをオススメします。

④いつも親が片づけてしまう

「今日も子どもが片づけてくれなかったな」と思いながら、夜な夜な散らかった部屋をリセットする。親が毎日のように子どもスペースを片づけ続けていると、子どもが整理・収納・片づけ能力を身につける機会が減ってしまいます。月齢が小さいうちや、仕組みを変更したての時は親子で一緒に片づけるケースもあるかとは思いますが、子どもがいない間に、親が一人で片づけるという状態はあまりオススメしません。散らかした人が片づけるルールにしておくといいかと思います。

もし、いつまで経っても親の手助けが必要な場合、子どもの能力と現在の仕組みのバランスが崩れているサインかもしれません。モノの量が多すぎる。分類が多すぎる、もしくはわかりにくい。家具や収納納品を置く場所が悪い。ラベルがわかりにくい。理由は色々あると思いますが、一度確認して見直すことをオススメします。

ちなみに、わが家は私が整理収納アドバイザーという職業柄、「いつもお部屋がキレイなんでしょうね」と勘違いされやすいのですが、そんなことはありません。おもちゃが子どもスペースの床一面に広がり、リビング・ダイニングまで侵食することもあります。そんな時でも、親が勝手に片づけるのではなく、子どもスペースの方にザザザと寄せて放置するだけ。あとは自分たちで片づけてね!という姿勢を貫きます。散らかっている状況よりも、私が散らかしていないものを片づけることの方がモヤモヤするからです。

家の中の整理・収納・片づけをひとりで抱えない仕組みにするには、気持ちの割り切りも必要です。家族みんなで整えるもの、と思えば、ひとりひとりの負担は減ってラクになると思います。

⑤完璧を求めてしまう

「散らかった部屋をなんとかしたい!でも中途半端なことはしたくない」「わが家の収納の完成形が見えてからでないと、手を付けられない!」という方は結構いらっしゃいます。気持ちはよくわかるのですが、整理・収納・片づけは、私たちが生きている限りずっと続くもの。「収納の完成形」は幻想で、一生変わり続けるもの。完璧を求めて何もできない状態だと、いつまで経っても暮らしのモヤモヤが晴れることはありません。今の暮らしにフィットする方法を探って、常に見直していくしかないのです。

私たちは普段からSNSや雑誌などで、整った部屋や収納を目にする機会がありますよね。でも、パッと見、素敵!と思ったとしても、本当のところはわかりません。その写真を撮るために取り繕っているだけかもしれませんし、実際はそれほど使いやすくない可能性も。そのため、そういった情報を目指すべきゴールに設定することは結構危険です。間取りも、家族構成も、家族の片づけの実力も、その情報発信者と自分の家族は違います。

まずは自分の暮らしをしっかり見つめて、今あるモノの要、不要を選別して、必要なモノだけ残す。一見地味な作業に思えるかもしれませんが、家族でコミュニケーションを取りながらコツコツ見直していくことが一番の近道です。また、仕組みを変えたからといって、今日からすぐにスッキリした暮らしになるかというと、必ずしもそうではありません。環境の変化に合わせてゆっくり変化することもありますので、完璧を求めずに長い目で暮らしを整えていきましょう。

いかがでしたか?今回は子ども収納、やりがちNG行動ベスト5をご紹介しました。基本的なことですが、抜け落ちやすいことばかりです。暮らしを見直す際の参考にしていただけると嬉しいです。

記事監修

整理収納アドバイザー
水谷妙子
無印良品で商品企画&デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超。調べた他社商品は5,000点超。2018年「ものとかぞく」を起業し、個人宅や店舗などの整理収納サービスやお片づけ講座を行うかたわら、雑誌やWebでも活動中。フォロワー6万人を超えるInstagramでは、マネしやすい整理収納アイデアやモノ選び情報を発信中。8歳6歳4歳の3児の母。

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