オマーンってどんな国?
「オマーン」と聞いても、どんな国なのかすぐに言える人は少ないかもしれませんね。そこでこれから、オマーンの基本情報や観光スポット、特徴などを説明していきます。
オマーン基本情報
まずは、オマーンの正式な国名や首都、場所などといった基本情報を見ていきましょう。
国名
正式な国名は「オマーン国」といいます。
首都
首都は、マスカットです。
場所
オマーンの場所は、アラビア半島の東端に位置します。隣国には、アラブ 首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、イエメンがあります。
日本との時差
日本とオマーンとの時差は5時間で、日本のほうが、5時間進んでいます。たとえば日本が午前5時だとすると、イエメンは午前0時です。
面積
オマーンの面積は、約30万9千500平方キロメートルです。これは、日本の面積の約85%となります。
エリア
オマーンのエリアは、「オマーン北部」と「オマーン南部」の2つに大きく分かれています。
北部は岩山の連なるハジャール山系やオマーン湾に面した緑豊かなエリアで、首都マスカットも北部にあります。南部はインド洋熱帯域に属するドファール地方があり、竜血樹やボトルツリーなどの貴重な自然でも知られています。
人口
オマーンの人口は500万人(2023年3月オマーン国立情報・統計センター)です。日本でいうと福岡県の人口が約511万人なので、それよりも少ないくらいです。
言語・公用語
オマーンの公用語はアラビア語です。首都圏では英語も通用します。
通貨
オマーンの通貨はオマーン・リアルです。1オマーン・リアルは日本円にして391.61 円です(2024年3月3日)。ちなみに補助通貨としてバイザも使われます。
宗教
オマーンの人々が信仰する宗教は、イスラム教です。なかでもイバード派が主流となっています。
歴史
オマーンの歴史は1世紀~2世紀頃、アラブ人の移動・定住によりはじまります。
16世紀~17世紀にポルトガルの支配を受けますが、1650年にイマーム・ヤールビ王朝がポルトガル人を追放し、全国統一。
1749年にサイード王朝がスタートします。
1891年、英国の保護国になり、その後、内戦や反乱などがありつつも、1963年にザンジバル王国が成立。再び反乱やクーデターなどを経て、1970年に現国名の「オマーン」となりました。
天気・気候
オマーンの気候は全体的に暖かな気候で、1年を通じた平均気温は18〜38℃です。
4~10月が夏季となり、高温多湿で暑く感じます。この時期には40℃を超える日も多いです。11~3月は冬季となり、とても過ごしやすいシーズンといえます。この時期はほとんど雨が降らず天気は晴れで、乾燥した状態が続きます。
日本と比べると寒くもなく、暑くもない気候が続くため、オマーンのほうが過ごしやすいといえるかもしれませんね。
オマーンの治安・住みやすさ
オマーンの治安や住みやすさを解説していきましょう。
治安はとてもいい
オマーンはアラビア半島にあり、サウジアラビアやイエメンと接していることから、治安が悪そうなイメージがあるかもしれません。しかし、オマーンは外務省が公表している危険度レベルは0で治安がよく、とても安全です。
住みやすさもいい
オマーンは治安がよいことや、厳格なイスラム教の戒律、貧富の差が少ないので住みやすい国といえます。また、産油国であるため経済も潤っていることから、インフラが整っているのもよい点です。
オマーンの見どころ・観光
オマーンには、建築物や自然などの見どころ・観光スポットがたくさんあります。どんな名所があるのか見ていきましょう。
ジャブリン城
ジャブリン城はオマーン北部にある宮殿で、17世紀にバララブ・ビン・スルタンによって建てられました。宮殿というだけあり、天井や梁にほどこされた美しい装飾が見事です。とくに、芸術的な美しさをもつ天井装飾の「太陽と月の間」は見応えがあります。オマーン建築の代表作ともいわれています。
バハラ・フォート
バハラ・フォートは、主要都市ニズワ郊外の村・バハラにある城塞です。特徴は、全長12キロにもおよぶオマーン最大規模であること。また、監視塔が多いことや、城塞のなかは迷路のように通路や部屋が入り組んでいることが挙げられます。この城塞の用途は、この地の為政者の居城であったり、地域の監視塔の役目だったりと、時代によって異なるのだそうです。
ニズワ・フォート
ニズワ・フォートは、主要都市ニズワにある城塞です。7世紀にスルタン・ビン・セイフ・ビン・マリクによって建てられ、防衛の目的があったのだそうです。大きな特徴は、円形のタワー。ここからはニズワの街を見渡せます。
