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月齢別・赤ちゃんが泣く理由
おむつを替えてもおっぱいをあげても、何をしても赤ちゃんが泣き止まないと、ママも泣きたくなってしまいますね。そんなときは、まず赤ちゃんがどんな理由で泣いているのかを考えてみましょう。赤ちゃんの月齢別の主な理由は次の通りです。
1ヶ月~3ヶ月ころ
生後間もない3ヶ月ころまでの赤ちゃんが泣いているのは、不快なことがあって、それを訴えていることがほとんどです。空腹や暑い・寒い、お腹が苦しいなど、赤ちゃんが何らかの不快感を感じていないか確認してみましょう。
4ヶ月~6ヶ月ころ
4ヶ月以降になると、空腹や不快なこと以外に眠いことも泣く原因に加わってきます。また、ママやパパが近くにいない、いつも使っているおもちゃがそばにない、といった寂しさを感じて泣く気持ちも生まれてきます。
7ヶ月~9ヶ月以降
ママやパパなど人の顔を区別できるようになってくると、人見知りによって泣くケースや後追い泣きも多くなってきます。また、7ヶ月ころから夜泣きが始まる子も増えてきます。
いつもと違う、泣き方がおかしい…赤ちゃんが激しく泣く原因
泣いて周囲に自分の不快感や気持ちを伝える赤ちゃんですが、いつもと泣き方が違うときや、激しく泣くような場合は、次のような理由があるかもしれません。
パープルクライング
赤ちゃんがよく泣く時期のピークは、生後2週間から2ヶ月ころ。このころの赤ちゃんは何をやっても泣き止まないことが多く、「P:泣きのピーク(Peak of Crying)」、「U:予想外(Unexpected)」、「R:なだめても抗う(Resists soothing)」、「P:痛そうな表情(Pain-like face)」、「L:長く続く(Long lasting)」、「E:午後から夜にかけて(Evening)」の頭文字から、パープル(PURPLE)クライングと呼ばれています。パープルクライングの時期は理由もなく泣くもので、ピークを過ぎれば少しずつ泣きは治まっていきます。
黄昏(たそがれ)泣き
生後2週間から4週間ごろの赤ちゃんが激しく泣く場合は「黄昏泣き」かもしれません。黄昏泣きは「コリック」とも呼ばれ、腕や足をバタバタさせたり背中をそらせたりしながら泣いたり、こぶしを強く握って泣いたりする特徴があります。黄昏泣きの原因ははっきりとわかっていませんが、お腹にガスがたまって張っているなど、消化器官の未発達によって不快感が出ていると考えられることもあります。黄昏泣きは病気ではなく、生後3~4ヶ月ごろには自然に治まっていきます。
HSC
なかなか泣き止まない赤ちゃんは、HSC(Highly Sensitive Child:人一倍敏感な子)の可能性もあります。5人に1人くらいの赤ちゃんにこのHSCが見られるとされ、赤ちゃんを抱っこしたり食事させたりするなどのわずかな刺激で泣き出す場合もあります。室温の変化や大きな音、まぶしい光などに過敏に反応するため、そのような外的刺激を減らすことが大切です。
赤ちゃんの大泣き、突然のギャン泣きへの対処法
赤ちゃんが大泣きしたり突然ギャン泣きしたら、どうしたらいいでしょう。そんなときにはママとパパで協力して、次のような方法を試してみましょう。
抱っこする
赤ちゃんを抱っこして、ママ・パパの体に赤ちゃんの体をぴったりつけてみましょう。「ママ(パパ)だよ、大丈夫だよ」などやさしい言葉をかけながら行うと、赤ちゃんは安心してくるかもしれません。
授乳・おむつ替えする
赤ちゃんはお腹が空いていたり、おむつが汚れていたりして泣いているのかもしれません。授乳やおむつ交換を行って、赤ちゃんの様子を見てみましょう。
体&衣類をチェックする
暑かったり寒かったり、洋服がきつかったり、なんらかの不快感を訴えて泣いているかもしれないので、室温の状態や赤ちゃんの衣類を見てみましょう。また、おむつかぶれなど、体に不快なことが生じてないかチェックしてみることをおすすめします。
赤ちゃんが興味をもつ音を聞かせる
ビニール袋をくしゃくしゃっと丸めたり新聞紙をカサカサ動かしたりなど、赤ちゃんが興味を持つ音があります。そんな音を聞かせると、赤ちゃんは音の方に関心が向いて泣き止むかもしれません。
外に出たり移動する
家で泣いていた赤ちゃんが、外に出てみると気分転換になって泣き止む場合もあります。ベビーカーに乗せて外を散歩したり、車に乗せて外に出てみたりしてもいいかもしれません。
