子どもが泣き止まないと本当に困りますよね。別に泣いてもらっても構わない状況もありますが、パパ・ママが頭を抱えてしまう瞬間も一方ではあるはずです。例えば上の子のピアノの発表会だとか、静かな電車の中だとか、お出かけ先だとか、いろいろです。
焦って泣き止ませようとすると、子どももパニックになるのでしょうか、かえって大泣きします。この問題をどう対処すればいいのでしょうか。HugKumの過去記事やHugKumが独自に行ったアンケート調査からまとめてみました。
子どもが泣き止まないのはなぜ?
子どもが泣き止まない理由はそもそもなぜなのでしょうか? 『キッズ・メディカ安心百科 子ども医学館』(小学館)には赤ちゃんの泣く理由が整理され列挙されています。
このような信ぴょう性の高い情報源を参考に、子どもが泣くポイントをまずは整理してみるといいかもしれません。特に言葉のしゃべれない赤ちゃんを泣き止ませる場合、きちんと理由を整理しなければ的外れの対処ばかりしてしまう恐れもあるからです。
0歳が泣き止まない原因と対処法
「子ども」と言っても新生児から就学前の年長児、学童に至るまで年齢も成長もさまざまです。年齢別に子どもが泣く理由と対処法を以下にまとめてみます。
0歳が泣く主な理由
『キッズ・メディカ安心百科 子ども医学館』(小学館)によれば、新生児が泣く理由として第一に、
- おっぱい・おむつ替え・だっこの要求
があるとされています。パパ・ママとしては議論を差し挟む余地のない情報ですよね。そられが満たされているのに泣き止まない時には、
- 衣類の不快感
- おならや便の問題
- 皮膚のかゆみ
などが考えられるといいます。それらの問題も見当たらない場合、
- たそがれ泣き
- 夜泣き
- 甘え泣き
- ぐずり泣き
なども考えられるそう。たそがれ泣きという言葉を筆者は初めて聞きました。助産師が監修したHugKumの過去記事によれば、生後2~4カ月の乳児は理由もなく大泣きをする場合もあるのだとか。
夕方になると決まって理由もなく泣き始める、この泣き方をたそがれ泣きと呼ぶようです。ピークを過ぎれば治まるそう。事前に分かっていれば受け止め方も少しは違ってきますよね。
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激しく泣くときに考えられる原因
一方で、普段と異なる泣き方をした場合には、病気や事故を知らせるために泣いている可能性も考えられます。
- 頭を打った
- 手や指を挟んだ
- やけどをした
- 誤飲をした
など家庭内でのトラブルが起きていないか確認したいです。
他には、激しい泣き声とともに、
- 口の中のぶつぶつ
- 鼻水・鼻詰まり
- 38度以上の熱
- 便に血
- 太もものつけ根のふくらみ
- 腕がダラリと下がって上がらない
などサインが現れた場合は、大きな病気の可能性もあると『キッズ・メディカ安心百科 子ども医学館』(小学館)に書かれています。
激しく泣くときの対処法
激しく泣くときの対処法は、なぜ泣いているのか原因を正確に理解する必要があります。
『キッズ・メディカ安心百科 子ども医学館』(小学館)によると、例えば背中に手を入れて汗をかいていれば、暑くてイライラしている可能性があると言います。薄着にさせたり、裸にさせたりして様子を見て泣き止むか確かめてください。
さまざまな可能性を考え対処しても泣き止まない、正体不明の泣き方の場合は、単なる甘え泣き・ぐずり泣きかもしれません。ベランダに出て新鮮な空気を吸わせるなどが功を奏する場合もあるみたいですね。
ママパパの体験談
上のような専門家の監修した書物ではなく、先輩パパ・ママたちはどのような対処法で0歳の子どもを泣き止ませているのでしょうか。
1歳~2歳が泣き止まない原因と対処法
0歳児のころと泣く理由は大差ないはずですが、1歳~2歳になれば新生児のころにあったたそがれ泣きも治まっているはずです。1~2歳児が主に泣く理由は何なのでしょうか?
