ポーランドを子連れ旅行におすすめしたい4つの理由
素朴な雰囲気で、一度行くとハマる人が多いポーランド。旅行先としても魅力的なポイントがたくさんあります。
理由1:物価が安め
ポーランドは欧米の中では、比較的物価が安めです。円安と物価高で海外旅行へのハードルが上がっている昨今、物価の安さは大きな魅力。日本とそれほど変わらない感覚で旅ができます。通貨はズロチ(PLN)で、1PLN=約40円(2024年7月現在)。ちなみにワルシャワの駅のコンビニで、500mlのミネラルウォーターが2.5PLN(約101円)でした。
ホテル代がリーズナブルなので、少し贅沢な旅もできます。たとえば、首都ワルシャワの5つ星ホテルノブホテル・ワルシャワは、宿泊日や部屋のタイプによりますが、1泊1部屋2万円代で泊まれることも。東京の5つ星ホテルよりかなりお得です。
理由2:治安がよく人がやさしい、親日家が多い
治安のよさもポーランドの魅力。街を歩いていて危険な感じはしません(※もちろん海外にいる自覚は必要)。人々はほどよい距離感で、何かあれば旅行者にもやさしく接してくれます。公用語はポーランド語ですが、若い人の多くは英語を話すことができるのであまり困りません。
また、親日家が多いことでも知られています。古いところでは1920年代にシベリアから救出されたポーランド孤児を日本が受け入れたといったエピソードが知られており、近年では日本企業の進出やアニメ人気などから日本に好意的な印象を持っている人が多いようです。
理由3:料理がおいしい
農業大国のポーランドは食材が豊富で、料理もバラエティ豊か。先ごろ、日本では松屋で発売された「ポーランド風ミエロニィハンバーグ」が話題になりましたが、ほかにも大きな水餃子のような「ピエロギ」、100種類以上もあるといわれるスープなど、個性豊かな料理がいろいろあります。
発酵による酸味を活かしたスープが多く、もしかすると子どもは好みがわかれるかもしれませんが、大人はハマります(酸味のない料理もたくさんもあります)。また、デザートも充実しています。
ちなみにポーランド人は4回食事をとる習慣があります。7~8時頃から働き始める人が多く、15時くらいに仕事が終了。学校も8~14時頃なので、朝食の後は、職場や学校では軽めの第2朝食をとり、帰宅後に遅めのランチを食べ、夕食は軽めに20~21時頃、というのがよくある食事スケジュール。レストランへ食事に行くと「一体何ご飯!?」と思う時間にレストランに人が大勢いることもあります。そんな文化の違いを伝えるのも楽しいですね。
レストランは基本的に子連れもウェルカム。キッズスペースやキッズメニューのある店も多く、家族で気兼ねなく過ごせます。
理由4.直行便がありアクセスしやすい
ポーランドと日本(成田)はLOTポーランド航空の直行便が飛んでいます。現在は、ロシアによるウクライナ侵攻のためシベリア上空が飛べず、ヨーロッパに行くのに以前より2~3時間多くかかっていますが、成田-ワルシャワ線は行きも帰りも夜便なので、睡眠時間をしっかり確保できますし、地方在住でも利用しやすいメリットがあります。
ワルシャワ空港はこぢんまりしているので、ワルシャワから地方へ行く場合の乗り継ぎもラク。子ども向けのプレイランドやファミリーチェックイン専用カウンターもあり、ファミリーにやさしい空港です。子連れだと移動のしやすさも旅の快適さを決める大きなポイントになります。
子どもが旅の中で学べる要素がたくさん!
ポーランドは観光も楽しく、いろいろなテーマで子どもと旅ができます。
歴史に興味を持つきっかけに!
ポーランドは国の歴史を知ると、見える景色の印象が変わります。建国は10世紀ですが、18世紀末にロシア・プロイセン・オーストリアによって分割されてから第一次世界大戦後まで、国が消滅していた時代がありました。
その後の第2次世界大戦でも、各地は大きく破壊されました。首都ワルシャワの当時の写真を見ると、屋根のある建物はほぼ残っていません。今の街並みはオリジナルに忠実に再建されたものです。この再建の精神はポーランド人の愛国心の強さの現れ。ほかにヴロツワフ、グダンスクなども再建された街です。
また、17の世界遺産があり、そのほとんどが文化遺産なので、世界遺産を訪れることで歴史への理解も深まります。たとえば「シフィドニツァの平和教会」と「ヤヴォルの平和教会」はキリスト教の宗教戦争である三十年戦争を終えるために建てられた、カトリック人口の多いポーランドでは珍しいプロテスタントの教会です。いずれも世界遺産に登録されています。
上質な音楽を気軽に楽しめる
日本人に人気の作曲家ショパンはポーランド出身。首都ワルシャワには、親子で気軽に音楽を楽しめるスポットがたくさんあります。その一つが「ワジェンキ公園」。夏の間、毎週日曜日に無料コンサートが開催されます。
時間に余裕があればワルシャワ郊外の「ショパンの生家」へ足を延ばすのもおすすめ。夏季は週末に無料コンサートを開催。美しい庭園があり、散歩も楽しい場所です。
そのほかにも、ワルシャワのあちこちにある「ショパンベンチ」はボタンを押すと、ショパンの曲が流れる楽しい仕掛けが。ピアノを習っているお子さんなら、曲当てクイズも楽しいかもしれませんね。落ち着いて音楽を聞ける年齢であれば、1時間程度で気軽に楽しめる有料コンサートもおすすめ。「ショパンポイント」はライブハウスのような小さな会場で間近で華麗な音色や指使いを堪能できます。
伝統工芸や民族衣装で感性が刺激される
美しい伝統工芸品や民族衣装が多く、子どもの感性や創造力が刺激されそうです。ワルシャワから90kmほどの場所にある小さな町、ウォヴィチは繊細な刺繍が施されたカラフル民族衣装が有名。年に一度のカトリックの祝日(5~6月頃)、聖体節には、民族衣装をまとった人々の行列を見ることができます。
ポーランドではヴィチナンキと呼ばれる切り絵をモチーフにしたお土産が定番ですが、この切り絵もウォヴィチが発祥とされています。
かわいらしいデザインの陶器は、最近日本でも人気。ボレスワビエツが陶器で有名な街ですが、首都ワルシャワなどにもショップがたくさんあります。お気に入りを見つけてお土産に持ち帰れば、見返すたびに旅の記憶がよみがえりますね。
個性的な魅力に溢れ、知れば知るほど好きになる国、ポーランド。ぜひいつか親子で行きたい国リストに入れてみませんか。
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取材・文/古屋江美子、取材協力/ポーランド政府観光局、LOTポーランド航空