また、ニズワ・フォートにはさまざまな敵の侵入を防ぐための仕掛けがあります。たとえば、熱湯やデーツを煮て作った熱々のシロップを上から流すための穴や、落とし穴、頭上から石を落とすトラップなどです。そのほか、たくさんの大砲も設置されています。これらの仕掛けをどうやってかわすか考えながら見学するのもおすすめです。
スルタン・カブース・グランド・モスク
スルタン・カブース・グランド・モスクは、オマーン最大モスクです。400万平方メートルもある建物は伝統的なイスラム様式と近代建築を混合した造りとなっているのが特徴で、建築美を堪能できます。また、敷地内の噴水や庭園も見応えがあり、夕暮れ時のライトアップでは幻想的な雰囲気も楽しめます。
ちなみに、モスクはイスラム教徒しか入ることができませんが、こちらのモスクは異教徒でも入場できる時間があります。
ワディ・シャーブ
ワディ・シャーブは「オマーンの秘境」とも呼ばれる場所で人気スポットとなっています。切り立った巨大な岩山の間をエメラルド色の小川が流れる光景は、自然の神秘そのもの。また、ヤシの木や緑が生い茂り、岩山と崖の道を進むと、広い池や滝などの絶景にも出会うことができます。
バット、アル・フトゥム、アル・アインの考古遺跡群
「 バット、アル・フトゥム、アル・アインの考古遺跡群」は、オマーン北部のアフダル山地に点在する古代遺跡群です。かつてこの地にはマガン国があり、紀元前2500年ごろからアフダル山地で銅の採掘を行い、メソポタミアと交易することで富を得ていたとされています。扁平な石を積み上げたマガン国の住居跡、石を積んだり細かく加工した石を組んだりしたさまざまな墓などを見ることができます。
最大の見どころは、バットにある直径約20m、高さ約10mの巨大な塔です。5基発掘されていますが、建てられた目的はいまだ解明されていません。
乳香の土地
乳香とは、ムクロジ目カンラン科ボスウェリア属の樹木から分泌される樹脂のことです。古くからこの樹脂を焚いて香にしたり、香水の香料として利用してきました。オマーンは、この乳香の交易で栄えた地です。ドファール特別行政区内にあるオアシス都市遺跡、港湾遺跡、交易路跡や乳香の群生地が世界遺産の登録対象となっています。
アラム・パレス
「アラム・パレス」は、オマーンの首都・マスカットにある宮殿です。ここは、オマーンの現国王であるカーブース・ビン・サイードの公式住居となっています。見どころは、オマーンの伝統的な建築様式と現代的なデザインが融合された建築美です。また、さまざまな種類の植物が植えられた庭園も魅力です。
オマーンの特徴・有名なもの
観光地以外に、オマーンで特徴的なことや有名なものを紹介していきましょう。
親日国
オマーンは親日国として知られています。その理由には、元国王タイムールが神戸に滞在した際に日本人の女性を見初めて結婚したことが挙げられます。昭和12年には日本人の血を引く王女が生まれました。
また、「オマーン・日本友好協会」が日本語教育を行っていたり、ナシーブ・マスカット公園の敷地にオマーン平安日本庭園が開園したりと、日本の文化的つながりがあるのだそうです。
温泉
オマーンにはいくつか温泉があり、ルスタックにある「アイン・アル・カスファ」や、ナハルにある「アルトワラ温泉」などが有名です。河原や水路が温泉になっていることが多く、地元の人は服を着て入ったり、足湯をします。
オマニー・ハロワ
オマーンの代表的なお菓子に「オマニー・ハロワ」があります。これは、ういろうと羊羹の中間のような食感があり、もちもちとしているのが特徴です。味は、独特な香辛料とじわっとした甘さがあります。オマーンでは専門店があるほど人気で、スーク(市場)やホテル、空港、ショッピングモールなどでも購入できます。
アオウミガメの産卵
アオウミガメの産卵地として有名な国には、オーストラリアやインドネシアがありますが、オマーンも大規模産卵地として有名です。
また、オマーンで産卵を観測できるウミガメには、アオウミガメのほかに、アカウミガメ、タイマイ、ヒメウミガメがいます。2008年にはウミガメ・センターが作られ、観光客のガイドツアーや観測が可能です。
オマーンの伝統的な料理
オマーンの伝統的な料理には「ハリース」や「ケバブ」があります。
「ハリース」は小麦と肉、スパイスを長時間煮込んだお粥のような料理です。オマーン以外の国でも食べられています。
「ケバブ」は牛肉や鶏肉にスパイスをまぶし、オーブンやグリルで焼いた料理です。オマーンでは、野菜を添えて提供されます。
親日国で治安のいいオマーン
オマーンは、親日国で知られ、中東のなかでも治安がいいのが特徴です。また、魅力的な建造物や自然など、観光スポットがたくさんあります。
オマーンのことをもっと知りたいという人は、本やインターネットでさらに調べてみてはいかがでしょうか。
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文・構成/HugKum編集部