1歳~2歳が泣く主な理由
年齢的にわが子に自我が芽生えてきたら、赤ちゃん返り・イヤイヤ期などが原因として考えられます。
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激しく泣くときに考えられる原因
この年齢に特有のイヤイヤ期では、どうして子どもは泣くのでしょうか。
発達心理学の専門家に取材したHugKumの過去記事によれば、心の発達とともに探求心や自我が芽生えると、思うように事が運ばない現実に子どももイライラして、かんしゃくを起こしてしまうとのこと。
パパ・ママも本気でこのかんしゃくに反応してしまうため、子どももいよいよヒートアップしてしまいます。
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激しく泣くときの対処法
子どもがなぜ泣いているのか、1~2歳児の場合も正確に原因を突き止めたいところです。
病気の可能性も低く、家庭内事故を起こしたわけでもなく、心の発達が原因となって泣き止まないのであれば、親として次のような対処法があると、発達心理学の先生がHugKumに教えてくれています。
- 「自立の第一歩だ」と一段上に立って眺める
- 子どもの思いに肯定的に応える
- 子どもの気持ちを言葉にしてあげる
- できた部分を褒めてあげる
ちなみに下記書誌によれば、
<自分の意思に逆らうようなことが生じると、これが引き金になって>(『キッズ・メディカ安心百科 子ども医学館』より引用)
憤怒けいれんという症状が出る場合もあると書かれています。かんしゃくを起こして泣き叫び、急に息を止めたかと思うと、チアノーゼを起こして手足をけいれんさせる症状です。
憤怒けいれんを繰り返し起こす場合は、念のため一度病院でてんかんの可能性を確かめた方がいいとも書かれています。
ママパパの体験談
専門家監修の書籍や専門家に取材したHugKumの過去記事の情報をこれまでにまとめてきました。子育てに取り組む先輩パパ・ママは一方でどのようなスタンスで1~2歳の子どもの「泣き止まない問題」に対処しているのでしょうか。
3歳~5歳が泣き止まない原因と対処法
発達心理学の専門家に取材したHugKumの記事によれば、3歳を過ぎると子どもも言葉を覚え自分の感情が表現できるようになり、「いちいち癇癪を起こすよりも言葉で伝えたほうが効率がいい」と理解するようになるようですね。
3歳~5歳が泣く主な理由
それでも3~5歳の子どもが泣く理由は何なのでしょうか。もちろん自分の思うとおりにならない現実に涙を流す場合もあるはずです。
一方で子どもがこの年齢になると、環境の変化に対する不安などで泣く場合も考えられます。例えば小学校の入学に備えて家が引っ越しをするケースなどです。
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激しく泣くときに考えられる原因
大きな病気などの可能性がないのであれば、子どもには泣き止まない理由が何か他にあるはずです。HugKumが保育士に取材した記事でも、大泣きする子どもには大泣きする理由や事情があると指摘されています。
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激しく泣くときの対処法
子どもが泣き始めると、親としては一刻も早く泣き声を止めようと、しかったり、お菓子を与えたり、目先の対処法にとにかく終始してしまいますよね。しかしHugKumが取材した保育士によると、子どもが泣くには背景があるので「泣かないの!」と押さえつけるのではなく、「どうしたの?」と気持ちを聞いてあげる方が先みたいですね。
言われてみると簡単な話ですが、子どもが泣き叫んでいる状況では忘れがちな姿勢です。
ママパパの体験談
3~5歳の子どもを持つパパ・ママたちは一方で、この時期の子どもが大泣きした時、どのように対処しているのでしょうか。
「泣くな!」ではなく「どうしたの?」
以上が泣き止まない子どもの対処法のまとめでした。言葉を上手に話せない子どもの場合は、どうして泣いているのかパパ・ママが正確に原因を特定してあげる大切さが分かりました。
一方で、言葉を十分に話せる年齢にわが子が成長したら、「泣くな」ではなく「どうしたの?」と聞く姿勢を心がける大切さも学びました。
泣き叫ぶ子どもを前にすれば、正直に言ってどちらも極めて難易度の高いミッションです。しかし先輩パパ・ママが言うように「泣き止まない問題」もいつかは終わります。
それまでは専門家のアドバイスを耳にしながら、毎日が練習だと思って育児に取り組みたいですね。
構成・文/坂本正敬