泣き止まない赤ちゃんにやってはいけないこと
赤ちゃんが泣き続けていると、まわりにいる大人もストレスを感じてしまうものです。しかし、赤ちゃんが泣き止まないからといって、次のような行為に及ぶのはとても危険です。絶対に行ってはなりません。
無責任な放置
ママがちょっとだけ家事を行っているときなど、泣いている赤ちゃんをほんの少しの間そのままにしておくことはあるかもしれません。しかし、それは自宅のような安全な場所でごく短時間に限った場合のこと。自宅はもちろん、外出先などで長時間にわたって赤ちゃんを放置してはいけません。また、そのような行為は育児放棄とみなされる場合もあります。
激しく揺さぶる
イライラしたママやパパがついやりがちなのが、赤ちゃんを激しく揺さぶること。しかし、赤ちゃんの脳はまだとてもやわらかいため、激しく揺さぶられると脳の血管や神経がちぎれて、障害を引き起こす可能性があります。これは「乳幼児揺さぶられ症候群」と呼ばれますが、言語障害や歩行困難、失明などをもたらしたり、最悪の場合は死亡してしまうこともあります。
口をふさぐなどの暴力
泣いている赤ちゃんの口をふさぐなどの暴力は決して行ってはなりません。抵抗できない赤ちゃんにそのような暴力をふるうことは、虐待とみなされることもあります。絶対にやめましょう。
自分の想像以上に赤ちゃんに泣かれてしまったときは、厚生労働省による「赤ちゃんが泣き止まない 泣きへの理解と対処のために」をぜひ読んでみてくださいね。
激しく泣く・泣き止まない赤ちゃんに疲れたら……
何をしても赤ちゃんが泣き止まないと、ママ・パパだって疲れてしまうもの。赤ちゃんが悪いわけでも、ママ・パパが悪いわけでもないけれど、親が疲れてしまっては大変です。そんなときは一呼吸おいてみましょう。
少し離れる
赤ちゃんを安全な場所に寝かせたら、赤ちゃんを見守れる距離を保ちつつ、少しだけその場を離れてみましょう。ママ・パパが休憩をとって心を落ち着かせてから、また赤ちゃんと向き合ってみるといいかもしれません。
焦らない
赤ちゃんが泣き止まないことだけではなく、家事や仕事などやらなければならないことがあると、イライラは募るばかり。家のことも赤ちゃんのことも焦らず対応できるように、パートナーや第三者の協力を仰ぐことも必要かもしれません。
散歩に出てみる
なかなか泣き止まない赤ちゃんと自宅でふたりきりだと、ママ・パパの心も参ってしまいます。そんなときは、赤ちゃんをベビーカーに乗せたり、スリングで赤ちゃんを抱っこしたりして、思い切って散歩に出てみましょう。外の空気を吸ってお散歩すれば、ママ・パパにとってもいい気分転換になるはずです。
記事監修
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
編集部が選んだ! 赤ちゃんが泣き止むアプリのおすすめ
抱っこしたりおっぱいをあげたり…思いつくことをやりつくしても効果がなく、ママ・パパもお手上げということもあるでしょう。そんなときには、赤ちゃんが泣き止むと評判のアプリをぜひ利用してみましょう。さっきまで泣いていたのが嘘のように、赤ちゃんが泣き止むかもしれません。
「なきやみbaby」
ドライヤー、ラーメン、掃除機、ビニール袋、水流など、ご機嫌ななめな赤ちゃんでもピタッと泣き止む音を厳選。夜泣きしたときでも使いやすいように、暗い背景でデザインされています。
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ママパパの口コミ
「泣き止んでくれて助かった」(20代・京都府・子ども1人)
「SmiRing」
ビニール袋、テレビ、ドライヤー、掃除機、心音など、赤ちゃんが泣き止むと噂のさまざまな音を収録。複数の音を自由に組み合わせて試すこともできるし、ママ・パパの声や歌を録音して繰り返し再生することもできます。
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赤ちゃんは泣いてコミュニケーションをとるもの
まだ言葉も話せず自分の気持ちを上手に伝えることができない赤ちゃんにとって、泣くという行為はコミュニケーションの手段。ですので、赤ちゃんが泣くことも、泣き止まなくても、それはママ・パパのせいではありません。泣いてコミュニケーションをとろうとしていることを理解して、大らかな気持ちで対応していけたらいいですね。
文・構成/HugKum編集部